■映画|市民ケーン オーソン・ウェルズ監督作

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早熟の天才ハリウッドを震撼させる!

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市民ケーン それは世界映画史上に残る不朽の名作。
オーソン・ウェルズ脚本・監督・主演

オーソン・ウェルズが26歳のとき、監督・主演した「市民ケーン」は名作中の名作として名高い作品である。これまでに、何度も歴代映画のナンバー1に輝いてきている。これほどの映画であるが、公開当時はスキャンダルにさらされて興行成績は芳しくなかったのである。

それというのも、当時のメディア界の大物を映画の題材としたためであった。そのため一端は潰されかけたこの映画であるが、その芸術性の高さ故、その後評価は高まり現在では、映画界に燦然と輝く作品となっている。

しかし、ウエルズはこの作品と「アンバーソン家の人々」で自らの頂点に至ってしまった。早熟の天才は、26歳で頂点を極めて以降は下降を辿るしかなかったのである。

■オーソン・ウェルズという天才性

ウエルズは、1915年アメリカのウィスコンシン州に生まれた。6歳のとき両親は離婚。8歳のとき母親が死に、そして12歳のとき父親が死んでいる。以降は不安定な生活を余儀なくされた。その後、アイルランドのダブリンに渡り舞台を経験し、19歳でアメリカにもどり最初の結婚をしている。

さらに、21歳で舞台の演出を手がけ、22歳で自らマーキュリー劇団を立ち上げた。まさに、早熟の天才を物語る経歴である。そして、かれが23歳のとき、あの有名なラジオ放送の「宇宙戦争」によって世間を騒がすことになる。

1938年10月30日、CBSラジオでウェルズは、H・Gウェルズの「宇宙戦争」をドラマ化して放送した。ウェルズは、番組の冒頭に臨時ニュースとして、いきなり火星人襲来のニュースを伝えた。これが、なんと生々しかったせいもあり、現実の出来事と捉えられて大騒ぎとなったのである。

この出来事によって、ウェルズの名は一躍世間に知れ渡ることになった。

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新聞王ケーンを演じるオーソン・ウェルズ

■市民ケーンという不朽の名作

才能を高く評価されたオーソン・ウェルズは、早速ハリウッドに招かれたのである。そして、生まれたのが「市民ケーン」であった。しかし、この映画が完成するまでには、紆余曲折があったようである。ウェルズは、なかなか映画化する企画が決まらなかったようだ。

そんなときに脚本家であるマンキーウィッツが、原案というべきアイデアを提供する。たしか、そのような経緯があったと何かで読んだ記憶がある。そして、その原案に基づき脚本が書かれるが、なんとウェルズは脚本のクレジットからマンキーウィッツの名前を削除してしまう。

その後、また紆余曲折ありマンキーウィッツの名前は残された。ようやく脚本が出来上がり撮影は開始された。そして、ここからがウェルズの本領発揮の場であった。かれは、様々な実験的な試みを行うのだった。多重多層的な凝った構成、ディープフォーカス、ローアングルの多用などである。

これらの試みは現在でも評価は高く、この作品の不滅性を象徴している。そして、いよいよ公開となるが、この映画大きな問題を抱えていた。それは、映画にはモデルがいたことである。しかも、メディア界の大物であった。

公開前から、この問題が大きな壁となっていた。モデルとなった大物は、映画をお蔵入りさせることを要求していた。しかし、何がそんなに問題であったか。それは、大物と女優である愛人の関係を映画のなかに取り入れていたのである。さらに、大物が愛人の秘部に付けた名称を、映画の謎のキーワードとしてしていたのだ。

これは、脚本のマンキーウィッツのいたずらであった。というか悪ふざけというべきものであった。ちなみにその名称は「ローズ・バッド」、薔薇のつぼみであった。

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名作『市民ケーン』の公開をめぐる、映画監督オーソン・ウェルズとメディア王ハーストの熾烈な攻防を描く伝記ドラマ。
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数々の問題を乗り越えてなんとか公開にこぎつけた「市民ケーン」であったが、予想に反して興行成績は思わしくなかった。例の大物との確執が尾を引いていたのである。しかし、その評価は高く映画そのものはその後も生き続けるが、ウェルズはその問題体質がハリウッドから敬遠されて、まもなく映画を撮り続けることが出来なくなった。

そして、活路を求めてヨーロッパに渡るのであった。しかし、もはや「市民ケーン」以上の作品は、ついに撮る事は出来なかったのである。

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新聞王ケーンが、荒廃した大邸宅で「薔薇のつぼみ」という謎の言葉を遺して死んだ。その言葉の意味を探ろうと、新聞記者たちが取材を開始していく。
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以下は、ウエルズのもうひとつの傑作「アンバーソン家の人々」

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