■デザイン|五輪エンブレム盗作問題 審査委員がその内情を暴露する

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デザインの選考過程に異議を唱えていた審査委員がいた!

疑惑のデザイン界にもまだ良心が残されていたようだ

 五輪エンブレム盗作疑惑を、デザイン関係者はもう忘れてほしいと願っているに違いない。その実態はうやむやのままにされて、デザイン関係者の思惑通りに進むかと思われていた。しかし、当時の審査委員のなかに勇気のある人がいた。

 それが平野敬子氏である。彼女は、当時の選考過程に不可解な部分が多々あったことを自身のブログで告発した。なお、当時の審査委員は以下のとおり。

<2020五輪エンブレムの旧・審査委員>
永井一正(日本グラフィックデザイナー協会特別顧問)
浅葉克己(同上協会会長)
細谷巖(アートディレクター/グラフィックデザイナー)
高崎卓馬(クリエィティブディレクター)
平野敬子(デザイナー /ビジョナー)
片山正通(インテリアデザイナー)
真鍋大度(メディアアーティスト/デザイナー)
長嶋りかこ(グラフィックデザイナー)

平野敬子氏のプロフィール
デザイナー/ビジョナー、コミュニケーションデザイン研究所所長

1959年兵庫県生まれ。1997年 HIRANO STUDIO設立。2005年に工藤青石とともにコミュニケーションデザイン研究所(CDL)を設立。仕事の実績として、東京国立近代美術館のシンボルマーク、ロゴタイプ、VI計画。資生堂のブランドqiora(キオラ)の米国導入に於けるVI計画、広告、website等トータル・アートディレクション。その他多数。(参考/オフィシャルサイト)

HIRANO KEIKO’S OFFICIAL BLOG(こちらで内情を報告しています)

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コミュニケーションデザイン研究所 平野啓子 工藤青石

 当サイトでは、以前に審査委員たちは総意でパクリデザインを選定し、問題発覚後は揃って沈黙しているとした内容を掲載した記憶があります。しかし、平野氏はただひとり、選定の経緯が不可解として反対したそうである。

 知らなかったとはいえ、大変失礼いたしました。

 平野氏の勇気ある告発報告には頭が下がる想いであります。その反面では、業界の重鎮たちを敵に回して大丈夫か?という想いもいたします。なにしろ、デザイン業界は、大手代理店などとは一蓮托生の関係にあります。それを考慮すると、これからの仕事にも影響があるかもしれません。

 それでもなお、不審、不可解な審査過程の内情を告発?した平野氏には、敬意を表します。これからも真摯な姿勢をもって才能を発揮されることを願います。

平野啓子氏による審査過程の内情告発/概略

 平野氏のブログ内容は転載不可のため、リンク先サイトより概略のみ以下の様に転載いたします。

1)公募期間は不自然に短かった。ライバルを減らす策略か。
 エンブレムの公募期間は2014年9月12日~ 11月11日の約2ヶ月間となっており、また、申し込み後に応募の詳細が届くという形式だったため、制作にあてられる時間は実質1ヶ月しかなかった。利権を握った審査委員が息のかかったデザイナーを当選させるために故意に応募を難しくしたのではないかと疑われる。

2)電通の高崎卓馬氏から「今回の審査では展開性を重視して選ぶように」と謎の指示があった。
 展開性とは応用性のことで、通常のデザイン業界で用いられる言葉ではない。平野敬子さんはその審査ポイントに違和感を感じ、「純粋にロゴの評価で選んだ後に、そのエンブレムの形をどう応用するかは後から考えればいいのではないか」と意見したが、受け入れてもらえなかった。今になって思えば、佐野研二郎氏の「T」のマークのシンプルなデザインを選ばせるための誘導だったのではないか。

3)招待作家(特別シード枠)の存在について隠されていた。
 永井一正氏と高崎卓馬氏は審査委員には内緒で一部のデザイナーを招待作家として応募させていた。後に週刊誌の報道でシード枠があったことを知った平野敬子さんは当然これを不公平だと感じた。「そういえば、緊迫した雰囲気が流れる審査時に『これは招待作家の作品なのに残さなくていいのか』という言葉を聞いたことを思い出した。あの時は聞き流したが、今になって思えばそういうことだったのか」。

4)東京アートディレクターズクラブ(ADC)では談合が横行している。
 ADCで審査員を務める平野敬子さんは、一部の審査員が何度も談合していると告発する。受賞作品を見ていくと一部の会社、関連会社が何度も受賞しており、1万点近い応募作品から10点のみが選ばれるのに、こんな事態は天文学的な確率だと指摘。表向きは公平中立を謳っておきながら、実態は利権とコネのオンパレードで審査員をするのも嫌になってきたとのこと。

5)平野敬子さんは佐野研二郎氏のエンブレム修正案に反対したのに組織委員会は記者会見で虚偽の報告を行った。
 武藤敏郎氏、槙英俊氏、審査委員代表の永井一正氏の3名が行った会見では、最終選考で一部の審査員(平野敬子さん)が反対していたのは些細な点にこだわったからと説明された。しかし、実際には「選考で選んだデザインと全く違うものになっているので承諾できない。デザインに対する冒涜。延期してでも審査をやり直すべき」とまで言い切り、強硬に反対していた。組織委員会としては佐野研二郎氏の案は満場一致で決まったと演出したかったのではないか。また、佐野研二郎氏が当選すると裏で多額のキックバックを受け取れるのでどうしても佐野案で強硬突破したかったはずだ。

6)突然、審査の過程を永久に口外しないよう秘密保持誓約書にサインするよう求められた
 不公平な審査が行われているとリークされるとまずいからであろう。組織委員会は審査員のメンバーに対して書面を送りつけ、「誓約書にサインしなければ審査には参加できない。もし情報を漏らせば損害賠償請求を行う」と脅してきた。結局、平野敬子さんは抵抗し続け、組織委員会が折れて、サインしないまま審査することになった。

http://netgeek.biz/archives/62151

 なお、平野氏のブログでは、これまで23回(直近12/22)にわたって書かれています。それを拝見すると、平野氏にはかなりの憤りがあったことが伺えます。

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 デザイン業界は、なぜここまで腐ったかと思わざるをえません。なにしろ、この不始末を是正する動きもなく、ただ忘れられることを前提に押し黙っています。それは、これまでの慣習に基づく利権を温存していきたいからと思われます。

 一般民間人や、業界中枢と関係のない多くのデザイナー氏たちをばかにしているし、舐めた行為だといえるでしょう。

 若いデザイナー氏たちは、これをどう思うか?、建築家は新国立で多様な意見を戦わせていた。それに対し、グラフィックやその他デザイン業界はどう動くのか。いまのところ、とくに変化がないようですがいかに。

 若いデザイナー氏たちが、旧体制の大御所達を除いて新しい組織、団体を創設し、不適切な過去との清算を試みてもおかしくはないと考えます。とにかく、自浄能力のない組織や団体に何も期待できることはない。一部の利権者に上納金を収めるシステムの会費集めの団体でしかないと思います。

 最期にひと言、平野啓子氏の今後の活躍を祈ります!。

冒頭写真:資生堂ブランドqiora(キオラ)デザイン:平野啓子

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