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■社会|中国のパリ 高騰する中国の不動産

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なんと花の都パリは、中国にもあるらしい!


中国・杭州郊外「広廈天都城」の景観 中国のパリ?

中国では、何故か不動産価格が高騰を続けているらしい

弾けそうで弾けない中国のバブルは、いったいどこまでゆくのか。まっこと興味が尽きないことである。ずいぶん前から、その不動産市場はバブルである、と言われてきたが、相変わらずのようである。ごく最近の統計(9月)では、北京、上海、広東省広州、広東省深センの4大都市の不動産価格は、1年前に比較して約20%上昇しているらしい。なんともはや、誰が買うんだろうという素朴な疑問が打ち消せないが、どうなっているのか。

昨今では、さすがの中国も経済成長率は落ちていると言われる。そのようななかで、何故か不動産価格だけは上昇し続けるという摩訶不思議な現象が起きている。しかし、それは不思議でもなんでもない、意図された構図であるらしい。そして、いつか見た日本の姿とだぶるのである。どうやら、中国の不動産は錬金術として、途方も無い利権が裏に潜んでいるらしい。

そして、意図的に釣り上げられた不動産というババを、誰かが引くのをじっと待っている。中国の土地は、国有地であるから取得に費用は掛からない。その取得には、あらゆる手段が用いられているようである。地方の都市化やインフラ整備、そして工場誘致など名目はたくさんあるが、それはたいした問題ではなさそうである。その後に、高値で転売することを考えれば、不動産は利権者の闇の奥である。

日本でも、バブルの時代には信じられないことが次々と起きたが、それに比べても中国のバブルスケールはとんでもなく巨大なようである。さすが、4000年の歴史を誇る中国である。やることが、半端ではない。そして、利権者の欲望も果てしがない、どこまでゆくのか中国、今後も目が離せそうにない。


縮小サイズのエッフェル塔

中国にも、花の都パリがあるらしい

なんと中国は、パリまで造っていた。それは、中国・杭州郊外にあるそうである。「広廈天都城」というらしいが、縮小されたエッフェル塔(107m)やシャンゼリゼ通り、他にも花の都パリの街並みをパクって創られたニュータウンである。前述したように、地方の都市化という名目の不動産開発らしいが、何故、パリそっくりにする必要があったのか、それは知る由もない。

かつて、日本もハウステンボスというオランダを模倣した不動産開発をしていた。その一部は、テーマパークとなったが、その他の高級住宅街はその後どうなったのか。残念ながら、その情報は持っていない。しかし、テーマパークは事実上破綻し、有名な旅行サービスの会社が乗り出してなんとか経営は継続している。したがって、高級住宅の分譲も推して知るべしであろう。

さて、この中国のパリであるが、住民はほとんど住んでいない。10万人が居住できるそうだが、いまのところ2,000人余りの住民しかいないそうである。なんてことだろうか、もったいないにも程がある。しかし、総工費1,280億円掛かった、この不動産開発はすでに利権者にとっては、売れなくてもいいのかもしれない。何故かと云えば、すでに開発段階でお金を懐に入れてしまっているからに他ならないだろう。


建設中のショッピングセンター 中国語が不釣り合いである

この開発による負債は、どうせ、かつての日本と同じく銀行やシャドーバンキングなどが抱えて、いずれは破綻するのではないか。日本がかつて辿った道をものすごいパワーでゆく中国である。もはや、誰にも止められない。

しかし、何故パリか。という疑問であるが、やはり上海とかの異国情緒に中国人も魅せられるのだろうか。上海は、かつては租借地としてイギリス、アメリカ、フランス、そして日本などがその土地を有していた時代があった。

その当時の建物や文化は、いまでも上海を中国でも特異な場所としている。川沿いのバンド地区に建ち並ぶ当時の建造物は、当時の隆盛を想像させる。そして、かつて魔都と言われた不思議な魅力を放ち、いまでも世界から観光客を呼び寄せている。

たぶん、開発業者はそのような上海にあやかろうとしたのではないか。そして、中途半端がきらいな中国人は、どうせならパリをそのまま造ってしまえとばかりに始まったのかもしれない。そんな想像を膨らませるほどに、中国の開発は興味深く、無責任なことに端から見れば、なんとも面白いのである。あしからず。


1930年頃の上海 イギリスをはじめ欧米列強と日本が建造した本物である

写真:らばQより
http://labaq.com/archives/51799878.html

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