■音楽|METAFIVE 小気味良いサウンドの波が押し寄せてくる

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これは、間違いなくカッコイイ!サウンドだ

 80年代以降の日本の音楽界で、先鋭的なサウンドを創り上げてきたアーティスト達を中心に結成されたのが「METAFIVE」である。メンバーは高橋幸宏以下、40歳過ぎの中高年アーティスト達が集合している。一人だけ若手が入っているが。

 YMOのテクノを深化させたようなサウンドと、さらにファンクなリズムを重ね合わせて、粋でかつ躍動的なサウンドを創り上げている。

 そのサウンドは、たんなるテクノを超えて新しい領域を感じさせてくれる。かつてのテクノと違って、哲学的な辛気臭さがないのが聴いていて心地がいい。小気味良いリズムのサウンドが、これでもかと押し寄せて止まらない。

METAFIVEのメタポップは軽妙で洒落ている

 根底にある音楽は、やはりテクノかもしれないが、あえていえば「メタポップ」という、METAFIVEの独自性を創造したように感じられる。

 メタポップ=かつて細野晴臣がテクノをそう呼んだそうだ。メタ=メタモルフォーゼ(変身)の意味であり、YMOはメタだったかもしれないが、ポップというには哲学的過ぎたように思うが…。なぜなら、軽くはなかったからだ。ちなみに、細野はテクノは精神性だとも言っていたとか。

 YMOが活躍した80年代では、哲学や思想が一種のブームとなっていた。そんな時代にあってYMOは音楽界の知性派とされていた。哲学や思想が悪いとは思わないが、ポップとは相性が良くないのは言うまでない。

 ポップの意味には、大衆性、軽妙性、瀟洒性などが含まれている。とすれば、メタポップというのは、「軽やかに変身する姿勢」と解釈できると思うがいかに。

 当たらずとも遠からずと思うが…。

<メタとは>
メタモルフォーゼ=変身、変態、変形など。

<ポップとは>
① ポピュラー・ソング。ポップス。
② 軽妙で洒落ているさま。
③ 広く大衆に受け入れられやすいさま。

「METAFIVE」には、そのメタポップがよく似合うようだ。YMOには到達できなかったサウンドが、そこにはあると感じることができる。ひとつのスタイルに固執することなく軽やかに変身してみせる、そして6人6様の個性が活かされている。

 とにかく、格好良いサウンドとしか言いようがない。クラブサウンドと言ってもいい楽曲もあるが、高橋幸宏曰く「EDMは嫌い」だそうであり、特にEDM(エレクトリック・ダンスミュージック)として創り上げたサウンドはないようだ。

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左から、ゴンドウトモヒコ、LEO今井、高橋幸宏、砂原良徳、小山田圭、TOWA TEI

<METAFIVEメンバー>
高橋幸宏/ドラム、ボーカル
小山田圭/ギター
砂原良徳/キーボード
TOWA TEI/シンセサイザー
ゴンドウトモヒコ/管弦楽器
LEO今井/ボーカル、ギター

 メンバーは、LEO今井(35歳)を除き、40代以降の著名中高年アーティストが揃っている。LEO今井のボーカルは、力強くかつ抜群の歌唱力で聴き応え十分であり、YMOとの違いを一番よく表している。(失礼ながら)

 高橋幸宏も渋く聴かせてくれるが、どーしてもYMOぽっくなるのはご愛嬌か。それでもサウンドが違うせいか、どこか新鮮な魅力を垣間みせている。

 METAFIVEのメタポップ・サウンドを若い人が聴いてはたしてどう思うか、そこが若干気にかかるが…。これだけ格好良いと余計なことかもしれない。

METAHALF
オリジナル・アルバム「META」に続く、5曲入りミニ・アルバム!
METAHALF

80年代、90年代、00年代のサウンドの集大成か

 高橋幸宏は、いわずと知れたYMOのメンバーとして、80年代に一世を風靡したのはいまさら言うまでもない。小山田圭(フリッパーズギター)、砂原良徳(電気グルーブ)も、90年代にそれぞれ一時代を築いていた。

