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■社会|新国立競技場「JSC、デザイン変える方がリスク大」 この言い分は単なる責任逃れに過ぎない

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JSCの言い分は、もはや予算は度外視ということか

■この機会(間に合わない)をはじめから狙っていた?

 JSCが、新国立競技場問題(多額の建築費に反対多数)で反論を試みている。この機におよんで何をいまさら言うかと思ったが、なんのことはない単なる言い訳でしかなかった。しかし、その言い分にはなんだか事前に用意していたような周到さが伺える。この反論を端的にいえば、「間に合わない」ということである。

 巧妙にも、コンペの諸条件のなかで最重要であるはずの、予算1300億円をはるかに超えた時点でデザインを却下しなかったことには触れていない。「間に合わない」の結論ありきで、それを補填する言い訳を取り敢えずかき集めたに過ぎない。

 穿った見方をすれば、当初から「間に合わない」を理由にするストーリーがあり、現行デザイン=多額の建築費で継続進行させるしかない状況まで放置することにしたのではないか。あくまで憶測であるが、なにしろJSCの言い分が出来過ぎているし、またなんの責任も感じていないようだ。

 ここ10年程のあいだに大企業の戦略の失敗が次々と露呈したのは記憶に新しい。それらの多くでは周囲の反対を押しのけて、一部経営陣が独断専行していた。その結果、莫大な利益損失と企業は存続の危機に陥った。企業の見通しの甘過ぎる将来設計は、大抵は悲惨な結果になるという見本にもなった。

 新国立競技場のJSCおよび関係者達は、たいした将来設計もなく超多額な建築費(2520億円、屋根除く)をぶちこもうとしている。たぶん、かれらも将来にどれくらい費用が掛かるかを正確には算出できていない。それでも青天井の予算で進めていくのは、きっと目的が競技場の建設ではないからに違いない。

 通常であれば、立派な競技場が5〜6個もできる予算で、たったひとつの競技場を造る訳が無いはずである。何か普通でない理由がそこにあると考えるのは、あながち間違ってはいないと思われる。

 もし、このまま新国立の建設が進んでいくと、やがて遠くない将来に大スキャンダルが発生しそうな予感するがいかに。

新国立問題、JSC「デザイン変える方がリスク大」(日刊スポーツ)
   
 新国立競技場の問題では、JSCにも言い分がある。計画を見直せば、19年9月のラグビーW杯、プレ五輪に「間に合わない」と言い切る。世論で叫ばれている「デザイン変更」には、大きな障壁があると鬼沢佳弘理事は説明する。

 「変更すればこれまでの設計は使えなくなる。知的所有権に抵触するからだ」。フレームワーク設計と基本設計を含め約11カ月を要した。やり直した場合「(諸条件が)決まっているので5、6カ月でやれる」という。しかし、基本設計の後に行う実施設計には今回と同時間がかかるという。

 「行政協議、防災認定、構造評定を受けたりと建築的な手続きがある。それが常識的に4カ月。それは実施設計がないと受けられない。並行してできるものではないんです」。そうなると、設計業務だけで19カ月はかかる。

 建築家・槙文彦氏の代替案も検証したが「槙さんの案は42カ月と聞いているので、すると61カ月(5年1カ月)かかる。デザインを変える方がリスクだった」と判断した。

 仮に変更案が工期内に完成できるとし、現デザイン監修者ザハ・ハディド氏と契約を打ち切った場合、これまでの出来高13億円を支払う。その上、損害賠償などの法的手段に訴えられる可能性も指摘した。もし、工事差し止めの仮処分が科されれば、完成しない恐れもある。

間に合わない、それしか言う事はないのか?

■間に合わないばかり、それより予算はどうした!

