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■アート|松川けんし 線の魔術師

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その線の行方は、遥か彼方まで自在にどこまでも

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199297|KENSHI MATSKAWA 画集

今回ご紹介するアーティストは、「松川けんし」である。実は、松川氏とは知り合いである。いや、だったというべきか。なにしろ、20年ぐらい疎遠となって久しいからだ。最近、本棚を引っ掻き回していたら、懐かしいものばかりが出てきた。そのなかのひとつが松川氏の画集であった。

表紙には、「199297 KENSHI MATSKAWA」と書かれていた。たぶん、1992年に発行された画集を意味していると思われる。記憶は定かではないが、どこかの画廊で展覧会をした際に企画されたものに違いない。

すでに表紙は黄ばんでいる。しかし、中身はきれいなもんであった。画集に掲載された絵は、すべてモノクロの線のみで表現されていた。当時は、あまりよく分からなかったが、いま見ると新鮮な感じである。現在流行りのラインのスタンプなどに似合いそうなぐらい表現は古くなっていない。

線を自在に操る様はまるで魔術師のようだ。違うか。92年当時の松川氏は、その絵が認知されはじめた頃だったと思う。イラスト年鑑などにも掲載されたし、他にも紹介されて認知の幅は広くなっていた。どこかのCMにもたしか使われたはずだ。それが何だったか覚えていないが。

とにかく、松川氏が活躍の幅を広げるきっかけともなった画集ではないかと思う。92年頃、当該ユーザーはすでに疎遠になりかけていた。95年頃にはすっかり疎遠となり現在に至っている。だから、ほぼ20年の空白があるという訳である。

その後の松川氏は、当方が知らないところでイラストを超えて活動していたようだ。いまでは、立体作品や版画も手掛けている。したがって、イラストレーターよりも、広範囲な仕事をするアーティストと呼んでも差し支えないだろう。

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ちなみに、92年〜95年頃の当方は、水道橋の娯楽施設などの仕事をしていた時期だった。かつては松川氏とおなじ仕事をしていたが、80年代後半にそれをほっぽり出して飛び込んだ世界であった。当時は、非常に強いプレッッシャーを感じていた。しかし、楽しかったのも事実でいつも夜遅くまで会社にいた。

そんなこともあり、徐々に松川氏とのおつきあいも薄くなってしまった。それが1992年頃のことであった。そんなこんなで、この画集には実に感慨深いものを感じる今日この頃である。いやはや。

「時は、残酷に過ぎ去る。しかし、想いは微かに残る」by cragycloud

1992年といえば、たしか後楽園遊園地で「大人の夜の遊園地/ルナパーク」が始まった年でもあった。これは丹青社とクラブハウスという企画会社が仕掛けたものであった。知り合いがこの企画の一員であったことから、後には当方も加わった。その後、単独で遊園地の仕事をしたこともある。

後楽園遊園地は、その後「東京ドームアトラクション」に変わった。

そのうち、92年繋がりで「後楽園遊園地」の没になったアトラクション企画やサイン計画等を紹介したい。もう、時間が経ったから掲載しても大丈夫だろう。なんせ、その娯楽施設はもうないのだから。

それはさておき、松川氏の画集である。掲載された作品の多くが線を空間に解き放つように描かれていることから、「線の魔術師」としたが、これは当方が勝手に付けたものであり、本人に確認を取ったものではありません。あしからず。

「線の魔術師」とは言われていないと思いますが、久しぶりに見た感想がそれでした。まんざら、外れていないと思うが如何に。

ちなみに、ここに掲載した作品は、すべて松川けんし氏が著作権を有しています。
もし、興味の有る方は以下のサイトからコンタクトしてください。よろしくお願いします。

<松川けんしプロフィール>
福岡県生まれ、イラストレーター及びアーティスト
松川氏のサイト:http://matsukawa-kenshi.jp/

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画像の作品:すべて、松川けんし画集「199297」より

<衣装図観 (京都書院アーツコレクション) 松川けんし>
一冊まるごとイラストレーション・スナップ。

衣装図観 (京都書院アーツコレクション)

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