■時代と流行|四都市物語(その1)パリ

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四都市物語―ヨーロッパ・1920年代 (1979年)

とこしえの街、パリのパサージュへ!

「四都市物語」とは、1920年代の四つの都市について書かれた本である。著者は海野宏である。元・平凡社の編集者であり、アールヌーボーに関する著作で有名である。また美術評論、都市評論、流行風俗などの著作も多数あります。以前にも「流行の神話」を紹介しましたが、今回紹介する本は、上記した各都市の構造や特徴、さらにはそこで起きた出来事がテーマとなっています。

登場する都市は、パリ、ロンドン、ベルリン、モスクワの四都市である。個人的には、このタイトルに惹かれて買いました。もちろん内容も大変面白かったのである。

パリ|パサージュのある街

パリには、パサージュという街中を迷路のように廻る魅力的な通り道があるようである。それは、何かと云えば、日本でいうところの一種のアーケードである。しかし、日本のアーケードのような味気ない代物ではない。何せ、歴史ある建築物だらけのパリである。趣がまるで違うのである。しかし、まだ行った事はないが…。

パサージュ(仏: passage、パッサージュとも)とは、19世紀以降のパリにみられる、ガラスのアーケードのついた歩行者専用の商店街のことである。もともと、「パサージュ」とはフランス語で、「通過」や「小径」などをあらわす。 パサージュの起源は、ルイ16世の従兄弟にあたるオルレアン公に遡るとされる。(辞書より)

上記に付け加えると、パリだけでなくヨーロッパの各地にもあるようである。そのなかでパリのものが、有名であるようだ。


パサージュのガラス天井(現在)

上記の内容に従えば、パサージュとは、商店街の上にガラス屋根を付けたものである。しかし、パリを想像してみてください。その歴史的建築群を!。映画などで観たことがあると思いますが、パリには古いアパルトマンが多くある。要するに集合住宅ね。ただし、日本のとは一緒にしないように。それが、びっしりと繋がって建ってる訳である。

この建物と建物の間を縫うように商店街を設けて、ガラスの屋根を乗せたような形状が、パサージュの代表的なものであるそうだ。その他には、建物の中庭を活用したものなどもあり、いずれにしてもガラスの天井が欠かせないようである。

かつては、昼でも薄暗くガス灯が照らされていた

また、場所によっては半地下になっていて、そこは昼でも薄暗く、昔はガス灯によって照らし出されていたようである。そして、これらの通路は通り抜けが出来るようになっており、商店街の通路であり、人々が他所へ行くのに通る近道だったりする訳である。いわゆる抜け道である。これらの商店街に入る入り口が、なんとも趣があるのである。

アーチ型をした石造りのファサードであったり、アールヌーボー調の装飾が施されていたり、なかなか凝った造りをしている。そして、これをくぐり石段を何段か下り商店街へと入っていくのである。たぶん、そこは、昼でもぼんやりとした暖かみのある照明によって照らされているはずである。


パサージュの内部の様子(現在)

海野氏の著書には次のように書かれている。

「入り口をくぐり、階段をいくつか、下りて建物に入ると、パレロワイヤルの公園への抜け道となっている。その通り抜けの道の両側には商店が並んでいる」

「通りからこの地下に入ると、この抜け穴の両側にはきらきらと明かりを照らす商店がびっしりと並んでいる。何か暗がりから突然別世界に入り込んだような気分になるのであった」(海野弘著「四都市物語」より)

パサージュというのは、このように単なる道ではなく商店街のあるトンネルのようなものであるらしい。

このパサージュには、過去、幾多の作家、評論家などが魅せられて著作を著している。なかでもベンヤミンの「パサージュ論」というのが有名であるらしい。とにかく、1920年代の頃の写真を見ると、クラシックな雰囲気を漂わす建物と薄暗い迷路的な空間が怪しげな香りを漂わせているのが感じられる。

これは、作家などの創作意欲を掻き立てに違いない。現在でも映画のロケーションなどにぴったりではないか。

何か、わくわくする出来事が起こりそうな気になるそんな場所に感じるのである。しかし、きっと日本人には似合わないだろうな…。と思うのである。この古いパサージュの写真をアップしたいが、あるかどうか分からない。

しかし、このパリのパサージュも一時期は寂れたところが多かったようだ。最近では何とか活性化する手だてを行い復活の兆しがあるようであるが…。それにしても、いずれは行きたいパリである。


パサージュの入り口(現在)

日本にもこのような味わい感のある商店街が欲しいものである。合理性重視で安普請丸出しの日本のアーケードは雨除けにはなるが、それしか利点がないだろう。何でも損得勘定だけで情緒性を重んじることのない商店街が、シャッター街になるのはある意味では致し方ないことだと思うのである。

今回、あまり詳しくパリについて書けなかったので、いずれ改めてチャレンジしてみるつもりです。パリには行ってないが、そこを舞台とした映画やアートに触れてみたいと考えています。また、海野氏の著作の良さもあまり伝わらなかったようである、近いうちに再度紹介したいと思います。

気分が乗ったら四都市すべてを紹介するつもりですが、どうなるか分かりません。

以下、ベンヤミンのパサージュ論、なんと第5巻まであります。

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