■映画|キャピタリズム~マネーは踊る~ 金融システムは無敵なのか?

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capitalism

そのシステムは、いったい誰がつくったのか

リーマンショック後の世界経済は、健全なのだろうか

 映画「キャピタリズム」は、アメリカで起きたサブプライムローンの破綻に端を発した金融クラッシュを背景としたドキュメント映画である。その出来事は、2008年のリーマンショックとして世界に大きな影響を残した。そして大きな痛手を受けた大手金融会社などは、破綻または再編を余儀なくされていた。

 サブプライムローンとは、低所得層に住宅ローンを借りやすくした制度であった。金融会社は、それを何のためらいもなく片っ端から貸し付けていた。それは、従来の貸し付け条件ではとても可能ではなかったのは言うまでもない。

 その結果、貸し倒れ率は非常に高かった。ただし担保は家にあった。問題は、それよりも投資債券として、その案件が多く売り出されたことにあった。もちろん、サブプライム単体では売れる訳も無く、良質な投資案件とセットで売られていた。

 そのセットされた債券を積極的に売り出していたのが、リーマンブラザースであった。それを買っていたのは大手金融や保険会社などであった。そして、サブライムの化けの皮が剥がれるときがやってきた。あっという間にそれはウィルスのように広がって蝕んでいく。そして莫大な金額が失われていた。

 リーマンは、ついに破綻して長い歴史に終止符を打たれた。大手金融、保険、その他も破綻、または再編を余儀なくされた。それがリーマンショックであった。

 それから、僅か約7年であるが、いまアメリカの株価は最高値に近い。またぞろ新たな金融の時代の幕開けである。金融に詳しく無いので、なにが要因でそうなっているかよく分からない。しかし、アメリカはいま景気がいいらしい。2008年当時の危機感は、あまり感じられないようだ。

 アメリカでは、自動車の販売が絶好調であるとか。日本の自動車会社もその恩恵に授かっている。繰り返すが、リーマンショックからまだ僅か7年ほどしか経っていない。金融システムのすべての膿みがが出されたどうか疑問であるが…。

ところが、いまやそんなことは過去の出来事とばかりに株価は上昇している。

■キャピタリズム〜マネーは踊る〜 ストーリー

 アメリカの体制は民主主義ではなく、1%の富裕層が底辺の95%より多い富を持ち独占的に利益を得る社会という意味の“プルトノミー”だという説がある。今の若手科学者は学生ローンの返済のため、ウォール街に職を求める。そして、ハーヴァード大学経済学部の教授さえ説明できないほど複雑な金融商品を開発した。

 ムーアはその内容が分からず、元リーマン・ブラザーズの社員に尋ねるが、理解できない。住宅を担保に融資し、さらに再融資して利殖できるようにし、返済できなければ家を差し押さえるというサブプライムローンを、住宅ローン最大手のカントリーワイドは一般庶民に売りまくった。

 その結果、住宅ローンは焦げ付き、2008年9月15日、リーマン・ブラザーズが破綻する。株価は大暴落し、税金7千億ドルを不良債権の買い取りのために投入する救済法案が可決される。(ムービーウォーカーより一部引用)


マイケル・ムーア監督『キャピタリズム~マネーは踊る~』トレイラー

1%の富裕層の富が、膨らみ続けている

 アメリカでは、いま0.1%の富裕層の富が、90%の一般層のそれを超えたそうである。それは、どれだけ富の集中化が偏っているかを物語っている。かつての中間層がいなくなったといわれて久しいが、それによって益々二極化が進展しているようだ。1%の富裕層が99%を支配するといわれたが、それどころか超富裕層はとんでもなく予想を超えて富を増やしている。

ちなみに世界の富裕層の1%は以下のとおりです。

 最も裕福な1パーセント――45億人中4,500万人――は、1人当たり平均約300万ユーロを所有している。これは世界の富の平均の50倍、世界の富の総額の50パーセントに相当する。

出典:トマ・ピケティ著『21世紀の資本』

 富裕層の定義は、100万ドル(約1億2千万円)以上の投資可能資産を持つ個人富裕層です。日本の富裕層は、2012年の190万2千人から、2013年の232万7千人へと、42万5千人増で、対前年比22.3%も増えています。(日本の富裕層トップ1%が世界一富を拡大より)

日本の富裕層トップ1%が世界一富を拡大、ワーキングプア30万人増、貯蓄ゼロ19%増(2012-13)

 いまアメリカの好景気に支えられて、日本でも株価は右肩上がりである。しかし、一般大衆のあいだに好況感はいまだ無いのは言うまでもない。しかし、一部の富裕層の資産は、株価上昇とおなじく膨らみ続けているようだ。

 アベノミクスは、一部の富裕層を富ませることを目的とした政策と言っても過言ではない。何故なら、結果がそれを物語っているからだ。さらに非正規社員などの固定化を促進する政策などで、さらに駄目押しをしようとしている。

 アベノミクスの政策は、二極化を進展させて、それを固定化し、さらに格差を広げようということに違いないだろう。それは企業(主に大企業)が利益を上げやすいシステムを固定化することにあるのは言うまでもない。

 映画「キャピタリズム」によると、アメリカでは社員に保険を掛けているそうである。一見良さそうに見えるが、実は保険金の受け取り人は会社である。そして、それを家族は知らないとか。要するに社員に保険という投資をしているのである。別の言い方では社員もモノと同じで消耗品扱いといえる。

 日本では、アメリカのビジネスシステム、金融システムがじわじわと浸透しつつある。それはグローバリズムの時代では不可欠という言い方もできるが、実はそれは真の支配層のみが得をするシステムだそうである。真の支配層とは世界金融システムそのものと言ってもいいだろう。それは、金融マフィアともいわれている。

その前では、日本のメガバンクなどは単に従うのみの存在でしかないようだ。

 いったい、その金融システムとはどんなものなのか。アメリカの金融会社なのか、それとも英国か、それは知る由もないが…。

 ただ巷でいわれるなかでは、R系金融資本を中心にクモの巣の様に広がった金融コングロマリットであると噂されている。アメリカだけでなく、英国、フランス、スイス、ドイツなどにその拠点はある。その拠点は、かつて存在したR系金融資本の拠点と一致している。また、世界銀行、国債通貨基金(IMF)などもその手の内にあるのは言うまでもない。

 最近このシステムに反旗を掲げるかのような動きがある。それは、中国が主導するAIIBというアジアインフラ投資銀行の設立である。これに、欧州の先進国は参加したがアメリカと日本は参加していない。どうやら金融マフィアも一枚岩ではなかったのか?という疑問も湧くが、実際はどうだろうか。案外、どちらに転んでもいいように仕掛けが施されているような気がするが…。

 ただし、あくまで憶測レベルでしかなく、その信憑性は闇の中にあるのは言うまでもない。いやはや。

 とにかく、これらの出来事に対し、一般大衆はいかに対処したらいいか分からない。取り敢えずは、映画「キャピタリズム」を観ていま一度考える事からはじめるしかない。

 真の支配層たちは、所詮、一般大衆はまとまることはなく、何も出来はしないと高を括っていることだろう。また、仮にまとまる恐れがあると、それを分断しに掛かるようである。例えば、中東の状況を考えればそれが見えてくる。

 世界のあちこちで起きている諍いの発端も、そこにあるのかもしれない。

■キャピタリズム〜マネーは踊る〜 概要
原題:Capitalism: A Love Story
監督・脚本/製作:マイケル・ムーア
公開:2009年
時間:120分

21世紀の資本

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