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■映画|キース・リチャーズ アンダー・ザ・インフルエンス

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キースかく語りき、その音楽のルーツへのリスペクトを

その渋さは、キースに向かうところ敵なし!
キース・リチャーズ「アンダー・ザ・インフルエンス」

 伝説のロッカー、キース・リチャーズが、子供時代から現在まで自身が影響を受けた人や音楽について語るドキュメンタリー。なお、この作品は、ネットフリックスのオリジナルコンテンツであり、いまのところそこでしか観れません。

 本作品では、キースが自分の音楽を制作しながら、合間に自分の音楽のルーツを語っています。そして、この作品の中のキースは、あまりにも渋過ぎる。”渋い”という言葉はキースのためにあるのかと思うぐらいです。

ここで言う”渋い”の意は、以下のとおり。
「派手でなく落ち着いた趣がある。地味であるが味わい深い。」(なお、地味というには若干抵抗があるのは否めないが)

 ローリング・ストーンズといえば、まず思い浮かぶのはバンドのフロントマンであるミック・ジャガーであるに違いない。しかし、その音楽を支えていたのは実はキース・リチャーズであったのは、いまさら言うまでもない。キースは作曲とサウンドの要として重要なポジションを担っていた。

 キースとミックが初めて出会ったのは電車の中だそうである。それは美術学校に通う途中だった。そして何が二人を引き寄せたかといえば、ミックがそのときに持っていたレコードにあった。それはチャック・ベリー、マディ・ウォーターなど、当時(1950年代)まだ注目され始めたばかりのアメリカのR&B音楽だった。

 キースは、そのようなアメリカの黒人音楽を聴いてるのは地元では自分ぐらいだろう、と思っていたと語っている。そこにミックが現れて同じような趣向にある二人は、その後の長い歴史を共有していくことになった。

 したがってローリング・ストーンズの音楽は、必然的にR&Bをルーツとした。しかし、そのまま演奏したのではなかった。キース曰く、おなじことは出来なかったと。そこで、雰囲気はそのままにスピード(テンポ?)を上げてみたら、ストーンズらしさが出来ていたそうである。

 キースの語り口は実に好感が持てる。何故なら、自分の音楽がR&Bなどのアメリカ音楽に強く影響されたことを隠さない。それどころか音楽のルーツに対して尊敬の念が深く、いまでもマディ・ウォーターなどに敬意を表している。

 見た目はいかにもアウトロー風であり、麻薬等の問題で過去には逮捕もされているが、こと音楽に関しては真摯な姿勢を貫いている。

 若い頃のキースは、シャープな面立ちで粋がったお兄さんという呈であったが、現在のキースは、顔には深い皺が刻まれてまるで年輪の如くになっている。しかし、それがちっともジジ臭く無く、唯一無二の個性となっている。

 それは一言でいえば、格好いいとしか言い様が無い。ジョニー・デップをはじめ多くの著名人を唸らせているのも、その個性故と言っても過言ではない。

 また、昨今ではいかにロックミュージシャンといえども禁煙する傾向にあるが、キースはそんなのおかまいなしのようだ。本作品の中のキースは、演奏の最中であろうが、休憩中であろうが煙草を口元から離すことがない。

 それはまるで赤ちゃんのおしゃぶりの如くである。(例えは悪いが)

 しかし、その様子が実に様になってるから始末に負えない。ある意味ではいま禁煙をしようとしてる人には毒となる格好良さかもしれない。

 個人的には、この作品を観てこれまでになくキースに親近感を覚えました。もはや、若いときのように突っ張る必要も無く、あるがままにという精神性にあるように思えました。それは余裕の裏返しともいえるでしょう。

 なんせ、ローリング・ストーンズのキースですから。

 誰にでもそれができるとは思えませんが、必要以上に自分を大きく見せようとか、そういった見栄とは無縁にあるようです。

 とにかく、ローリング・ストーンズのファンのみならず、キースに少しでも興味のある人には一見の価値ありのドキュメンタリーであるのは間違いないでしょう。キースの新たな魅力に触れることができます。是非ご覧あれ!。

 その前にネットフリックスに登録が必要です。それをお忘れなく!

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キース・リチャーズ/Keith Richards
出生/1943年12月18日(71歳)イングランドケント州

キース・リチャーズ(Keith Richards, 1943年12月18日 – )は、イギリスのミュージシャン。ミック・ジャガー、ブライアン・ジョーンズと共にローリング・ストーンズを結成した。ジャガー/リチャーズ名義で様々な楽曲を作りヒットさせている。(ウィキペディアより)

以下は、キースのソロアルバム新盤(2015)です。

Crosseyed Heart
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