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■社会|パリ、テロに襲われる! 中東の混迷は欧州に広がるか

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フランス国旗

パリは燃えているか

中東の混迷に端を発するテロの原因は何処にある!?

 11月13日、パリ市内で同時多発テロが行われて多くの市民が犠牲となった。パリでは警戒態勢を強化していたが、それをかいくぐってテロは実行された。したがって、当局の衝撃は大きいと思われる。難民問題に揺れる欧州では、難民のなかに過激派が紛れていると言われていたが、それが証明されたかもしれない。

 これによって欧州各国が難民流入に対し、嫌が応も無く規制強化に向かわざるを得ないだろう。パリでは、今年になってアルカイダ系過激派による新聞社へのテロがあったばかりである。ちなみに今回の同時多発テロは、ISIS(自称イスラム国、スンニ派系)が実行したと声明を発表している。

 難民問題とテロの対策という2重の問題を抱えた欧州各国は、非常に難しい局面を迎えてしまった。難民問題も過激派のテロも中東の混迷に端を発している。それを解決しなければ、いつ終わるとも無く続くしかない。しかし、その解決の糸口さえ見えないのが現状と言っても過言ではない。

いったい何故こうなったのか

 イスラム過激派にその問題を負わせるのは簡単であるが、それだけで済まないのが中東の抱える問題と思われる。何故ならば、現在の中東の混迷の原因を作ったのは欧米であるからだ。これに異論の余地はないと思うがいかに。

 イスラム過激派の新勢力ISISの台頭以来、中東の混迷はより深まってしまった。しかし、このISISはどこからやってきたのか。中東から遠い日本にいると判らないことだらけである。日本の新聞やテレビでは表面的なことしか報道しない。だから、余計に判りにくくなるばかりだ。

 ISISがイラクやシリアで勢力範囲を拡大していくなかで、それに対抗しているのはイラク、シリアの両政府、それを支援するイラン、ヒズボラなどのシーア派組織、アメリカやフランスはイラク支援であるがシリアでは反対勢力に加担し、さらにISISを打倒しようとしている。なんとも複雑怪奇な様相である。

 さらにロシアが、シリア支援に動いたことでさらに複雑となっている。

 しかし、このような状況のなかである国の名前が表に出てこない。それは何処かといえば、イスラエルである。中東の問題はいまでは、イスラム教の宗派問題にすり替えられているが、元を辿ればイスラエルの建国にあるのは言うまでもない。

 中東諸国が混迷を極めれば、そこで利益を享受できるのはどこか?。それはイスラエルしかないと思われるが、違うだろうか。あくまで噂であるが、ISISの影にはイスラエルとアメリカの軍産複合体があると言われている。

ISISの武器と資金はどこからやってくるか?

 ISISは、僅かの間にイラクとシリアの一部を占領できるほどの戦闘能力を有していた。その武器は誰から、どうやって手に入れたのか。そして、その資金の出所は何処に?という具合で、実に不思議なことだらけである。

 しかし、前述したようにイスラエルとアメリカのCIAや軍産複合体の影を思い起こせば、見事にパズルが嵌まるという訳である。しかし、それが事実かどうかは知る由もないが、あしからず。

 映画「ロード・オブ・ウォー」では、世界を股にかける武器商人が資金元の影を隠す様に武器を携えて中東やアフリカに渡る様子が描かれていた。ちなみに旧ソ連のカラニシコフAK47という銃は最も出回っている。武器商人は、それを旧ソ連解体の混乱に乗じて一山いくらで大量に買い付けていたとか。

<ロード・オブ・ウォー/2005年公開>
冴えないウクライナ移民の男が影響力を擁する武器商人になるまでを描く。

1948年、イスラエル誕生の不条理な出来事

 第一次世界大戦の最中、イギリスはオスマン帝国崩壊後にはアラブ諸国の独立を約束していた。一方、フランスとはアラブ諸国の植民地化で段取りを進めていた。さらに、ユダヤ人にはパレスチナにイスラエル建国を約束していた。

 いわゆるイギリスの3枚舌外交と言われるものである。これが後の中東の混迷に繋がって行ったのは誰が見ても明らかであるに違いない。第一次世界大戦後、パレスチナにユダヤ人が入植して問題が徐々に露呈していく。

 そして、欧米の力を背景にして1948年にイスラエルは建国された。しかも翌年には早くも国連に加盟するという手際の良さであった。そこに住んでいたパレスチナ人は、長く住み慣れた地から遠くに追いやられていた。

 イスラエル建国には、当然資金が莫大に必要だった。それを支援したのが、当時の欧州の金融王ロスチャイルド財閥であった。ロスチャイルドは言うまでもなくユダヤ系である。現在ではグローバルな金融王となっている。

 そしてイスラエル建国以降、中東の地では紛争が止む事無く続いている。

<中東戦争>
 ユダヤ人国家イスラエルと周辺アラブ国家との間での戦争である。1948年から1973年までの間に大規模な戦争が4度起こっており、それぞれが第一次から第四次に分類されている。アメリカ・イギリス・フランスがイスラエルに、ソ連がアラブ側に対して支援や武器供給を行っていることから、代理戦争の側面も含んでいる。

 パリの無差別テロは、どんなに非難してもし過ぎではない非道な行いであるが、実は同じ様なことがかつてパレスチナでも起きていた。

<ヘブロンの虐殺事件>
 1994年2月25日、イスラエルが不法に占拠していた都市ヘブロンで、パレスチナ人が”ラマダン”の最中の礼拝をしていたときだった。礼拝をしているパレスチナ人の背後から、入植してきたユダヤ人が銃を乱射して200人以上が死傷している。

 銃を乱射した犯人のユダヤ人は、なんと医師であった。人を助けるはずの医師が無抵抗のパレスチナ人を多数殺害した。ちなみに、この事件のあと犯人はユダヤ人入植者によって殉教者にまつりあげられたとか。

 中東の混迷はこの先どうなるか、誰にも先のことは判らないに違いない。なにしろ、アメリカの思惑はことごとく外れているし、介入すればするほどに混迷を深める結果となっている。もしかしたら、それが狙いなのかもしれないが…。

追記:パリの同時多発テロ事件で犠牲になった人々の冥福をお祈り致します。

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