■アート|アートなう(2)ポップアート

スポンサーリンク

大衆消費社会のアートとは、如何に!

20110507003300

消費するアート?

1960年代は何かと世間を騒がす出来事が多かったようだ。例えば、音楽の世界ではロックの人気が高まっていた、そして、ビートルズの登場によってそれは確固たるものとなった。ファッションでは、ミニスカートが誕生して、それまでの保守的な様相を一変させた。男のヘアースタイルはだんだんと長くなり、やがてロングヘアーというジャンルを確立していた。

大衆から発した流行が世の中を席巻した。それが60年代という時代であった。それは、まさに大衆文化の時代といっていいだろう。芸術の世界にもその波はやってきていた。それがポップアートである。

大衆とは、社会を構成するごく一般の人々を意味している。ポップ・アート(pop art/大衆向きの=popular)は、狭義の解釈では、漫画・ポスターなどマスメディアに登場する図像を素材に取り入れた現代美術であり、1960年代に米国を中心に広まったとされている。

しかし、実はその発祥は英国であった。50年代後半にハミルトン、ブレイクというアーティストたちが、すでにポップアート的な表現をしていた。音楽の世界でビートルズが果たしたように、芸術の世界でもこの時代の先陣は英国のアーティストによって始まっていた。

ビートルズがそうであったように、アメリカで成功しないと世界に浸透していかない。それはポップアートもおなじであった。英国ではじまって、やがてそれはアメリカという最大の大衆消費地で花開くのであった。

世界最大の消費社会アメリカにおいて、60年代初頭に突然の様にあるアート群が登場していた。ある作品は、マリリン・モンローの写真を大きく引き延ばし、それに色を付けたものであった。また、キャンベルスープの缶を描いたものもあった。さらには、コミック(漫画)風のタッチをそのまま引用したような作品などであった。

それら一群のアート作品には、共通するテーマ性があった、それは大衆が消費する商品や社会事象にあった。それは、もっとも見近な商品は言うに及ばず、映画スターもまた然り、殺人事件や人種暴動、ベトナム戦争などもおなじくであった。

大衆が消費する商品や銀幕のスター、そして事件や事故、戦争などの社会的出来事までを題材とするアート作品。したがって、これを称して、「ポップアート」と命名されたのであった。たぶん間違いない?。

また端的にいえば、ポップアート=消費する(テーマとした)芸術作品といっても過言ではない。なお、これは個人的見解であり、正確かどうかは分かりません。あしからず。

55347712_hamiltoncollage464
ハミルトン matome.naver.jpより

Warhol-Marilyn
アンディ・ウオーホル audioboo.fmより

ポップアート登場までの経緯

ポップアートはどのような理由で登場したか。それをアートの変遷から辿ってみたい。50年代のアメリカでは、「抽象表現主義(アクションペインティング)」という動きが顕著であった。これは、アメリカにはじめて最新芸術の様式をもたらしたものであった。このムーブメント以降、最新アートの中心地はパリからニューヨークに移行していた。

しかし、抽象表現主義もやがて勢いを失って、変わって登場したのが「ネオ・ダダ」であった。このネオ・ダダは、かつての「ダダ」に由来したものであった。ダダの特徴であった既成概念をぶっ壊すこと、そして皮肉の利いた芸風?を継承していたと思われる。

しかし、その印象はだいぶ異なっていた。それは時代が変わっていたからに他ならない。題材として選ばれたものは、アメリカの国旗であったり、新聞の見出しや写真などであった。また、表現方法としては、切り抜いたり、貼付けたり、ときにはデュシャンばりに意外な組み合わせを実物で行ったりした。

このネオ・ダダという動きは、実はポップアートの生みの親のような存在らしい。たしかに、その表現方法を見るとアメリカの国旗、新聞の写真など大衆の存在を感じさせる素材が多いのである。

そして、60年代である。ネオ・ダダで生まれた思想?に刺激されたかどうかは知らないが、その表現方法をもっと単純化?し、より直接的にしたのがポップアートではなかったか。と考えるが如何に。

そして、何より違ったのはその印象である。ネオ・ダダは暗い印象であるが、ポップアートは明るい色調であり、そして、どこまでも軽やかな印象を与える。それは、まさにポップアート(大衆的な芸術)という名のとおりであった。

なお、60年代のアートは実はポップアートばかりではなかった。
ヌーヴォー・レアリスム、ミニマル・アート、キネティック・アート、ランド・アート、コンセプチュアル・アートなどである。これらのアートは、ポップアートほど60年代の主流とはならなかったが、その後に影響を与えたのはいうに及ばずである。

238091
ラウシェンバーグ people.zozo.jpより

ネオ・ダダの代表的作家には、
ジャスパー・ジョーンズ/アメリカ国旗を題材にした作品で有名である。
ロバート・ラウシェンバーグ/コンバイン(組み合わせ?)という手法を駆使した平面、立体作品が多い。立体作品で見られる異なる意外な組み合わせは、デュシャンのレディメイドを思わせる。

ポップアートの代表的な作家たち
ポップアートの代表的な作家(ごく一部)を以下の様にご案内いたします。

<ブリティッシュポップ/英国>
リチャード・ハミルトン/ポップアートの先駆けと言われる。
ピーター・ブレイク
アレン・ジョ-ンズ/エロ、フェチを題材とした作品多数。

<ポップアート/アメリカ>
アンディ・ウォーホル/ポップアートのアイコン。マリリン、ジャクリーン・ケネディ、キャンベルスープ等の作品で有名。その他有名作品は多数あり。
ロイ・リキテンスタイン/漫画を芸術表現にした先駆者。
トム・ウェッセルマン/アメリカ人の日常生活を切り取り、再構成する作風。
クレス・オルデンバーグ/ハンバーガーなどを巨大化しオブジェとする。
ジム・ダイン
ジェームス・ローゼンクイスト/巨大な看板画のような芸術作品。
ラリー・リヴァース
ジョージ・シーガル/一般人を石膏で型取った立体作品。
ロバート・インディアナ/英文字を題材に作品化する。
メル・ラモス/雑誌グラビアの美女ばかりを描く。

roy
リキテンスタイン

20130827003910
ウェッセルマン d.hatena.ne.jpより

polsky7-3-4
ラモス minkara.carview.co.jpより

おまけ 60年代に生まれたコンセプトという言葉

コンセプトとアイデアの違いとは。コンセプトといえば、現在ではごく当たり前の様に使われている。しかし、この言葉は60年代のアメリカの広告界で使われたのが最初だそうである。なんでもアイデア(思い付き)に変わる、より説得力ある言葉として発明?されたそうである。

60年代のアメリカ広告界は、アイデアだけでは最早やって行けなくなっていた。なんとか、よりクライアントを説得するに足る理由が欲しかったのだ。そこで、考えられたのが、思い付きよりも、より意味のある「コンセプト(考え方)」であった。

コンセプトとは、単なるアイデアと違い背景や意味、理由が重要であった。意味ある考えこそクライアントには、求められたのである。実行するに値する理由がそこにあったからである。そして、コンセプトという言葉は以後、現在に至るまで続いている。

なお、コンセプトに関してはいずれ「アートなう/コンセプチュアル・アート」の項目でより詳しく?ご案内したいと思います。

参考文献:現代美術入門(若林直樹)、アートナウ(講談社)、ウィキペディア
冒頭写真:インディアナ d.hatena.ne.jpより

<ポップ・アート>
アートと日常生活を隔てる壁を打ち破る、新しいアートの時代の到来! ポップ・アートのスタイル、テーマ、インスピレーションの源を詳しく解説。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

おすすめ記事