■社会|地域活性化のキャラクターが萌えキャラってのはどうなの?

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萌えキャラしか思いつかないのは想像力の欠如だ

ある地方都市のキャラクターに非難、あえなく撤去に!

 岐阜県美濃加茂市が地域活性化のために作ったポスターが賛否を呼んでいるそうである。そのポスターには女性が胸元を大きく開けたいわゆる萌えキャラが使われていた。

 何故、そのような萌えキャラにしたのか、想像するに地域活性化の話題づくりとして流行ってるからという理由だと思われる。

 だいたい行政というのは前例踏襲の傾向が強いから、他の都市でそれが受けたと訊けばうちでもやるかとなるに違いない。他とは違うことをやろうという意識や価値観が希薄としか思えないのは当方だけではないだろう。

 地方都市が地域活性化やイベントなどで萌えキャラを売りにする傾向が、いつのまにか浸透してしまったのはどうしてだろうか。

いわゆる萌えキャライラストを用いなければ町おこしができないのでしょうか?

 2016年、伊勢志摩サミットが開催されることになっています。その開催地である都市のPRに海女の萌えキャラを公認したことで実際の海女をやっている女性のみなさんをはじめ、「女性蔑視」などとして撤回を求めた数百人の署名を提出しようという動きがあります。

 地方都市の行政がなんとか地域を盛り上げようとしているのは判りますが、それがなんで萌えキャラでなくてはならないのか。それが実は不思議です。

 そんなに若い人は萌えキャラが好きなんでしょうか、と思わずにはいられません。いま巷で受けてるらしいからという理由だけでそれを採用していいのか疑問です。地方都市には長期的な視点というものがないのでしょうか?。

 どんな特性のある地域に育てるかというビジョンがないとしか思えない。

 もしビジョンがあるのなら、簡単に萌えキャラでアピールする必要はないと思いますが、いかに。とにかく、地方行政に決定的に欠けているのは想像力(または創造力)であるといっても差し支えないと思います。

 ここでのビジョンの意味は、将来のあるべき姿を描いているかということです。一言でいえば未来の構想(ここに想像力が必要)があるかないかである。その過程で果たして萌えキャラが必要か?はなはだ疑問に感じざるを得ません。

胸がもう少し…岐阜・美濃加茂市観光協会“巨乳ポスター”謝罪(スポニチ)

萌えキャラには、甘い罠が仕掛けられている?

 萌えキャラを悪いというつもりは毛頭ない。ただし、その使用方法や場所を考慮しないと目的とは違った結果になることが懸念される。何故そのようなことが言えるかといえば、何を隠そう当方も萌えキャラに少なからず関係していたからだ。

 萌えキャラはいつ頃から注目されるようになったか。それは正確には知らないが、当方がそれに気が付いたのは90年代の半ば頃である。その頃、秋葉原はかつての電気街という面影からオタクの聖地に変わり始めていた。そして、萌えキャラのトレーディングカードの人気が高くやたらと売れていた。

 それも箱買いである。普通トレーディングカードは一袋単位で売っている。それをパッケージ箱に入っている状態で買う顧客が実に多かった。価格は、たしか6〜7千円はしていた。当時の家庭用ゲームソフトと変わらない価格である。

 当方はその頃、業界の老舗アニメイトや新興のブロッコリーなどと取引をし始めた。ブロッコリーなどは、まだ池袋に直営1店舗しかなかったが、当時の社長のパワーは全開状態で明日にでも上場する勢いを呈していた。

 当方などは、それを受け流していたがなんと言葉どおりに後に上場を果たした。それには”恐るべし萌えキャラ”というしかなかった。

 そんな状況のなかで当方は、ブロッコリーとコラボして新規出店したり、また自社(当方が当時在籍した会社)キャラのテーマストアも開発し出店していた。その結果は「時代は萌えキャラにあり」とまで錯覚するぐらいのものがあった。

 もうびっくりするしかなかったというのが正直な感想であった。

 しかし、一方では不安が過っていた。経営幹部は収益しか興味が無かったし、本来の目的や目標というものがおざなりにされていた。企業にはビジョンがあるが、実は案外それよりも優先されるものがある。それは当然のように利益である。

 当事者が言うべきものではないと思うが、収益性のある事業を開発しろと言われて辿り着いたのが”萌えキャラ”だったといえる。なにしろ好きでもなく、本当にやりたかった訳でもなかった。しかし、結果は出た。

 結果よければすべて良しか?、それには疑問が残った。

萌えキャラには弊害がある?それは生物の外来種のごとくである

 萌えキャラはたしかに侮れないものがあり、需要もある。しかし、その扱い方を間違うととんでもない方向に向かっていく。それを前述したような経験で実体験しました。当方の場合でいえば、本来は自社の保有資産を活かしつつ、既存事業との相乗効果を上げる新しい取り組みをつくることにありました。

 保有資産とは、人材、版権、開発力、店舗などであり、それから当然のごとくビジョンの達成に通じることもです。

 ところが、萌えキャラは力があり過ぎて他を圧倒してしまいます。そんな強い磁力に引き寄せられて特定の人は集まりますが、ごく普通の一般人を遠ざける効能も発揮します。これを例えるならば、日本固有の生物が外来種に駆逐されていく様子に似ています。

 おなじことを地方に置き換えれば、地域固有の文化などあっという間に駆逐するほどです。なにしろ生命力が半端無く強い外来種とおなじですから…。

 地方の活性化というならば、本来は地域性を考慮すべきと思われます。外来種に乗っ取られて固有の文化を失っては本末転倒です。もっと地域の根っこの部分を掘り起こし育成することを行政は本気で行うべきではないかと考えます。

 とにかく萌えキャラには、強烈な力がある故に簡単に手をだすべきではない。とくに行政がそれをすべきとは到底思えません。萌えキャラは行政がコントロールできるほど甘いものではないと考えた方が地域のためです。

<備考>
・アニメイト/アニメ、漫画、ゲームなどに関する書籍、キャラクターの専門チェーン店。業界の先駆的存在であり老舗といえる。
・ブロッコリー/業界に旋風を起こした90年代を代表するオタク系専門店及びトレカの企画販売会社。アニメイトをお手本としていた。

追記:当時のブロッコリーの社長は、いまではブシロードを経営している。業種は以前とおなじくトレーディング・カードである。最近ではプロレスの経営もしている。元・山一証券マンである。

 なお、当時のお客様には至らない点が多々あったことをこの場をお借りしてお詫びいたします。また来店して頂いたお客様には感謝しております。

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