■80年代|80年代アンソロジー その1

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バブルの肖像
バブルの肖像
日本中が夢におぼれ、欲に踊った遠い日々を振り返る、
80年代グラフィック・ヒストリー。

80年代について書いてみたいと思う。どれだけの人たちが興味を抱くか分らないが、個人的には、最も鮮烈な印象を残すのが80年代である。

なにせバブルがあったのである。そして文化の時代であった。今回は、全体を俯瞰して捉え要約した内容としたい。より詳しい内容は次の機会にと考えています。

その時代は、感性を求めていた!?

80年代は、文化の時代のはじまりであった!

80年代、それは「不思議大好き」で始まった。これは、西武百貨店の企業スローガンであった。エジプトのピラミッドを背景に、流行の先端をいくファッションを装ったモデルが、凛とした佇まいを見せているポスターが当時評判となった。

そのように記憶にあったが、どうやら違ったようである。写真を探したが、下に貼付けたポスターしか見つからなかった。

しかし、それよりも何よりも、「不思議大好き」のコピーこそが、80年代の幕開けを告げていたのである。それは、感性の時代を告げるものであった。

西武百貨店は、いまでこそイトーヨーカドーの傘下となっているが、当時は百貨店を中心に多数の流通小売の企業を有する注目の企業グループの要であった。

80年代を通して衣、食、住、環境へとその領域を拡大していき、そして、その後の行方はご存知のとおりである。

しかし、80年代初頭から後半にかけての西武百貨店は、まるでイタリアのメディチ家の如く、文化に大金を投じ、あらゆる革新的な動向は積極的に取り入れ、文化・感性を啓蒙しつつ時代を牽引する役割を担っていた。

そんな西武百貨店が牽引した、80年代の文化的エポックメイキングな事柄を以下のように集約しご案内いたします。


西武百貨店の広告「不思議大好き」1981年

音楽

70年代後半からすでにあったが、80年代により顕著となった音楽ムーブメントが「ニュー・ウエーブ」であった。代表的なバンドは、トーキング・ヘッズ、B52等である。その音楽的特徴は、電子音(ピコピコ鳴るやつ)をフューチャーした独特のリズムにあった。

日本では、プラスティックスというバンドがあった。カタカナ職業に従事するメンバー達で結成され、その経緯からデザインとその周辺職業の人達のあいだで人気を集めた。(80年代初頭に解散)

映画

「カルト・ムービー」という言葉が定着化したのはこの時代からではないか。80年代初頭に公開されたリドリー・スコットの「ブレードランナー」、デビッド・リンチの「ブルーベルベット」等がその代表である。

「ブレードランナー」は、その映像表現の素晴らしさに反し公開は不入りであった。しかし、その後のカフェバー・ブームにより、その映像が店内で流されたことで評判となりビデオが売れた。(今ではできないだろう)さらには、「マイナーなアート系の映画」を上映する劇場が増え、劇場にはちょっとオシャレなカフェが併設される様になった。

街・ストリート

西武百貨店は、渋谷を革新的に変えていく。パルコパート3、雑貨ロフト、アート系映画館等々。西武系(正確には西友)の無印良品が青山にオープンしたのもこの時期である。夜を彩ったのは、「カフェバー」である。

「カフェバー」とは端的にいえば、昼はカフェであり夕方からはバーになる業態のことである。特徴はインテリアにあった。オシャレ空間でお茶をする、お酒を飲むというスタイルはこの頃に定着した。先駆けとなったお店として「レッドシューズ」(六本木?)が有名である。

ファッション

デザイナーズ・ブランド(DCブランドともいう)の時代であった。なかでも印象的だったのは、黒い集団であった。それは、「カラス族」と言われていたと記憶している。全身黒づくめの装いをしており化粧も独特であった。(ゴシックロリータとは違う)

これは、コムデギャルソンやワイズに端を発していた。しかし、多くの人達はコムデやワイズより安価なラストシーン等のブランドの服を着ていた様に思う。ファッションはこの時代、より重要なアイテムとなっていた。

アート

80年代になり、俄然注目を集めたのが「ニューペインティング」である。シューナーベル、バスキア等が有名である。世界的な傾向としてこのムーブメントは起きた。その特徴は、情動的表現にあった。

70年代のコンセプチュアル(概念的)なアートに飽き飽きしていたのである。描くという行為、情感的表現を取り戻す動きが顕著となり大きな潮流となったのが「ニューペインティング」であった。アートがこれまでになく関心を集めるきっかけともなった。

今回は、ここまでといたします。また機会があれば個々の事象について書きたいと思います。資料がどこかにあるはずなのですが、見つかりませんでした。したがって記憶に頼って書いたので間違いが多々有るかもしれません。なお、上段に貼付けたリンク先の書籍と本文内容は関係ありません。ご了承ください。

以下は、都筑響一著「バブルの肖像」の書籍データ。

<内 容>
日本中が夢におぼれ、欲に踊った遠い日々を振り返る、初のグラフィック・ヒストリー。『週刊朝日』の人気連載、待望の単行本化。
<著者略歴 :都築響一>
編集者。1956年東京都出身。上智大学卒。学生時代から雑誌『ポパイ』『ブルータス』などで現代美術、建築、デザイン、都市生活などの記事を主に担当。芝浦GOLD、恵比寿MILKなどの店舗の空間コンセプト、デザインを手がけるかたわら、美術・デザイン分野で編集・執筆活動を続ける。

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