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■社会|ギリシャ、ドイツへ戦後賠償費を要求するか

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これで働かなくても国家運営の道が開けたか?

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世界中の国家が、他国に何か被害を受けたか調べている

いま世界中の国家が、他国の侵略や植民地化による被害を算定している?、そんな訳はないが、それがあっても不思議ではない。ギリシャがとうとうやった。なんとドイツに戦後賠償費を請求するつもりらしい。これを韓国化の進展といわずして、何をそう言うかである。

観光産業以外に目立った産業がないギリシャである。多額の借金を返す当てがないのだろう。公務員大国であり、元からあまり建設的でない国といえる。(失礼ながら)誇れるのは、過去の歴史、文明の発祥地ということぐらいか。

断っておくが、ギリシャに関しては浅い知識しかない。あしからず。知っているのは、アテネオリンピック(これが諸悪の根源か)の建築費等が嵩み、国家の財政が逼迫したこと、その背景では閣僚などの横領がそれに輪をかけていた。さらに、国家にあるまじき財政収支を誤摩化していた、などである。

つまり、財政は赤字なのに儲かっているように見せかけて借金を重ねていた。いつかは、破綻するのが目に見えていたが、先延ばしたおかげで傷は広がり収拾ができない状態となった。そして、EUに泣きついて融資を獲得した結果、なんとか生命線を確保したのがつい最近までの現状である。

しかし、そのギリシャも知恵を絞った。元より返す当てのないお金である。だったら、なんとか返さなくて済む方法はないか。それが、第二次世界大戦で被害を受けたことの戦後補償に他ならない。そうだ、ドイツこそ、いまのギリシャの苦境の根源だとばかりに、矛先をドイツに向けた訳である。

いやはや。これって、どこかで聞いたか、見たかしたような記憶があるが、それは単に気のせいか?。

ギリシャ、ナチス占領の賠償算定値を公表 約2790億ユーロに

ギリシャの財務次官は6日、ナチス・ドイツによる占領でギリシャが受けた損害に対するドイツの賠償額は2790億ユーロ(3051億7000万ドル)近くに上るとの見方を示した。

ギリシャ、ナチス占領の賠償算定値を公表(ロイター)

日本円に換算すると約35兆円ぐらいか。(1000億ドル=約11兆円)日本の国家予算は約100兆円である。このうち税収で賄うのは約半分の50兆円だそうだ。

ギリシャがドイツに求める35兆円がいかに巨額かが分かるというもんだ。これは、ある意味でのブラフであるのは言うまでもない。取れればこれ幸いだし、取れなくてもドイツにプレッシャーを与えることができる。

ドイツは、ギリシャは自らの自堕落を顧みずになんて野郎だ、と怒り心頭かもしれない。いやはや。ドイツの首相は、このあいだ日本で「ドイツは戦後責任を果たした」とたしか言ったばかりである。違ったか。

とにかく、ギリシャとしては「金返せ、金返せ」としつこく言うなということだ。

これが、どれだけ効果があるか、それは少し様子を見る必要がある。ドイツは、日本と違って、日和見することはないと思われるが、それでも、世界中にまたナチスの面影が晒されるのはいい気分ではないのは明らかだろう。


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戦争、植民地などの被害国が同じことをしたらどうなる?

韓国は、今更言うまでもなく、今度はギリシャが戦後補償を果たせときた。これを正統な要求とすれば、過去に遡ればいくらでも同じようなことで請求する案件がごろごろしているに違いない。なにしろ、世界史は戦争史でもあるからだ。

20世紀だけでも、ずいぶんあるはずだ。なにしろ、第二次世界大戦前までは、欧米諸国は多くの植民地を支配していた。そこでは、どんな略奪・略取があったか。いまでは、その多くが明らかになっているが、侵略または植民地化された多くの国々が賠償を要求した例は、あまりない。

フィリピンは、米国に。インドネシアは、オランダに。インド・香港は、英国に。ベトナムは、仏に。そして、朝鮮・満州は、日本に。他にも多数あるが、アジアに限らず世界中でそれらの行為があったのは事実である。

植民地は、体制を地元に委ねていても実質は宗主国が支配していた。インドでは、僅かの英国人が現地人の根深い対立を利用しながら、植民地運営をしていた。英国は、嫌らしいことをさせたら右に出る者がない。

ベトナムを例にすると、はじめはたしかフランスであった。その後は、日本が侵攻?して、フランスを追い出した。日本が敗戦した後、フランスは出戻ったがベトナム独立運動によって阻止された。その後は、言うまでもなくアメリカの登場である。冷戦構造の中で、ベトナムを赤化させまいとして南ベトナムを支援していく。

そして、ベトナム戦争は泥沼に突入していった。アメリカは、豊富な物量を背景にして、大量の破壊兵器を投入した。B52による北爆は有名である。共産国から支援を受けた北ベトナムはそれでも負けじと戦った。その結果、ご存知のように北ベトナムが勝利(アメリカはそう思っていないか)した。そして、現在の統一ベトナムが誕生した。

とにかく、ベトナムはアメリカに勝利したが、国内はぼろぼろであった。それは、当時の映像を見れば一目瞭然である。なにしろ、アメリカは手当り次第に爆撃したのだ。その被害は想像を絶する。当然、人間の被害もおなじである。

そんな大変を通り越した被害を受けたベトナムが、アメリカに多額の賠償金を要求したとは、聞いていない。たぶん、なんらかの援助をその後はしたはずだが、目立った動きはあまりない。

1995年8月5日、ベトナムとアメリカは和解し、越米両国の国交が復活し、通商禁止も解除された。2000年には両国間の通商協定を締結し、アメリカはベトナムを貿易最恵国とした。フォードやジェネラルモーターズ、コカ・コーラやハイアットホテルアンドリゾーツといったアメリカの大企業が、経済成長が著しいベトナム市場に続々と進出した。

対米関係への配慮からベトナム戦争中の枯葉剤などについても、あえて「民間団体」に担当させて、政府は正面に出てこないくらいアメリカに気を遣っており、一般のベトナム人も、経済向上のためにはアメリカとの関係を緊密にするべきだと感じている。(ウィキペディアより)

とにかく、ベトナムは受けた被害を損害賠償という手段ではなく、より実りのある経済支援という形を選んだようだ。ベトナムは、いま脱中国の企業の受け皿となっているとか。

ベトナムは、特別なのかもしれない。とにかく根性?があるのは間違いない。なんせ、あのアメリカを相手に一歩も引かなかったのだから。

ギリシャが、ドイツに戦後賠償を要求するのは、ある意味では自らで経済を勃興させる手だてがないからに違いない。もはや、打つ手がないところから発想された、消極的な最後の手段かもしれない。

これがうまく行かなければ、国家ごと他国に売却するかもしれない。それは言い過ぎか。あしからず。(企業ならそれができるが国家となると難しい)

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追記、お断りしておきますが、歴史の浅い知識故に誤解がある部分があったと思われます。どうか、ご不明な点は自らでお調べ頂けると幸いです。

冒頭写真:konoyubitomare.jpより

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