■音楽|甘ーくて切ない、そんなJAZZはいかがですか!

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実は意外と侮れないスウィートなJAZZがある

Show Me The Way…JazzMasters

 Show Me… Show Me…と甘ーい女性ボーカルの歌声が心を溶かすようです。それは、疲れた心とからだを真綿で包み込むようなやさしさに満ちています。どこまでも甘ーく、そして切ない、そんな調べに身を任せていると、いつもの空間が見違えるように洗われてくるようです。たぶん、それは気のせいですが…。

 JAZZに詳しい訳では無いが、それでもCDは持っています。だいたい本格的(JAZZの本格って何?)なものは無くて、何れもPOPやエレクトリックよりのものが多くなっています。そのなかで、異端なのが冒頭に掲載した「JazzMasters」の、甘ーくて食傷気味になるぐらいスウィートな調べに満ち溢れたJAZZです。

 大概、JAZZといえば、甘ーい(スウィート)というよりは、苦ーい(ビター)ほうが似合う音楽であると思います。ところが、JAZZは案外と広い視野角のある音楽である。甘ーいとしかいえないJAZZもある。

「Show Me The Way」をはじめて聴いたときは、ファミリーレストランの店内音楽のようだと思いました。しかし、なんだか耳に残ってしまい、CDを購入した記憶があります。それ以来、ある時期にはヘビーローテーションで、そして食傷しては遠ざかり、しばらくするとまた聴いている、ということを繰り返しています。

 実はこの曲のタイトルが判るまでには、かなり時間を要しました。どこかのお店で流れていたはずですが、それがどこかは記憶にありません。とにかく、耳に残っていたので気に掛かかっていました。

 タワーレコードに行って訊いてみるかと思いましたが、それは止めました。何故なら、メロディーを口ずさんで伝える自信がなかったからです。それに、人前で口ずさむのが恥ずかしいと想ったからでした。

 タワーレコードのスタッフなら、朧げなメロディーを伝えるだけでも、きっと教えてくれたはずです。以前、映画「欲望の翼」のなかで流れていた音楽を探していたとき(ネットが普及する前)、映画のタイトルを伝えただけで、即答で教えてくれたのです。さすがだなーと感嘆した記憶があります。

 そんな訳で、仕方なくネットで地味に調べていきました。「甘ーいジャズ」「POPなジャズ」とか、いろいろ検索して「スムースジャズ」に辿り着き、そして近い音楽としてポール・ハードキャッスルを知りました。

 このポールさんが、別グループとして活動してるのが、「ジャズマスターズ」ということも判りました。そこからは、YouTubeにあるリストを順番に聴いてみました。そして、見事に「Show Me The Way」に辿りついた次第です。やれやれでした。

 とにかく、この曲が甘ーいのは聴いてみると判ります。甘いデザートなど、今風にいえばスウィーツを食べ過ぎると、しばらくは食傷気味になるのと同じ効果や効能を発揮する音楽と言っても過言ではない。(失礼ながら)ちなみに、女性は食べ過ぎても、甘い物は別腹だから大丈夫と思いますが…いかに。

 しかし、侮れないことに、実は甘ーいだけでなく密かに隠されたものがあります。それは哀愁が漂う”切なさ”というものです。その切なさは隠し味としてトッピングされて、それ故に、単に甘ーいだけでなく、何故か跡を引くような音楽となっています。さすがJAZZなんて思うのは、違うでしょうか。

「切ない」=胸がぎゅっと締め付けられるような気持ちになることをいう。
「哀愁」=もの悲しい感じ。

 哀愁に満ちた切ない気持ちは、”Show Me The Way”という言葉として繰り替えされています。そして、「何故なの」「どーしたらいいの」という揺れる想いを、これでもかとしつこく伝えてきます。もう判ったからと想っても、それは耳にこびり付いて離れません。だから、ときには食傷して遠ざかるのです。
 
Show Me The Way To Your Haert
Show Me The Way Show Me The Way…

わたしにおしえて、あなたの心へ(訳は確かではない)
わたしにおしえて、わたしにおしえて…

Show Me The Way=案内して、おしえて、見せてなど。
To Your Haert=あなたの心へ
直訳では、「あなたの心への道を教えてください」となります。

 ちなみに、このような音楽を「スムースジャズ」というらしいです。

スムーズジャズ、またはスムースジャズ (smooth jazz) とは
 1980年代にアメリカのラジオ局が使い始めたジャズのスタイルの一つ。フュージョン、ポップ・ジャズの流れから派生したスタイルである。フュージョンにR&Bのテイストを混ぜたものが多い。

 聴き心地が良いことから、テレビやラジオのBGMとして使用されることも多い。このことから、イージーリスニングの発展系でもあるともいわれる。

Jazzmasters 2
Jazzmasters 2

And I Love Her…Gary McFarland

 これは言うまでもなく、ビートルズの名曲です。それをアレンジして、じつにまったりとした、または気怠い雰囲気が漂う曲となっています。あまりにまったりとしてるので、はじめて聴いたときは好みではないと思いました。しかし、何故か耳に微かに残されていて、しばらくしてから再び聴いてみました。

 今度は、あれれ、意外といいかも!と違った印象を持ちました。何故、そう感じたかは、よく判りませんが。想像するに「Show Me The Way」のときとおなじく、哀愁と切なさが感じられるメロディーとリズムのせいかもしれません。いまでは、そのしっとりとした曲の雰囲気が心に染み渡るかのように感じます。

 最初の拒否感は、一体何処へという具合の有様となっています。

 この曲を(ビートルズではなく)を知ったのは、「幻の黄金時代/オンリーイエスタディ’80s」という本を読んだことにあります。

 その本のなかで、著者は1980年12月8日にジョン・レノンが銃弾に倒れたあと、行きつけのJAZZ喫茶「ピーターキャット」で、ゲイリー・マクファーランドの「And I Love Her」をリクエストした、というエピソードが出てきます。

 その行きつけのJAZZ喫茶は、なんと作家の村上春樹氏(79年群像新人賞)が、当時千駄ヶ谷で経営していたお店だったとか。著者は、常連でも当時の村上氏と会話することはなく、お店では普段リクエストも受け付けていなかった。しかし、このとき村上氏は心憎いまでの対応をしている。

 著者のリクエスト曲に対して、村上氏はーー

「あ、それはないんです」と答えた。そして、著者は「じゃーいいです」と言って席に戻ったあとに、サラ・ボーンの「Hey Jude」が流れてきたそうです。村上氏は「And I Love Her」の変わりにと気を利かせたようです。ちなみに、「Hey Jude」は、失意にある人を励ますメッセージの歌です。

 村上氏が、ジョン・レノンの死に対し、失意を感じている著者を励まそうと考えたとしたら、さすがというしかありません。

幻の黄金時代 オンリーイエスタデイ’80s
幻の黄金時代 オンリーイエスタデイ'80s

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