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■アート|世界で一番アートがお好き それが日本?

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何故か疑問もあるが、美術展の入場者数はだんとつだ!


大竹伸朗 直島銭湯

日本では美術展は盛況なれど、現代美術は売れないらしい

関連記事:美術展入場者数世界1位を誇れど、作品は売れない日本市場
http://www.premiumcyzo.com/modules/member/2013/08/post_4407/

2012年のことであるが、世界で一番入場者の多かった美術展は日本で行われた「フランドル・オランダの至宝展」というものらしい。これは、フェルメールなどの貴重な本物が展示されたものである。東京都美術館で2012年6月〜9月まで行われ、一日あたり平均一万人以上の入場者があったそうである。この展覧会が2012年に世界中で行われた美術展の入場者数ナンバー1であった。

日本人は、そんなに美術に関心があったのか。なんだか疑問であるが、数字だけ見るとそうであるらしい。しかし、一方では現代美術が売れないという指摘もある。どうやら、日本では、既成の価値観という枠内で認められた古典やそれに類する評価に弱いようである。いまだ、その価値があいまいな作品に関しては自己判断ができないようだ。と思ったのだが、なんと現代美術もたくさんの観客を集めているようだ。まじかと思うが確かなようである。

瀬戸内海にある直島をはじめとした14の島々で行われた「瀬戸内国際芸術祭」というアートイベントが大盛況であったらしい。このイベントは、2010年に第一回が開催された。そして、2013年は二回目の開催である。しかし、すでに春の開催期だけで26万人を集めたそうである。夏と秋を含めると約107万人を越す来場者があったそうだ。それは、前回より10万人以上の来場者増であった。

瀬戸内国際芸術祭2013
http://setouchi-artfest.jp/


豊島横尾館 横尾忠則/永山祐子

どうやら、日本では古典だけでなく、いつのまにか現代美術にも人が集まるようになったらしい。もっとも、瀬戸内の場合は、その風光明媚な観光と言う要素も大きいと思うが、はてさてその理由はどんなものだろうか。それはさておき、とにかく現代美術がイベントとして集客できる価値があるということが、証明されたのは事実である。今後の動向が注目される次第である。

それでも、現代美術が売れてるのか疑問が残るのである。たぶん、海外ほど売れてはいないだろう、あくまで想像であるが。いわば、まだ過度期にあるのが日本の現代美術の置かれた状況なのだろうと思う次第である。


豊島美術館


直島 ベネッセ・ミュージアム

世界では、現代美術作品が高値更新中である

関連記事:芸術家の長者番付 1位はダミアン・ハースト、村上隆は6位
http://www.fashionsnap.com/news/2012-02-12/the-15-richest-living-artists/

リーマンショック以降、盛り上がりを欠いていた美術市場である。しかし、昨今では、ふたたび高値で作品が取引されているようである。2013年5月に行われたクリスティーズのオークションでは、ジャクソン・ポロックの作品が約60億円、さらにバスキアの作品が約50億円で取引されたそうである。このように、現代美術作品が高値で取引される傾向にある。ちなみに、現存する現代美術作家で最高売上高は、英国の作家ダミアン・ハーストらしい。続いてジェフ・クーンズ、日本の村上隆は6位となっている。

美術市場の活性化は、新興国や中国のマネーが流入したおかげらしいが、如何に。中国のバブルによって蓄積された大量のマネーを有する新興成金たちが、マネーロンダリングでもしているのだろうか。なんて、うがった見方をしたくなるほどである。投機なのか、真のコレクターなのか。残念ながら、それは知る由もないのである。


ダミアン・ハーストの作品38億円で落札されたらしい!

現代美術作家の奈良美智が、憤慨したある出来事

関連記事:「ラッセンとファンが同じ」奈良美智が関係者発言に怒りまくる
http://news.livedoor.com/article/detail/8132332/?pt=b&utm_expid=53860978-16.xk5CgdsUQDavM8AV_h6ZpQ.2


奈良美智の作品

日本の現代アート作家といえば、村上隆が世界的に有名であるが、それに劣らない人気があると思われるのが、奈良美智である。その彼が、ポスター作家の「ラッセンと同じ」と言われたことに、怒ってるそうである。なんでも、某ギャラリーの関係者が、美術学校の学生に行ったアンケートに基づいて発言したらしい。それによると、学生達は、世界的に評価される村上や草間弥生、合田誠などの作家を嫌いとしたそうだ。

奈良は、好きと嫌いの両方に入っていたそうだ。そのことを参考にギャラリー関係者は、何故かラッセンを引き合いに出して上記のような発言をしたそうである。その理由として、「マーケティングのプロモーションとしてラッセンと奈良は同じ」と言っている。それは、たぶん、奈良の作風である一見すると可愛い部分を指しているはずである。誰でもが、好意を抱くであろう表現様式であるということか。

ちなみに、村上が嫌われる理由として、「村上は戦略的にアートの中枢に入っていたが、それが嫌われる」という意見があったそうである。しかし、いままで日本の作家に欠けていたのが、その戦略性ではなかったか、と個人的には思う次第である。何れにしても先駆者は理解されないものである。それにしても、まだ若いはずの学生達が、何に縛られているのだろうか。もっと既成概念から脱皮したほうがいいのではないか。

それはさておき、奈良美智の話である。彼は、ラッセンと同じ扱いされたことに憤慨して「ほんとにそうだったら、発表を辞めます。本気で」とまで言っている。ラッセンといえば、怪しげな画商が押し付け商法で販売する絵として有名である。また、その特異な販売形態からアート市場での価値も怪し過ぎるのである。そのような作家と一緒扱いされた奈良美智の憤慨も理解できるのである。

ちなみに、ラッセンは、ヤンキーに大変人気があるそうだが、同じく奈良美智もヤンキーに支持されるのだろうか。たぶん、それはないだろうと思うが如何に。また個人的には、ラッセンはイラスレーター、またはポスター作家と理解しているが違うのか。少なくとも現代美術の範疇ではないと思っている次第である。

ともかく、現代美術の境界は曖昧で、その世界は一筋縄ではいかない。しかし、そこがまた面白いのである。個人的にはそう思う次第である。

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