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■映画|チャッピー(CHAPPiE )ロボットの成長と冒険

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育つ環境がもたらす影響は、人もロボットもおなじか

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チャーミングな戦闘ロボットは、考えることができた

「チャッピー」とは、ずいぶん可愛いタイトルである。まるで、お子様向けのアニメ映画ではないかと錯覚する。しかし、この「チャッピー」は、戦闘用に造られたロボットの名前である。このロボットは少しばかり特別で、知能(AI)を有していて、それを自らで育むようにも設計されていた。

舞台は、近未来の南アフリカ・ヨハネスブルグ。犯罪の多さに苦慮した政府は、対人戦闘用ロボットの開発に着手する。ただし、そのロボットは人間の指示に従う様に人工知能の搭載は抑制していた。

しかし、ロボットの開発者は、ロボットが自ら考えて行動できる人口知能を搭載するように会社に提言する。しかし、統制が取れなくなるとして拒否される。そこで、開発者は密かに人口知能を搭載したロボットを製作する。そして、誕生したのが、「チャッピー」であった。

ところが、人口知能に知識を植え付ける前に「チャッピー」は、何者かに誘拐?されてしまう。誘拐したのは、このロボットが金になると目を付けたギャングであった。そして、人工知能はあっても知識がないロボット「チャッピー」は、ギャングのもとで育てられることになった。

ギャングとその妻は、いろいろと教え込んでいく。ギャングは、銃の扱い方や戦い方を、一方その妻は、愛情を感じていた。「チャッピー」は、ロボットではあるが、人工知能のせいで子供とおなじく環境に溶け込んでいく。

やがて、「チャッピー」は、いっぱしのギャング風のロボットになっていた。発する言葉はギャング丸出しで、歩き方までそうであった。体には入れ墨の変わりにペインティングが施されていた。

ある日、「チャッピー」は、生みの親である開発者と久しぶりに出会う。そこで、開発者に対し、なんでオレを生んだとばかりに非難をする。なまじ知能を育むように設計されたロボットは、人間とおなじく苦悩も抱えていた。

なにかが違うと、「チャッピー」は感じる様になっていた。そして、チャッピーの人生は波乱の中に入って行く….。

(本作品は2015年5月の公開なので、これ以上の内容は知りません)

ここまでのストーリーだけでも、十分面白さが伝わってきます。個人的には、ぜひ観てみたい映画です。もし、この面白さが伝わらない場合は、当方の書き方が悪いせいです。以下にリンクした町山智宏氏の解説をご覧ください。町山氏の解説は、相変わらず面白いです。

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映画「チャッピー」予告篇 2015年5月23日(土)公開

<脚本・監督:ニール・プロムカンプについて>

本作品を脚本・監督したニール・ブロムカンプは、2009年、29歳でSF映画「第9地区」を低予算で製作し、それを成功させている。そして、一躍世界の映画界の注目を集めた後は、大作も任されるに様にもなった。そして、次回作は、なんと「エイリアン」になると噂されている。

「プロメテウス」の続編かとも言われているが、それは確かではないようです。

プロムカンプ監督は、特殊効果を駆使したSF映画が得意分野である。それは、ほぼ間違いない。しかし、その映画で語られる物語は、けっして荒唐無稽ではなく、隠喩に満ちた深い内容を含んでいる。それが、個性となって他のSF映画とは一線を引いたオリジナリティー性をもたらしている。

SF映画ならではの特殊効果とアクション、さらにシリアスな物語性があり、そしてユーモアを感じさせる。それらが融合して作品の魅力となっているのが特徴だ。

ちなみに、プロムカンプ監督は、日本のアニメや漫画に詳しく、「攻殻機動隊」の正宗士郎氏を尊敬しているとか。ロボットの造形にも、その影響が見て取れる。それは、本人もはっきりと「影響を受けた」と名言している。

詳しくは知らないが、元はアニメーターなのか?。絵も大変にうまい。また、特殊効果のスタッフであったとどこかに書かれていた。そういえば、「エイリアン2」を撮ったジェームス・キャメロンも特殊効果出身ではなかったか。

プロムカンプ監督は、キャメロンが歩んだ道をいま歩みつつあるようだ。近い将来には、きっと「タイタニック」「アバター」並みの大作を引っさげて映画界を驚かすときがくるに違いない。

とにかく、次回作の「エイリアン」も楽しみである。その前に「チャッピー」を観なければならないか。日本公開は、5月だそうである。


町山智浩 映画「チャッピー」解説

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