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■社会|3.11 東北はいまどうなっている

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懐かしく、せつなく、美しい故郷の原風景は何処へ

Jyoudogahama
浄土ヶ浜(岩手県宮古市)

あれから3年、三陸海岸はコンクリート海岸へ!

先日テレビを見ていたら、3.11以後の東北・三陸海岸の様子を特集していた。それによるといまや、三陸海岸はコンクリートの防潮堤によって囲われつつあるようである。その高さは有に10Mを超すものが多数である。まさにコンクリの城壁を思わす姿形である。

この防潮堤に掛かる費用は、東北の被害地全体で8000億円と言われている。たぶん、これから円安が進めばそれを超す費用が掛かるに違いない。地域住民の人命、資産、インフラを守るという役割は理解できるが、三陸の景観を壊していいものか。そこが問題である。

景観についてあまり議論されなかったようである。その辺りに疑問を感じる次第である。はじめに防潮堤ありきではなかったか。そういう穿った見方をしたくなる。それは何故かと言えば、とにかく、行政はコンクリートが大好きだからである。多額の費用が掛かり、それを国が負担してくるとなれば、諸手を上げて賛成である。

地域の土建業が潤う、地域の財政も潤うという仕掛けではないか。しかし、それは一時的なことであるのは歴史が証明している。

その地域に暮らす住民の方は如何に思っているのか。コンクリに囲まれた生活でいいのだろうか。慣れてくれば、住めば都と思っている訳はないはずである。行政は安全を優先したと、たしかそのように言っていたが、それならば全ての住民を高台に移すという大胆なことをしてもいいはずである。

なにしろ予算は8000億円ある。足りるかどうかは分からないが、防潮堤と高台移設とではどちらが費用が掛かるのか。その辺りはどうなっているかである。

たしかに、長年暮らした地には愛着が有り、それを取り上げるのは忍びないが、三陸の景観は地域の人ならず国の資産という考え方もできるはずである。また、コンクリで囲ったが最後、その地は死に果てるように思われる。違うだろうか。

番組のなかでは、防潮堤を築かない少数派の地域も紹介していた。その町は、漁業が主産業であり、防潮堤を築くことで生活圏が壊されると危惧し住民は高台に移転することにしたそうである。

結果的にはその町では、景観が守られそうである。やればできるのではないかと思った次第である。この町の住民の方の決断には拍手をおくりたい。

宮城県の知事は、番組のなかで防潮堤の意義を盛んに言い立てていた。その意味を住民の安全と、インフラをはじめとした資産を守るということを強調していた。それならば、もっと安全な高台移転を知事の権限で行う事ができなかったのか。しかし、それには触れていなかったようである。

コンクリの防潮堤の高さばかり話していたが、それで本当に津波を防げるか神のみぞ知る事である。そのように思うが、如何に。たしか、どこかの防潮堤は3.11の地震と津波に堪えられなかったはずである。コンクリは無惨にも破壊されていた。

それがどこであったか。残念ながら忘れてしまったが、テレビで見た記憶がある。三陸がコンクリ海岸になったとき、はたしてそこを訪れる県外からの旅行者などはいるだろうか。そこに魅力があるとは到底思えないが、そう思うのは当該ユーザーだけではないはずである。

以上、たまたま見たテレビ番組の感想である。その番組は、たしか4チャンであった。ヨットで太平洋に乗り出したが、遭難した司会者の番組であった。

3.11の東日本大震災で被害に遭われた皆様のご冥福をお祈りいたします。

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<3・11以前 美しい東北を永遠に残そう>
本書は、復興支援のための非営利の活動の一環として制作されたチャリティ写真集です。この写真集の収益は、〈大震災〉出版対策本部の大震災出版復興基金に寄付されます。
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