パスワードは一万年愛す。タイムレスなスタイルは、過去も未来も時を超えてゆく!

■社会|ポスト専門家の時代へ 専門家が間違うことは必然である

この記事は約6分で読めます。

客観性を失ったアメリカのマスメディア

 アメリカの大統領選挙では、マスメディアがこぞってトランプ非難をして、90%以上の確率で大統領になることはないと言っていた。ところが、トランプ氏が大統領になるという空前絶後の予想外の出来事が起きてしまった。マスメディアの大方の予想を覆したのは、なんだったのだろうか。

 トランプ氏の主義・主張の良い悪いは別にして、マスメディアは感情的なまでにトランプ非難を繰り返していた。トランプ台頭の背景などを客観視して、冷静に分析するメディアはほぼ皆無だったといいだろう。

 その様子を端から見ていると、マスメディアは知性も教養もかなぐり捨てているかのように思えた。また、ハリウッドの映画界や音楽業界の著名人もマスメディアに同調していた。トランプ支持、または静観する著名人はわずかだった。

 マスメディアと著名人がタッグを組んだら、これ以上の味方はないに違いない。ところが、これが功を成すどころか皮肉にも反対に作用したと想像できる。

 大局的な流れを俯瞰してみれば、マスメディアはグローバリズムの一員(グローバル資本がバックにいる)であり、ハリウッドの著名人たちもおなじ穴のムジナだった。なにしろハリウッドは、グローバル資本によって成り立っているからだ。

 ハリウッドが中国になびいているのを見れば、それは一目瞭然だろう。

 反グローバリズムにあるトランプ支持者やその同調者たちには、マスメディアやハリウッドセレブたちの胡散臭さが見透かされていた。かれらが感情的になるのは、特権階級としての立場が脅かされると感じたからに他ならない。

 逆の見方をすれば、トランプの術中に見事に嵌ってしまったともいえる。マスメディアやセレブたちの一見正論だが醜い主張性(進歩的に見えて、実は視野が狭い)に、隠れトランプ支持者が増えたと想像できるがいかに。

 アメリカでは、かつて「赤狩り」というものが席巻したことがある。1950年代、共産主義に同調する人々を排除しようと、ささいな理由(リベラルも)を根拠に赤(共産主義者)というレッテル貼りをして疎外していった。

 ところが現在では逆に、かつて赤狩りの対象だったマスメディアやハリウッドの人種たちが、いまではトランプ狩りをしようとしている。トランプ支持者や同調者を馬鹿だのアホだのと言って憚らない。

 ところ変わればなんとやらで、時代も変わったもんだと思うしかない。

 仮にハリウッドセレブたちの主張が正しいのであれば、ぜひハリウッドの豪奢な住宅地ビバリーヒルズに難民や不法滞在者を受け入れる表明をすべきだ。自らは安全地帯にいて、安穏とした生活をしていては誰も信用はしないだろう。

 短絡的に馬鹿だのアホだの言う前に、超・超お金持ちであるハリウッドセレブたちには、人道的なお手本をぜひ見せてほしいと切に願います。

ジョニデ月額2億円以上を浪費!? 泥沼離婚の次は金銭トラブル
 ジョニデのぜいたく極まりない暮らしぶりと、保有資産の一部が紹介されています。ちなみに、ジョニデはトランプを馬鹿と言っていました。直接関係ない情報ですが、興味のある方はリンク先でお読みください。

 反トランプ派は、トランプ支持者たちが抱える諸問題の解決に向けた処方箋を示す必要があるはずだ。トイレの匂いは元から断たなきゃダメというじゃないですか。感情的に馬鹿だのアホだの言うのはあまりに短絡的すぎる。

豊洲の闇に隠れた専門家たち


引用:http://prt.iza.ne.jp/kiji/politics/images/160816/plt16081620300002-p1.jpg

 混迷の度合いを深める豊洲新市場では、土壌汚染の過去の調査が問題視されている。なぜなら、最近行われた9回目の調査でとんでもない数値が出たからだ。

地下水から環境基準の最大79倍のベンゼン検出 移転判断に影響か
 豊洲市場の土壌汚染を調査するため、東京都が続けていた地下水モニタリングの結果、環境基準の最大79倍となるベンゼンなど有害物質が検出された。

 土壌汚染の調査には、当然のように専門家が介在している。豊洲では8回目の調査までは、比較的安全とされる数値しか出ていなかった。それが、何故か9回目では飛び抜けて異常な数値が示された。

 これが何を意味するかは、まだ定かではないが、巷で噂されているのが専門家がインチキをしたのではないか、ということだ。

 専門家がインチキや嘘をついた場合、それを見抜くのは容易ではない。なにしろ専門家だから正しいという、いわば錦の御旗を掲げているからだ。一般的にいえば、専門家はその筋の専門家という理由だけで信用、信頼されている。

 しかし、そこに付け入る悪い専門家がいると想定したほうがいいだろう。専門家という錦の御旗を利用すれが、いくらでもおいしい商売ができるに違いない。

 その証拠に(まだ確定していないが)、豊洲での土壌汚染調査には約60億円以上が投入されている。その費用には、もしかしたらインチキする費用が上乗せされていたかもしれない。さらには口をつぐむことも含めてだ。

 ここに専門家の功罪が見て取れる。これからは、専門家を監視する専門家が必要となるかもしれない。いやはやと思うしかないが。

 なお、豊洲新市場の土壌汚染の実態はまだ明らかになってはいない。あくまで、推測であることをご了承ください。とはいえ、どこまでも限りなく怪しいことに変わりはないが…。

<その他の案件…>
 他にも専門家に関するネタには事欠かない。例えば、東芝である。原発事業の見込みが大幅に外れて、もはや会社は解体間近となっている。

 原発といえば、これまた専門家が跋扈する世界である。そこでは、なにか都合の悪いことは隠されてしまうことが続いてきた。核燃料リサイクルの「もんじゅ」がその代表格であるのは、いまさら言うまでもない。

 東芝は、原発が事業の屋台骨になると判断して、莫大な投資をしてきた。それが、あっさりとハシゴを外されていまや途方に暮れている。何を間違ったか、それは当然のように原発の将来性を見誤ったからだ。

 誰が見誤ったか、矢面に立ったのは経営者であるが、ものは原発である。当然専門家の意見が判断の基準になったはずだ。

 とすれば、東芝の場合は専門家の筋がとても悪かった、といえる。また、ポスト専門家などの意見を訊き入れる土壌さえなかったと思われる。

 自業自得=それが東芝の命運を端的に言い表している。

 なお、一説によれば、東芝はアメリカにカスを掴まされたそうだ。それに加担したのが、経産省の官僚といわれている。仮にそうだとしても、やはり東芝の経営陣に先見の明がなかったことが最大の要因ではないか。

<総括として>

将来を見通す専門家はいない!

 政治家や官僚、エコノミストやアナリスト、金融や投資家、マスメディアやセレブ、土壌汚染の専門家、等々…、多くの専門家がいるが、けっして「将来を見通す専門家」ではない。それを肝に銘じたほうがいいかと思われる。

 ポスト専門家の定義は、まだ曖昧だが現状を顧みれば、その意義は大いにありそうだと想像できる。あとはどのように活用していくかに懸かっている。

週刊ニューズウィーク日本版「特集:トランプ支持者の本心」〈2017年2/7号〉 [雑誌]
週刊ニューズウィーク日本版「特集:トランプ支持者の本心」〈2017年2/7号〉 [雑誌]

コメント