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■デザイン|デザインの見方(1)それは如何に

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いまデザインは、魅力的か否か!?

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リシツキー 1923年

デザインは、時のままに浮き世に流れてゆくか

90年代初頭に購入したが、ずーとどこかに隠れていた書籍を発見した。いや、発掘したというべきか。それは、自らの本棚(正確には段ボールの中)の奥に仕舞われたまま年月を経ていま蘇ったのであった。

その書籍は「デザインの読み方」(92年発売)というタイトルであった。
著者は西岡文彦氏である。この方は、業界では有名であるが、一般にはあまり認識されてはいない。しかし、この西岡氏こそ、あの「ジャパネスク」という言葉を創造した人である。たしか、それは間違いないはずである。

もちろん、仕掛けたのは電通であるが、発案は西岡氏のはずである。それはさておき、この人は、現在では美大の教授かなんかである。そして、同時にアーティスト及び企画・編集・文筆家などでも活躍している。

この「デザインの読み方」を参考に当該ブログでは、デザインについて何回か書いてみたいと考えます。

まず、デザインとは何かである。それは単なる見た目や形のことではない。これは言うに及ばずである。元は、設計という意味がある。

<デザイン〖design〗〘名〙スル>
1. 建築・工業製品・服飾・商業美術などの分野で、実用面などを考慮して造形作品を意匠すること。「都市を—する」「制服を—する」「インテリア—」
2. 図案や模様を考案すること。また、そのもの。「家具に—を施す」「商標を—する」
3. 目的をもって具体的に立案・設計すること。「快適な生活を—する」

上記にあるように日本では、このデザインに「意匠」という意味を当てた。これによって誤解が生じて、元の設計より見た目重視の傾向が顕著となってしまった。デザイン=形という誤解である。

現在では、上記の3番目に示された意味こそが重要と考える次第である。何故なら、それこそが、本当のデザインの意味だからである。

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カッサンドルの作品 1920年代

デザインの変遷/グラフィックデザインの勃興期

デザインには、いろいろな種類があるが、もっとも分かりやすい?グラフィックデザインの変遷から如何にデザインが時代とともに変化したかを見てみたい。

ポスターというものが俄然注目されたのは、19世紀末のアールヌーボー期らしい。そこでは、曲線で彩られた優雅な美がポスターに表現されていた。作家では有名なロートレックもその一人であったのは、言うまでもない。

19世紀末は、交通の手段が馬車の時代であった。そして時間の流れは、まだゆったりとしていたはずである。その時代の表現が、アールヌーボーの曲線であった。その美の表現は、まさに時代を移す鏡であった。

時代は変わり、20世紀となった。そして1920年代になると自動車の時代となった。それはスピードの時代のはじまりであった。美の表現は、曲線から直線に変わっていた。それもまた、時代を映す鏡であった。

1920年代の直線の美の表現は、アールデコと言われた。現在では、1925年様式とも言われる。その多くは、ポスター、工芸品、衣装などいわゆるデザインの場で使用されていた。それはデザインが、まさに主流に躍り出た時代であった。この時代こそデザイン元年と言っても過言ではない。たぶん。

このアールデコ期のポスターをいま見てみると、そのデザイン概念がしっかりしていることが分かる。それは、意匠ではない。あくまでデザインの元にある目的を明確にした設計がされていた。現代では、おろさかににされている?概念が、明確なのがアールデコのポスターであった。

特徴的なのが、スピードの感覚、そそり立つ巨大さ、遥か彼方への憧憬、電信網などの表現であった。またそれらは、あくまで簡略化されて表現された。スピードの時代にふさわしく、一瞬で理解できる表現形式が求められていたのであった。作家たちは、それ(目的)を理解し、設計を行い見事に表現に落とし込んだ。

そして、この時代の最高の作家(デザイナー)がカッサンドルであった。

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アドルフ・ムーロン・カッサンドル (Adolphe Mouron Cassandre、1901年1月24日 – 1968年6月17日) は様々なポスター作品などを手がけたフランスのグラフィックデザイナー、舞台芸術家、版画家、タイポグラファーである。本名はアドルフ・ジャン=マリー・ムーロン (Adolphe Jean-Marie Mouron)である。略称としてA. M. Cassandreを作品へのサイン等に使用した。(ウィキペィアより)

<次回に続く>

上記内容は、参考文献を元に当該ユーザーの独自解釈を加えたものである。西岡氏の本の内容とは違っている事をあらかじめご了承ください。
参考文献:西岡文彦著/「デザインの読み方」、ウィキペディア

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