 JSCの言い訳は、あくまでラグビーのワールドカップに間に合わせること、またオリンピックを新国立で行うことを前提としている。予算のことなど度外視であるのは否めない。もっともらしいこと言っても、肝心な部分が抜け落ちている。

 国際公約だからとか、信用にかかわるとか、政治家や官僚の詭弁でしかない。しかし、その言い草がもっともらしいから厄介である。ちなみに、国際オリンピック委員会(IOC)のジョン・コーツ副会長は「変更したいのなら、できる」と言っているとか。(毎日新聞7月1日)

 現代では国家も企業とおなじくらい収益性を考慮しないと明日はギリシャになるに違いない。日本の政治家や官僚は、国家よりも自分の利益を優先しているようだ。

 なんのために消費税を上げたのか。無駄な箱ものを造るためではないはずだ。元都知事は、新国立(現状デザイン)の建設のために新たな税金を取れと言っている。なにをかいわんやである。お前が全財産をぶちこめと言ってやりたい。

 とにかくJSCの言い分は、あくまで現状のままで進めていくことが最善であるという前提に基づいた論理である。仮にデザイン変更で間に合わなければ、間に合うようにする知恵を働かすのが、人間ではないか。 

 ザハ案は、当初から難しいデザインといわれていたので、さぞや実施設計も困難を極めたことに違いない。だったら、より機能性(短期施工含む)を重視したデザインとすれば実施設計も短縮できるのではないか。あくまで想像であるが。

 ザハ・ハディド氏に訴えられたら堂々と言い分を主張すればいいだろう。もし、それで違約金が発生しても、1000億円も取られるはずはないはずだ。違うか。なお、建築家の森山氏によれば、ザハ氏はあくまで監修者としての契約であり、デザインを変更されても拒めないように契約されているとか。(以下のリンク先を参照ください)

新国立競技場デザイン変更は訴訟につながる!は嘘(森山のブログ)

 そのような背景を考えると、予算1300億円、または1000億円の枠内で収めることを最重要課題として、デザインを仕切り直すことがむしろ最善と思われる。

 思えば、ハリウッドの大作映画でも予算を大幅にオーバーした作品は、大抵は大コケしている。ちなみに、大ヒット映画「タイタニック」も予算をオーバーしたが、なんと監督が自らの資金を投入したといわれている。

 それを考えると、もし新国立競技場を現状ママで進めるならば、当初予算を超過した分は、ぜひJSC他、関係者一同で負担して頂きたいと思うがいかに。

新国立競技場騒動皮肉った「クソコラグランプリ」 巨額工費に批判、ネット上で異様な盛り上がり

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新国立競技場計画の見直しを政府に直接、要望しよう!

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■【国会請願署名】へのご協力をお願いします!

 現在、新国立競技場の見直しを求めて、以下のような活動が始まっているようです。ご参考までに。(ちなみに当方は参加しました)

神宮外苑と国立競技場を未来へ手わたす会
http://2020-tokyo.sakura.ne.jp/

2015年7月13日 — 各方面から批判や懸念が盛んにあがり、世論調査でも9割の人が計画反対の回答をしているのにもかかわらず、政府は新国立競技場計画に突き進もうとしています。

あまりにも大きく、あまりにも多くの問題を解決しないまま、「負の遺産」を将来世代に渡すことは何としても止めたい、という切実な思いから、当会では7月12日より【国会請願プロジェクト】を開始しました。

請願内容は下記の2点です。
◎請願事項
1)建設費、維持費、工期、計画決定プロセスの疑惑、環境負荷等に問題があり、国民の95%が反対している進行中の新国立競技場計画を中止してください。

2)上記を実行した上で、簡素で使いやすいメインスタジアムの計画にすぐに取り掛かってください。日本の信頼できる建築家たちは、2020東京オリンピック・パラリンピックまでに素晴らしいスタジアムを完成させるでしょう。

◎「国会請願」とは
国民が国政に対する要望を直接意思表示するものであり、憲法第16条で国民の権利として保障されています。
また日本国内に在住の外国人の方及び未成年の方も請願することができます。

自筆署名をご送付いただくというお手数をおかけしますが、東京駅高層化計画撤回に、全国から40万筆を集めた「国会請願」が大きな力となったという過去の実績もあります。

どうぞ、周りの方にも広めていただき、1筆でも多く積みあげて、みなさまのお気持ちを国会に届けさせてください。

◎請願専用ページ(署名の方法、送付先等はこちらから)
http://2020-tokyo.sakura.ne.jp/cn16/pg201.html

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