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■アート|現代アートの状況 ギャラリスト、アニメ画アートについて

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ギャラリストが話題らしい?ディーラーとの違いは…

アメリカは好景気でアート市場も活況にあるとか

 アートの世界では、コレクターの存在が欠かせない。それなくしてはアートの存在自体が危うくなる。古今東西、そのコレクター、または擁護者は変化してきた。かつては、王族や貴族という特権階級であったが、いまではリッチマンがそれに変わってコレクターの上位を占めている。

 ところで、最近では現代アート市場の鍵を握っているのは、”ギャラリスト”であるといわれているとか。いったいギャラリストてのは何だ?…。
その意味は以下のとおりだそうである。

ギャラリストとはーー
 「アートギャラリーを所有する者、もしくは、潜在的な購買者を惹きつけるために、ギャラリーや他の場所でアーティストの作品を展示し、販売促進する者」。

 アートの世界では少し前に、”キュレーター”というアートのアテンダント(案内者)が注目されたと思ったが、それはもう古いのか?。そういえば、ウェブの世界でたいした理由も無く、キュレーターを乱発したせいで手垢がつき過ぎたか。

 それはさておき、ギャラリストとは、上記した意味を踏まえると単にアートの知識だけでなく、自らも資産を有しているのが判る。キュレーターと大きく違うのがその点である。かれらは、自らの資産(または投資)をもって集めたアートを展示し販売を促し、市場を形成することでさらに資産を大きく膨らませていく。

 したがって、ギャラリストのやっていることは、金融とおなじく経済行為そのものと言っても過言ではない。それが、現在の現代アートそのものを表している。

ウォーホル人種暴動

 現代アートが、アメリカを拠点としたのはそういう理由があった。アート=経済行為という図式は、嫌が応も無く公然たる事実である。先頃、アンディ・ウォーホルの「人種暴動」という作品が、64億円で落札されたそうである。

 この64億円という価格に至るまでに、どれだけの差益があったか気になるところである。ギャラリストは、仲間うちで作品の売り買いをして価格を高くしていくマッチポンプをしていると噂される。古くからある手であるが、ある意味では現代アート市場はギャラリストのやりたい放題となっている。

 とにかく、それもこれも、アメリカが好況にあることが背景と思われるが。


Leo & Ileana: Legendary Art Dealers

 1945年以降、現代アートはパリからアメリカに拠点を移した。そのなかで輝かしい成果をあげたのが、現代アート界の「帝王」と呼ばれたレオ・カステリであった。20世紀後半の現代アート=カステリの支配と言っても過言ではない。

 かれは、ニューヨークを拠点に画廊を経営し、現代アートの最先端である、抽象表現主義、ポップアート、ミニマリズム、コンセプチュアルアート、そしてニューペインティングの作家たちを世に送り続けた。

 前述したアンディ・ウォーホルを発掘し、売り出したのもカステリであった。その他多くの現代アート作家がかれのもとから巣立っていった。

 カステリは、現代アートが高値で取引されることに多大な貢献を果たした。しかし、現在の状況に比べると、まだロマンがあったと思われる。

 何故なら、カステリには現代アートに対する愛情が感じられるからである。
それは錯覚かもしれないが、現在の現代アート=金融的な経済行為とはだいぶ異なっていたのは間違いないと思われる。

 一方、現在の現代美術の帝王”ギャラリスト”はどんなことをしているか?、それは以下に詳しくあります、ご参照ください。

スーパーギャラリスト:ラリー・ガゴシアンの栄光と闇(ニューズウィーク) 

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ガゴシアン・ギャラリー/作家Andy Warhol
冒頭写真もおなじく/作家Andreas Gursky

現代アートにアニメ画って、どうなのか?


Anime Expressionist Painting Kaikai Kiki

村上隆主催のカイカイキキの作家達はアニメ画ばかり

 最近、久しぶりに絵でも描こうかと思って、描くための材料を探していた。要するに画材であるが、しかし最近はなんでもコンピュータ化されていて、やはりペイントソフトがあると便利と判った。

 アドビのイラストレーターが有名であるがコスト高である、そこで”ペイントプロ”というのを候補にした。なんでも、元は漫画を描くためのソフトだったらしい。線画で描く分には十分なソフトであり、しかも価格が安い。ダウンロードなら5千円だし、ワコムのタブレットを購入しても2万数千円で収まる。

 そこでメーカーのサイトにあった参考作品をどんなもんかと覗いてみた。そうしたところ、案の定アニメ画のオンパレードであった。それは無理も無いか?、なんせ元が漫画作成のためのソフトだから…。

 しかし、それらの作者の肩書きは、ほとんどがイラストレーターになっていた。いまどきのイラストはアニメ画ばかりなのか?と疑問符が浮かんだ。

 どこにそんなに需要あるのか?と思ったのは門外漢の成せる技か。他のイラストに関するサイトなどを見てもアニメ画ばかりであった。いまどきのイラストレーター志望者は、要するにアニメ画が描きたいらしい。

 ちなみに当方は、アニメ画は描きたく無い。いや描けないといった方が正確か。どうでもいいが、どれも似たりよったりなのが気に掛かかった。

 そんなことを考えていたところ、YouTubeで現代アート作家の村上隆氏が主催する「カイカイキキ」というアート集団?の映像に遭遇しました。ギャラリストを検索したところ、そのなかにあったのであった。そういえば、村上氏はギャラリーを経営していたはずである。

 その映像で紹介されていたアーティストは、村上氏が支援している人達のようである。そして、その作品の多くがアニメ画をモチーフとしていた。2メートルを超すような大きな画面にアニメ画風のキャラが全面に描かれている。

 おおむねその様な画風が見て取れた。しかも、そのどれもが似ているとしか言い様が無い。しかし、それは知識不足なのかもしれない。なんせ、アートだし、きっと当方の理解が及ばない何かがあるのかもしれない。

 村上氏は何を考えているか?。もしかしたら、アニメPOPとでも言うべきアートシーンを創出しようとしているか。現代アートの世界では、ある程度似た作品が多く出回る事で認知が広がるらしい。例えば、ポップアートでもおなじく、おなじ様なティストが繰り返されることで様式が定着する傾向にある。

 それを考えると、村上氏は世界に向けてアニメ画を発信し、それをアートに昇華しようと企んでいる、と思われるが…いかに。

 ちなみに当方は、いまのところ興味はないに等しい。あしからず。


ペイントプロによる描き方映像

 うまいとは思うが、描いている内容に興味なし。残念ながら!

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