 TOWA TEIは、80年代、90年代を通じてクラブシーンなどで活躍し、ゴンドウトモヒコもおなじような時代に音楽の地盤を築いていた。

 LEO今井(2006年デビュー)は、2000年代以降の音楽シーンで注目されてきて、いま旬のアーティストのひとりといえる。ちなみにLEO今井は、日本人とスウェーデン人のハーフ、ロンドン大とオックスフォード大で学んだ後、日本で2006年にデビューしている。なんと数カ国語が話せるとか。

 余談であるが、アンフォルメの画家・今井俊満と関係があるかと思って調べたが、関係性が見つかりませんでした。アレクサンドル今井(俊満の息子)という画家もいます。気のせいか、LEO今井と顔が似ているように思いましたが。

 METAFIVEは、メンバーそれぞれが抱える時代の音楽性を持ち寄り、それを集約し、変身(メタモルフォーゼ)させて新しいサウンドに生まれ変わらせた。いうなれば、80年代以降のサウンドの集大成を創出したのかもしれない。

 本人達が意図したかどうかは知る由もないが、結果的にはそうなっている。

 それぞれの時代の良いとこ取りしたともいえるが、アートの世界では「参照と引用」という文脈があるように、音楽の世界でもおなじく、サンプリング、カットアップ、リミックスなどと言葉は違えども、似た要素がある。

 それを考慮すると、METAFIVEは意図的に音楽の文脈に則った上で、新しい音楽を創ろうとしたということができるだろう。似て非なるではなくても、そこにはオマージュを込めた音楽性があるのは間違いない。

 ここまであれこれと書いてきましたが、訳のわからん解釈(自省を込めて)などするよりも、この格好良いサウンドを一聴すれば事足りるはずです。サウンドを体全体で受け止めれば、もう気分は「メタポップ」に浸るはずである。

 なお、高橋以下メンバー達が、METAFIVEの音楽をメタポップと公言している訳ではありません。あくまで個人的見解であることをご了承ください。

METAFIVEインタビュー/高橋幸宏、小山田らの比類なき最高峰バンド
高橋幸宏ーー
 スタート当初は、半分YMOのパロディーですからね。アルバムを作ろうとなった段階では、1人2曲ずつ作ろうって自ずと決まっていきました。僕はこれまでいろんなバンドを組んできましたけど、こんなに他のメンバーに任せっぱなしにしたのは初めてです。

 YMOのときだって、こんなに任せられなかった。若い頃は「こういう風にやりたいんだよ」というエゴがあったんですけど、今はそれが全然なくなって、これまでになかった経験ができました。それって、すごい楽なんですよね。

20151231005516

<METAFIVEの概要>
高橋幸宏×小山田圭吾×砂原良徳×TOWA TEI×ゴンドウトモヒコ×LEO今井。

それぞれが日本の音楽シーンに特別で、独特な存在を築いてきたレジェンドの集合体である、まさに夢のバンド。

2014年1月に六本木EX THEATERのオープニング企画として行われた、「高橋幸宏&METAFIVE」としての一夜限りのスーパー企画として結成され、その後不定期に活動を続行。

同年の『TAICOCLUB’14』『WORLD HAPPINESS 2014』『SPACE SHOWER TV 開局25周年×攻殻機動隊25周年×日本科学未来館』、2015年の『WORLD HAPPINESS 2015』『OTODAMA’15~音泉魂~』に出演。

2016年1月13日、遂にオリジナルアルバム「META」をリリース。

2016年11月9日、ミニアルバム「METAHALF」をリリース。

追記:
 YMOをリアルタイムで聴いた世代として、偏見かもしれないが知性派ゆえの上から目線が気になっていた。ところが、このMETAFIVEにはそれが感じられない。音楽性を純粋に楽しむことができるようだ。高橋幸宏もYMOよりも楽しんでいるように感じられる、気のせいかもしれないが…。

META
日本の音楽シーンに特別な存在を築いてきたレジェンドの集合体である夢のバンドが本格始動。ファースト・アルバム全12曲収録。
META

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