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■NOKKO|Viaje(ヴィアッヘ) ソロ最後?のアルバム

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哀愁の調べを残し、NOKKOは旅へと出た


NOKKO スペース・ガール

Viaje(ヴィアッヘ)、それは何とも形容しがたい

ともかく、そのアルバムのタイトルが読めなかった。それも無理は無いスペイン語らしいのだ。その意味は、旅、または旅立ちというらしい。これもまた、なんとも意味深である。NOKKOさんは、このアルバムを残し、しばらくのあいだ本当に旅に出てしまった。一時的にレベッカの復活ということもあったが、それはほんの一瞬のことであった。

どうやら、彼女はこの時期、精神的に参っていたようである。詳しい事は判らないが、マネジメントの問題や自らの音楽活動への疑問等があったようだ。

このアルバムは、なんといっていいのか。なんとも形容しがたい音楽性である。屋敷豪太が、「ハレルヤ」以来となるプロデュースを担当している。屋敷とNOKKOは、初のソロ・アルバム「ハレルヤ」以降、何度か共同作業を繰り返してきた。それらの楽曲はいずれも充分に魅力を備えた楽曲であった。

NOKKOの90年代を締めくくる本作でも、二人はその才能を遺憾なく発揮している。そして、その音楽性はかつての楽曲とは異なり、なんというか大人の持つ複雑さのようなものが感じられる。良く言えば、それは奥深さというものである。

「ハレルヤ」ではダンス・ミュージックの傑作を披露してくれた。その挑戦的な態度に溢れたサウンドは、当時ではあまりに新鮮過ぎたかもしれない。それに引き換え、この「Viaje」では、遠くから俯瞰した人生の経験のようなものを感じさせてくれる。判りにくいが、なにかもっと単純に説明できる言葉が見つからない。

そこで、誤解を承知で思い切って言うと、つまりは「大人過ぎる音楽性を有したアルバム」ではないかと思う次第である。

大人過ぎるとはどういうことか。それは、自分を客観視できる姿勢ではないか。ノリで音楽を作るのではなく、人生をオーバーラップさせるように音楽に託すという姿勢である。違うかもしれないが、そのように感じる次第である。

このアルバムでもっとも気に入っている曲は、「ヌーチェの朝」である。NOKKOさんの声は、何故か震えているように聴こえるのである。しかし、その微妙な声質が楽曲にあっており、独特の雰囲気を醸し出している。それは、何か寂しげでありながら、強い意思を持った覚悟を有しているようだ。ついでにいえば「キスがきこえる」も好きである。

それから、ライナーノーツに掲載されたNOKKOさんの写真がとても素敵である。下にその写真の一部を貼付けました。まるでスティーブ・ジョブズのようなタートルネックが良く似合ってます。この写真のNOKKOさんが漂わせている雰囲気こそが、このアルバム「Viaje」の内容を端的に象徴しているのではないか。

やや不安を抱えながらも、それでも覚悟を秘めた強い姿勢のようなものが感じられませんか。

なにか、このアルバムの説明をしようとすると判りにくいものとなるようだ。しかし、これだけは言っておきたい。どの曲も素晴らしい出来である事は間違いない。このアルバムが気に入ったならば、それはきっとあなたが大人である、あるいは大人になった証だと思う次第である。

■NOKKO|Viaje(ヴィアッヘ)2000年3月発売


タートルネックがスティーブ・ジョブズのようだ!

作詞・作曲・歌/NOKKO
作曲・編曲・プロデュース/屋敷豪太

<曲リスト>
1. 昼の月
2. ヌーチェの朝
3. SPACE GIRL(フィーチャリング i-DOLL)
4. キスがきこえる
5. サニーサイド
6. COBALT HOUR
7. ブラジルの朝
8. 目ポタ(REMIX)
9. フレンズ(Creamy)(REMIX)
10. I LOVE YOU
11. 昼の月(REMIX)

Viaje

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