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■社会|変人が時代を切り拓く 常識のハードルを越えてゆく

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いま時代は、変人を求めているか

明けましておめでとうございます!

 2017年、いよいよ時代は、本格的に転換点を迎える兆しにあるようです。元旦の日経新聞では、時代を転換した起業家や発明家たちを特集していました。(「断絶を超えて」技術革新や時代の転換で世界が変わる)

 アメリカではトランプ新大統領の誕生によって何かが変わるのは、ほぼ間違いないといわれています。すでにトランプ氏は、年明け早々にオバマ大統領の政策(自らの功績としたものを含めて)をすべて見直すという発言をしている。

 トランプ氏は、紛うことなき変人(憶測であるが)であると思われる。

 ちなみに時代の流れを転換するにあたり、先端となって切り拓いたのは、常に「変人」といわれた人たちだった。それは歴史が証明している。

 例えば、時代を振り返ってみれば、「大航海時代」の冒険家コロンブス、「産業革命時代」のワット、「第二次産業革命時代」の発明王エジソン、自動車王フォード、金融王モルガンなど…。

 そして最近のコンピューターとインターネットという「デジタル革命時代」では、アップルのジョブズ、マイクロソフトのゲイツ、フェイスブックのザッカーバーグなど、多数の変人たちが時代を切り拓いてきました。

 そしていま、2017年は新たな転換点を迎えようとしている。

 それはAI、IoTなどの技術革新によって、新たなデジタル革命が誕生するからだといわれます。そして、その革命には、また新たな変人が登場してくるはずである。

「歴史は繰り返す」、その言葉通りに捉えれば、変人が時代を転換させるキーパーソンと言って間違いない。はたして日本にも、そのような変人が現れるか否か。しかしそれは、期待薄かもしれない。

 なぜなら日本の企業や社会では、協調性ばかりが重要視されて、新たな価値を生み出す創造性はなおざりにされているからだ。企業では、人材の個性は活かさず、金太郎飴の人材ばかりをつくりあげて良しとしている。

 中間管理職は、上司の顔色をうかがい失点を恐れて決断をせず、機会の損失ばかりを生み出している。「前例踏襲」や「長いものに巻かれろ」が常態化しているなかで、常識はずれの革新的な製品やサービスが生まれるはずがない。

 それでも、マスメディアや一部業界では、起業家には変人が多い説が流されている。しかし、日本のITやその他業種の起業では、たとえ成功しても、やってることはインチキだったり、振り込め詐欺まがいだったりしている。とても世界に通じることはなく、日本固有のガラパゴスでしかない。変人の度合いも小さすぎるとしかいいようがない。

 それはさておき、日本では変人は阻害され差別されて、いずれは牙を抜かれて普通の人になるしか生き残る方法がない、と言っても過言ではない。

 先ごろ話題となった、「小3算数テストで、3.9+5.1=9.0が不正解にされた」という問題も、根っこはおなじ土壌にあると思われるがいかに。

<変人とは何か>
 変人とは、既成概念とか、常識に捉われることなく、独自の考え方や行動をする人たちのことである。ちなみに日本では、変人というと嫌われ者と同義の場合が多い。みんな一緒という概念が強い日本ならではの差別意識といえるだろう。

変人たちの奇想天外なエピソード

 時代の流れを転換させた変人(天才ともいわれる)たちには、常識はずれのとんでもエピソードが数多く残されている。

 そんなエピソードのいくつかを以下に紹介いたします。

発明王エジソン 究極のプラス思考の人だった

 発明王エジソンには逸話が多く残されている。その多くの逸話を集約すると、エジソンが、究極のプラス思考の持ち主だったことがわかる。いくら失敗をしても、それを糧にして新たな発明をしたといわれる。

 またエピソードとして、自分の経営する工場が火事になったとき、その火事の様子があまりにすごいので父親に見ることを勧めたといわれる。そして、その火事の最中、夜間ということもあり消化活動がなかなか捗らなかった。エジソンはそこにヒントを得て「サーチライト」を発明したそうだ。

 ころんでも、ただでは起きないというのがエジソンの真骨頂だったといえる。

スティーブ・ジョブズ 変人ここに極まれり

 ご存知アップルの共同創業者である。ジョブズとウォズは、80年代にどこよりも有名となるパーソナル・コンピューターを生み出して伝説となった。そして、そこからアップルの神話がはじまった。(ちなみに初のパソコンは、「アルテア」といわれる)

