■社会|中国が主導する投資銀行、その行く末はいかに

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右往左往する日本の政治家は、どこを見ているのか

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甘い誘惑に、思わず?参加した欧米諸国にはたして利はあるか

中国が主導するアジアインフラ投資銀行に、英国、ドイツなどの欧米諸国をはじめとした約50カ国が参加を表明したそうだ。これに、焦った一部の日本の政治家とマスコミ(朝日、毎日など)が、やいのやいのと騒がしい。要するに参加しろ、乗り遅れるなと言って騒いでいる。

それに参加しないと国家の存亡に関わるとでも言いたそうな雲行きである。それをやかましく騒ぎ立てているのは、親中国派と呼ばれる人達である。その手合いは、いつだって同じ事をがなり立てているから、いまさら言うまでもないことだ。政治家の皆様は、冷静に事を判断し進めて欲しいと切に願います。

断っておきますが、現在の政権を支持している訳ではありません。それでも、現在の判断は間違いではないような気がします。何故なら、この手の投資銀行の役割は、どっちにしろ利権の巣窟であるからだ。投資を善意で行う訳ではない、当たり前だがその見返りが必要だ。

アジアの途上国にインフラ整備資金を貸し付けて、投資銀行のひも付き企業がその工事を請負という仕組みであるのは言うまでもない。英国もドイツもそれを目的に参加したことは、間違いないだろう。

しかし、相手は中国である。この国は民主主義の国家ではなく、独裁国家であるのを忘れていないか。その国家が主導してできた投資銀行が、利権を平等に分け与えるなどと考えるのは寓の骨頂ではないか。少なくとも、これまでのかの国の所行を考えれば、それは想像できるはずだ。

英国が参加したことが大きく報道されたが、だいたい英国は二枚舌、三枚舌で有名である。いわずと知れた、中東の混乱の元となった所行の数々は言うまでもなく、過去の大英帝国時代では、アフリカ、中東、インド、アジアその他の多くの国々で、自国の利益のためならなんでもやってきた。それは歴史で明かされている。

それを考えれば、いまさら驚くに値しない。英国は、いつもながらの自国の論理で動いただけだ。それを、上を下にと大騒ぎするマスコミもどうかしている。たぶん、世の中を騒がすのに絶好のネタだと思っただけではないか。米国の覇権が終焉し、中国の時代の幕開けだとなんだかうれしいそうである。

また、中国には世界一の外貨保有高があり、最大の債権国である。ということから安心だとする説もある。しかし、それなら何故中国のみでアジアに投資しないのか。それは別の説では、巷で言われるほど外貨保有高は多く無く、実は減り続けているとか。そこで、「世界各国を巻き込んでいくことにした」というのが背景らしい。

これは、あくまで推測の域をでない説であるが、信憑性はあると思われる。何故なら、中国経済はけっして好景気ではないようだし、また外資も投資を引き上げる傾向が顕著である。そこで資金不足に陥っていると考えられるからだ。

また、中国が単独で投資をしているアフリカやその他の国々からは、反中国の機運が高まっているといわれる。中国の投資には、すべて中国のひも付きが利権を握って、地元への貢献が極端に少ないからに違いない。それを躱す意味でも中国主導による多国籍連合の投資銀行には、意味があるのだろう。

衆院議員(民主党)の岸本周平氏は、次の様に語っている。「AIIBに参加したからと言って、ビジネスチャンスがにわかに増大するものでもない。むしろ、日本の企業は国際金融銀行(JBIC)を中心に日本の民間銀行とともに、アジアに打って出る方がしがらみがなくて良い」(杉浦正章のブログより引用)

安倍はG7で「習近平銀行」の実態を語れ 杉浦正章のブログより

とにかく新聞をはじめとしたマスコミが騒げば騒ぐほどに、この案件はより冷静に対処したほうが良さそうである。マスコミ、エコノミストの言い草に惑わされずに沈着冷静な動きができるか、政治家やその関係者のこれからの出方に注目である。

ついでにアメリカの動きも要注目であるのは、言うまでもない。

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jp.quumu.comより

ボリビアのインフラ事業の闇 世銀とひも付き企業のあくどさ

中国のインフラ投資銀行の危うさばかりを強調したのでは、なんだか片手落ちではないかという指摘もあるはずだ、そこで同じような仕組みを世界中で行っている代表格の金融組織の所行も紹介したいと思います。

その代表格といえば、IMF(国際通貨基金)と世界銀行である。ともに世界各国からの出資で運営している。中心は、アメリカである。(主として国際金融市場で債券を発行して調達した資金を融資する。その場合、各国政府および政府機関が債務返済保証をする)

IMF(国際通貨基金)と世界銀行は世界の途上国に、インフラ整備資金を貸し付ける変わりに、財政健全化という削減策と、その事業の民営化を条件としていた。とくに、生活基盤のうえで重要な上水道事業等の民営化等を推し進めていた。

映画「ザ・ウォーター・ウォー」で描かれた、ボリビアのインフラ事業利権の闇の実態は、まさしくIMF、世界銀行とそのひも付き企業が起こしたものであった。ボリビアでは、水道インフラ事業を世界銀行等に言われるままに民営化した。その結果なんと水道料金は、従来の200%にも跳ね上がったそうだ。

ちなみに、水道事業はアメリカの企業が行っていた。融資と引き換えにその企業は決まっていたそうだ。すべては、世界銀行とひも付きで行われた出来レースであった。その背景には多額の収賄があり、それを取り戻すべく多額な水道料となって跳ね返っていた。

しかも、独占であるからそこからしか水を得る事ができなくなっていた。映画でも描かれているが、人々は高い水道料金が払えずに、仕方なく井戸を掘って水を得ていた。しかし、それでは、事業が成りた立たない事業側は政府を動かして井戸を潰すという行為に出る。これは、なんとも非道な行いである。

水道事業を民営化した政府は、収賄でがんじがらめとなっていた。水道という人の生死に関わるインフラ事業を国外の一企業に委ねてしまった悲劇である。

しかも、それを後押ししたのは、世界銀行やIMFという一見すると世界貢献を旗印にした高邁な目的を有する集団である。残念ながら、それも一皮むけば単なる投資集団でしかないのが実態か。そうとしか思えないボリビアでの出来事である。

現在進められている中国主導の投資銀行も発想は同じようなものであり、いつボリビアとおなじことが繰り返されても不思議ではない。

すでに一部の有識者のあいだでは、中国や韓国の建設業者が請け負った場合、コスト削減による欠陥が指摘されている。ずいぶん早い心配であるが、それもうなずける気がする次第である。いやはや。

ボリビア水戦争 ~水と公共事業は誰の物か~

■映画「ザ・ウォーター・ウォー」ストーリー

新大陸を発見したクリストバル・コロンの映画を撮影するためにボリビアのコチャバンバへ赴いた監督のセバスティアン(ガエル・ガルシア・ベルナル)やプロデューサーのコスタ(ルイス・トサル)らの一行。

しかし現地では欧米企業が水道事業を独占し水道料金を大幅に値上げしており、住人が苦しんでいる最中であった。エキストラ応募者たちの中からスタッフが目をつけた先住民族のダニエルは撮影の合間に抗議活動に参加し、投資家たちからの資金を気にするセバスティアンは頭を悩ませる。

やがて彼らの目の前で起こる抗議行動は、作品内で扱う新大陸の植民地支配とオーバーラップしていく……。

追記:
このボリビアの騒動は、映画「007慰めの報酬」の元ネタになったそうである。興味のある方は、ぜひ「ウォーターウォー」と合わせてご覧になるといいかと思います。

冒頭画像:crx7601.comより

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