■社会|危機にある出版 そこに未来はあるか

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出版市場の根本的な改革は待ったなしか

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本のある風景 DDN JAPNより

作家が語る、コダックが辿った道と出版市場のいま!

関連記事:読者数は減ってない? 作家が“本の売れない理由”を語る
http://dot.asahi.com/news/domestic/2014042500041.html

作家・楡周平さんが、かつて在籍していたコダック社の「フィルム市場消滅」と、現在の出版業界がおかれた状況の共通項について語っている。コダックといえば、フィルム市場をフジフィルムと2分していた世界的なフィルムメーカーであった。その経営は安泰と見られていたが、なんと経営基盤のフィルム市場があっという間に消滅する自体となったのであった。(アグファというメーカーもあったか、2分していたのは違うかも)

いまや昔のように感じるが、割と最近のことである。コダックはデジタルに移行する市場に対応すべくいろいろ手を打ったが、どれもパッとしなかった。一方、フジフィルムは、早くからフィルム依存から脱却すべく手を打っていた。そして、蓄積した技術を活かして科学素材?メーカーとして生まれ変わった。

前述した楡氏は、コダックでマーケティング開発の仕事をしていた。市場の分析で得た結果は、フィルム市場はいずれ無くなるということであった。しかし、それを経営上層部に提案しても受け入れてもらえなかったそうである。上層部は、いま需要があるものが、無くなる事を受け入れ難いと感じたようである。

その時期は明記されていなかったが、たぶん90年代の半ば頃のことではないかと想像する。その頃は、まだ画像の圧縮技術などが発展途上に有り、簡単には使用できないしろものであった。しかし、デジタル技術の進歩は普通の人が考えるよりずーと早かった。デジタル処理が、フィルムを凌駕するのにたいして時間はかからなかった。そして、フィルム市場は無いに等しい時代となったのであった。

想像力を欠いた経営陣には、それは信じられないことであったはずである。しかし、それは抗うことのできないことでもあった。コダックは、「栄枯盛衰の運命」に従っただけともいえる。生き残る手段を有していても、それを活かすことができなかった。いわば、遅きに失したのであった。

一方、フジフィルムが残ったのは、「技術の価値」を違う市場に移転したからである。この差は、考える以上に大きいはずである。後から考えれば、簡単でも実際はたいへんな判断力、そして決断が必要だったはずである。

このような経験をした楡氏は、自信が作家であるから出版業界のおかれた状況が、かつてのフイルム市場とダブって見えるようである。根本の問題は同じようである。それは、「技術の進歩」と「時代の変化」にある。長い歴史のある出版は、端的にいえば「紙と書き手」がいれば成り立っていた。

「紙と言う素材」を通して伝えるのが、出版の基本であった。それは長い事変化はなかった。ところが、デジタルとウェブというものが生まれて状況は一変してきた。まずはじめに出版の編集作業はデジタルで行われるようになった。この時点でいずれは、紙と言う概念から離れる時期が来る事が予感された。しかし、コダックと同じく、需要があるのだからと旧態依然の体制のまま現在に至っている。

それが、いまの出版事業ではないか。紙は永遠に不滅であるという固定観念からの脱却こそが、次世代の出版に残された道ではないか。フィルムがデジタルに淘汰されたように、紙がデジタルに淘汰される日も近いに違いない。

すでにタブレットという端末があるが、そこで買われる、読まれる書物はまだすくないようである。たぶん、その仕組みのどこかに問題があるせいである。しかし、人は慣れるという習性がある。時間は要するが、紙からデジタルに向かうのは必然には違いないだろう。

近い未来、出版の紙とデジタルの比率は、たぶん逆転しているはずである。紙の出版は希少性のあるものに限られるようになる。そしてデジタルの出版では、購入者が望めばプリントし製本できる仕組みが開発されるだろう。あとは価格設定が顧客の希望と合致すれば実現が早くなるに違いない。どちらにしても時間の問題である。

断っておくが、個人的には紙の出版物の方が好きである。上記した内容は、客観的に考えたことを述べたに過ぎない。あしからず。

さらに、個人的なことをいえば、最近では小説などを新刊で買ったことはない。また雑誌も以前ほどは買わなくなった。その理由は、価格が高くなったことにある。例えば、新刊の小説などは1800円とかするだろう。映画の入場券と同じくらいである。そのとき、映画と小説どちらを取るかである。

個人的には映画を観てしまうことになる。何故なら、小説の1800円に価値を見いだせないからである。また、その価格設定が間違っていると思うからである。もちろん、映画も同じように高く感じるが、大スクリーンという唯一性に負けてしかたなく観ている次第である。

小説をはじめハードカバーの単行本は、出版社にとって利益になると思われる。もちろん、一定数以上売れてのことである。ところが、本が売れない。しかも売れない本が多い、そこで出版体制維持のために単品価格を上げる。また、売れないという訳である。負の連鎖そのものである。

雑誌もそうである。最近では週刊誌も400円とかする。スターバックスのコーヒーより高い価格である。しかも読んだら30分もせずに読み終わるかもしれない。価値と価格のあいだには深い溝がある。価格設定の仕方が、コストから逆算したもっとも悪い方向になっている。このままの体制が続けば、雑誌の売れ行きは、悪くはなっても良くなることはないだろう。それはたぶん間違いないはずである。

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本のある風景 DDN JAPNより

小悪魔agehaから生まれた、LARMEは新しい需要を喚起できるか!

出版元が破綻した「小悪魔ageha」の元編集者が企画し立ち上げたのが、2012年9月に発売を開始した「LARME」という女性誌である。出版社は徳間書店である。これが、以外と評判がいいらしい。どれくらい売れているか、現在の正確な数字はしらないが、第4号で15万部に達したそうである。とにかく創刊から即日完売を繰り返していると某記事には書かれていた。

ちなみに現在では、隔月刊の発売となっているそうである。

何故この雑誌に興味を持ったかであるが、それは編集長が美人?と言われていたからである。まだ20代らしいが、写真をみるかぎり美人というより、まだ可愛いに近いかもしれない。どこか、蜷川実花さんに雰囲気が似ている気がするが、それは気のせいかもしれない。(容姿は、以下のリンク先で確認してください)

ファッション誌「LARME」 美人編集長が躍進の理由を語る
http://mdpr.jp/fashion/detail/1244324

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この雑誌は、編集長が在籍していた「小悪魔ageha」の雰囲気をソフィステケートしたような雰囲気を漂わせている。それもそのはずで、元の企画は以前の出版社に提出していたそうである。その企画は、いったんは立ち上げに向かったが、やはり傾いた出版社では無理となったようである。

その後は、徳間書店がその企画に乗ったことで発売されたという経緯らしい。これを立ち上げた、まだ20代らしい美人編集長はなかなかにやり手らしい。その企画力もさることながら、雑誌を立ち上げてさらに売上という実績を残している。これは最近では並大抵ではないはずである。

なにしろ雑誌が売れない時代である。潜在需要があるといわれる女性誌でも販売減少が著しい。そのようななかで、この新しい雑誌がどこまで伸ばすか。また、何か新しい女性マーケットのトレンドを生み出すのか注目である。

個人的には、女性ファションに詳しくはないが、その動向には興味がある。なぜならば、流行という現象に強い興味があるからである。したがって、これからも注視していきたいと考える次第である。

追記、この雑誌に限らないが、雑誌媒体が紙のまま残るか。それとも違う様相を示すか。それも興味あるところである。

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女性誌「LARME」中郡(なかごおり)編集長

<楡周平「いいね!」が社会を破壊する>
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