 ジョブズは、発明家でも技術者でもない。しかし、その卓越した経営感覚によってコンピューターとインターネットのパーソナル化の時代を創り上げた。さらに、ジョブズは経営者でありながら、同時にアーティストの感覚を有していた。

 アップルの製品には、そんなジョブズの美学が隅々までに反映されていた。こだわることに際限がなく、製品の中の配列にまで注文をつけたといわれる。

 そんなジョブズには、変人ぶりを物語るエピソードが数多く残されている。

 ジョブズはアップル創業時(自宅ガレージ)、フルーツを食べていれば風呂に入らなくてもいいと頑なに信じていたとか。そのおかげで、周囲は臭くて迷惑を被っていたといわれる。また当時は、いつも裸足で歩いていたそうだ。

 ジョブズは世間の堅物といわれる常識人が心底嫌いだったようだ。ドラッグをやり、ヒッピーだったジョブズは常識という規制からもっとも離れた人物だった。

 アップルが企業として一躍注目されてからもジョブズの変人ぶりは変わらなかった。入社希望の面接者に対して、セックスや麻薬について質問していたといわれる。その状況はいまではセクハラと言っても間違いはないだろう。

 また、ヒッピー時代の恋人との間に生まれた子供をいつまでも認知しなかった。それでありながら、子供に自分で「リサ」と命名している。認知しないのに名前にはこだわった。ジョブズの変人ぶりも、ここに極まれりである。

 とにかく、ジョブズ氏には逸話が多すぎて、とても書ききれない。詳しくは自伝に書かれています。まだお読みでない方は、図書館で借りるといいかと思います。

ビル・ゲイツ 仕事熱心すぎる変人か

 コンピューターソフトの王者となったマイクロソフトの創業者であるビル・ゲイツも、宿敵ジョブズに負けず劣らず変人だったそうだ。

 とにかく時間を無駄にすることが大嫌いだったとか。そのせいで動き始めた飛行機を差し戻したこともあったそうだ。

 ビル・ゲイツいわく、「危機一髪の時に人の能力は最大化する。時間を無駄にするのは好きじゃない。出発の1時間前に空港に行くたちじゃない」と語っています。

 ビル・ゲイツには、他にも逸話がありますが、どちらかというとジョブズの超絶な面白さには到底かなわない。ジョブズの変人ぶりがいかに常軌を逸していたかがわかります。

<ビル・ゲイツ、その他のエピソード>
「ビル・ゲイツ」にまつわるクレイジーな10のエピソード

ヘンリー・フォード 大量生産を確立した一途な変人


T型フォード 1910年
引用:https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/7/74/1910Ford-T.jpg

 自動車の大衆化に貢献したヘンリー・フォードは、エジソンの研究所で技術者としてスタートしている。そのせいか知る由もないが、師匠であるエジソンに負けず劣らず研究には一途であり、同時に複雑な性格を要していたようだ。

 フォードは、福祉資本主義の先駆者であり、労働者の賃金向上は巡り巡って企業の業績に貢献すると考えていた。一方では、労働組合には反対であり、自動車会社のなかで最後まで抵抗していた。(フォードが引退後、組合は結成された)

 また、ユダヤ人ぎらいであり、さまざまな反ユダヤ主義の運動に加担していた。そのせいもあり、「ヒトラーを支援している」と新聞に書かれたりしている。戦争には反対の立場を表明していたが、会社は航空機や対戦艇用のエンジンを生産するなど軍需も請け負っていた。

 フォードの考え方は、以下の名言がよく表している。

・「奉仕を主とする事業は栄え、利得を主とする事業は衰える」

・「ほかの要因はさておき、我々の売上は、ある程度賃金に依存しているのだ。より高い賃金を出せば、その金はどこかで使われ、ほかの分野の商店主や卸売り業者や製造業者、それに労働者の繁栄につながり、 それがまた我々の売上に反映される。全国規模の高賃金は全国規模の繁栄をもたらす」

 このような考え方は、現代では時代遅れなのだろうか。いまの時代にこそ、再認識されてしかるべき企業哲学であるような気もするが…。

※その他の変人、不定期で追加していきます。乞うご期待!

変人偏屈列伝 (集英社文庫―コミック版)
社会的圧力(制約)にも負けず、自分の信念を曲げない者――、そんな6人の変人偏屈を『ジョジョの奇妙な冒険』の作者・荒木飛呂彦が渾身の漫画化!
変人偏屈列伝 (集英社文庫―コミック版)

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