■映画|花様年華 愛する気持ちが漂うなかで

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花様年華とは、満開の花の様に女性が輝いているとき

「花様年華」、それは大人の男女の不倫の愛を官能的な映像美で描く、
ウォン・カーウァイ監督の情感豊かなラブ・ストーリー。

その愛する気持ちは、もどかしくも揺れるばかり

映画「花様年華」は、ウォン・カーワイ監督の頂点に位置する映画と言っても過言ではない。もちろん、監督はこの作品以後も新作を撮っているが、女と男の愛の交情を独特の切り口で表現したものでは、これが最高の作品と言って間違いない。なお、あくまで個人の意見である。

この作品と通じるものに「2046」という作品もあるが、個人的にはあまりにも熟し過ぎた作品であったと思う。カーワイ監督は、ときどき熟し過ぎるきらいがあるようだ。制作に時間が掛かった作品は、特にその傾向が顕著である。

「楽園の瑕」という作品では、なかなか撮影が進まないので痺れを切らしたスタッフと俳優達は、仕方なく別の作品を同じキャストで撮ったそうである。「2046」では、出品予定のカンヌ映画祭の直前になっても出来上がっていなかったとか。

この「花様年華」は、比較的早い制作期間であったようだ。それが幸いしたのか、それは知る由もないが、傑作となったのは何か関係があるような気がする。思えば、「恋する惑星」も短い制作期間だったらしい。

それはさておき、「花様年華」は、カーワイ監督の名を一躍有名にした「欲望の翼」と密接な関係がある。ストーリーに連続性はないが、その世界観は共通したものがある。

「欲望の翼」は、母親探しと若い男女の愛の交情を紡ぐ様に描いていた。1960年代の香港を舞台に繰り広げられた男女の情感は、愛せども見返りがないという空虚なものであった。が、しかし、その情感の描写はこれまでに観た事のないものであった。

恋愛映画というとすぐにキスシーンや抱擁シーンが思い浮かぶが、カーワイ監督の作品にはそれがないに等しい。(2046はベッドシーンがあった)それは意図的なものであるのは間違いない。「花様年華」では、キスはおろか手さえ握らない。しかし、それでもお互いの気持ちが、たっぷりの情感となって伝わってくる。

この作品の英語タイトルは、「In the Mood for Love」となっている。要約すれば、「愛する気持ちが満ちてきて」とでもいえるはずだ。違うか。主人公の二人は共に夫、妻がいる身である。しかし、共に相手に不倫をされている。おなじ境遇にある二人はいつしか愛を感じはじめるが、それ以上に進めない。

何故なら、不倫している夫や妻と同じことになるからだ。しかし、それでも高ぶる気持ちは抑えられない、もどかしいまでに愛する気持ちは満ちてくるのである。

主人公を演じるトニー・レオンとマギー・チャンの演技が、これ以上ないほどに情感に満ちた雰囲気をこれでもかと伝えてくる。

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花様年華|ストーリー

1962年の香港。同じ日にそれぞれの配偶者と共にアパートの隣同士に引っ越して来たチャウ(トニー・レオン)とチャン(マギー・チャン)。やがて互いの妻と夫が浮気をしているらしきことを知ったふたりは、それをきっかけに惹かれあっていく。大人の男女の不倫の愛を官能的な映像美で描くウォン・カーウァイ監督のラブ・ストーリー。

「花様年華」は、92年(日本公開)の「欲望の翼」の続編的作品と言われている。ストーリー的に整合性がある訳ではないが、その独特の雰囲気が漂う情感的世界は共通する部分が多い。まるで官能的とさえ言える映像美は、糸を紡ぐかの如く巧みに表現されたものである。

また、その独自の美意識は、ウォン・カーウァイ監督特有のものであり他の追随を許さない。チャウ役のトニー・レオン、チャン役のマギー・チャンともに素晴らしい演技を魅せている。本作の演技で、トニーはカンヌ映画祭において主演男優賞を受賞している。

なお、繰り返し流れる、印象深いテーマ曲は梅林茂が担当している。(鈴木清順監督「夢二」と同じ曲である)


花様年華 予告編(アンオフィシャル)

女は顔を伏せ近付く機会を与えるが、男には勇気がなく女は去る。

時は移ろい、あの頃の名残りは何もなかった。

男は過ぎ去った年月を思い起こす。

埃で汚れたガラス越しに見るかのように、過去は見るだけで触ることはできない。

見える物はすべて幻のようにぼんやりと・・・。

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花様年華/in the mood for love

<スタッフ>
製作・監督・脚本:ウォン・カーウァイ
撮影:クリストファー・ドイル、リー・ピンビン
美術・編集・衣装:ウィリアム・チャン
音楽:マイケル・ガラッソ、梅林茂
公開:2000年

<キャスト>
チャウ:トニー・レオン
チャン夫人:マギー・チャン
スエン夫人:レベッカ・パン
ホウ社長:ライ・チン
ピン:スー・ピンラン

花様年華 【2枚組】 [DVD]

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