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■デザイン|やがてデザインは、AI(人工知能)にとって変わられる

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デザインに、未来の道筋はあるか?

白紙となった五輪エンブレム、審査時に不適切な行為が暴露される

 いやはやである、もはや忘れかけていた人も多いと思われる白紙撤回された五輪エンブレムの審査過程で不適切な投票行為が行われたことが発覚した。しかも、その行為は、審査の事実上の責任者ともいうべき人物によって行われていた。

 事実上の責任者は、業界のトップに位置しており一般のデザイナーにとっては雲の上のような存在である。本来なら、業界の未来を見据えて長いスパンでデザインのあり方、課題などを問題提起し、解決する道筋を示していく立場にある。

 それがある意味では、縁故主義、業界の持ち回り主義、そして利権主義を自ら主導してどうするか?と思わざるをえない。これでは建築業界の談合とおなじではないか、どこか違うところがあるかと言いたい。デザイン業界の中枢は、目の前の利権しか考えていないと言われても仕方が無いだろうと思う。

白紙撤回の五輪エンブレム選考過程で「不適切な投票」(yahooニュース)

2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会は18日、佐野研二郎氏がデザインし、9月に白紙撤回した旧エンブレムの選考過程で、「1次審査で、(公募コンペに)事前に参加を要請した8人のうち2人に対して不適切な投票があった」などとする外部有識者の調査結果を公表した。

報告書では、審査委員代表だった永井一正氏は、組織委マーケティング局長だった槙英俊氏と、組織委クリエイティブ・ディレクターで審査委員を兼ねた高崎卓馬氏に、8人全員が2次審査へ進むよう事前に要望。

1次は審査委員(8人)が104作品に対して1人1票、最大20作品に投票し、2票以上を得た作品が2次に進む仕組みだった。

8人の作品を把握していたディレクターはうち2人の作品は1票しかないことを永井氏に耳打ちし、該当作品を指して教え、永井氏が2作品に投票した。報告書は「マーケティング局長やディレクターが、秘密裏に審査委員代表に追加投票させた行為はいわば隠れシード。明らかな不正」と認定した。

 おいおい、業界トップが自ら根回ししていたとは驚きである。もはや、そういう行いが不適切であり、談合であるという認識が麻痺していたというしかない。想像するに、これまでのデザイン賞の審査でも似た様なことが行われてきており、それが慣習となっていたに違いないと思われる。

 それはデザイン業界の不文律の掟であり、当たり前になっていたと推測できるだろう。似たようなことはあらゆる業界で行われているし、デザイン業界ばかりが特殊という訳ではないと思われる。しかし、当方などは実にがっかりしている。何故なら、デザイン業界にかつて身を置いていた時期があるからだ。

 当時は、今回の当事者である大御所先生の作品などを尊敬の念で見ていた。そして、デザイン業界は他とは違って清廉性があると勝手に思っていた程である。それは、単なる自分勝手な思い込みではあったが、今回の様に明らかにされると相思相愛の彼女に浮気されたと同じくらいショックである。

 サッカーの世界を牛耳るFIFAの会長および幹部に不正が指摘されたが、デザイン業界もおなじ構造にあるようだ。デザイン中枢の近くにいれば、おいしい仕事があてがわれてくる、そんな仕掛けがあることが想像される。

 中国共産党政権による収賄の跋扈や縁故主義などを時代遅れと笑うことはできない。日本も似たりよったりのことがずーと続いていたからである。それはさておきデザイン業界(グラフィックデザイン)の問題は、五輪エンブレム白紙撤回後、なんら改善する施策を提示していないことにある。

 むしろ、問題をスルーしようとしている。違うか。業界団体幹部の入れ替えとか、問題に対するデザインの新しい指針とか出したのか?、あまり話題にもなっていないがいかに。(対応しているとすれば、当方の知識不足です)

 審査員であった有名?デザイナーたちも口をつぐんで語ろうともしない。どうやら、みんなで渡れば怖く無いという意見で統一したか?、と思うしかない。

 このような現状を省みると、もはやデザインの未来はAI(人工知能)にでも託した方がいいかもしれないと思ってくる。金ばかり取るデザイン界中枢の有名デザイナーなんて、もういらない。どうせ、たいしたデザインでもないくせに、偉そうにアーティストきどりなんてクソ食らえである。いや失礼、言い過ぎました。

パクリデザインなら、AI(人工知能)にまかせろ!

 とにかく、デザインの未来を考えて長いスパンで物事を判断できる、そんな業界の主導者はいないのだろうかと思います。

 デザインの作業がコンピュータを中心に行われるようになって約20年ほど経過しました。しかし、どれだけデザインが進歩したか、または深化したか疑問です。それは、業界をリードすべき人たちにあったと言わざるをえない。

 コンピュータがデザインにもたらしたのは、ある意味では簡単便利に、しかも効率的にパクリができるシステムと言い換えることができます。それが証拠にパクリ五輪エンブレムは、それを最大限に発揮したデザインでした。

 白紙撤回の五輪エンブレムのデザイン過程を想像すると、次のようになります。

<パクリデザインの制作過程>
・テーマを決める(なんとなく?)
・とにかく資料を収集する(デザイン関係の書籍、ウエブ等から)
・スクリーニング(集めた資料を一定の条件で選別)
・選定された材料に基づいた素案づくり(おおまかな構成など)
・ラフ案からさらに絞り込んで最終デザインの制作
・出来上がったデザインのバリエーション(色、微妙なレイアウト替え)
・最終デザインの選択、完成!

 上記はあくまで想像ですが、これを参考にするとAI(人工知能)が進化すると簡単にできてしまうような気がします。情報をストックし整理するのは得意ですし、一定のカテゴリーに分けて選出することもできるでしょう。そして、それらを幾通りにも組み合わせることもできるはずです。

 とすれば、パクリデザインならAIの方がずーと優れていると考えられます。しかも、アーティストきどりの有名デザイナーのように大金を払わなくても済むかもしれません。(代理店が絡むとそうとばかりはいきませんが)

 さらに、AIの機能が高くなればきっと創造の領域まで踏み込んでいくでしょう。そうなれば、もはや人間のデザイナーの出る幕はないかもしれない。AIに指示を出すごく限られたディレクターか、プログラマーがいれば用が足りるはずです。

 現在のデザイン中枢にいる人達は、ごく狭い範囲でおいしい仕事を分けあっていると想像されます。(憶測であるが)それはデザインの未来が、やがてAIにとって変わられることを予想しているからではないか。だから、現世利益を求めてせっせと身内周りで利益供与をしている、などと想像いたします。

 うがった見方であるのは百も承知ですが、そんな想いが過る昨今です。なお、当方の考えは、当たるも、当たらぬも八卦とおなじである。ご了承ください。

追記:上記内容のなかで一部不適切な文言があったかもしれません。しかし、現時点でそれを削除、または訂正する気はありません。もし、不適切だと思われた場合、ご連絡いただければ対処いたします。

 また、この様なことを書くのは、お前が一流になれなかった妬みだろうと言う方もいると思われます。そう言われる前に断言しておきます。はい、その通りです。いやはや。

デザインの未来考古学
どんなに技術が発達し、人々の生活が変わろうとも、優れたデザインの遺伝子は未来を触発し続ける。こうしたデザインの魅力を再発見し、21世紀へとつなぐ手掛かりをつめた、人とモノとの愛の関係書。
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