パスワードは一万年愛す。タイムレスなスタイルは、過去も未来も時を超えてゆく!

■デザイン|2020東京五輪エンブレム 最終候補4案が公表される

この記事は約5分で読めます。

160323_決定案_修正

そのデザインは、良いのか!悪いのか?それが問題だ

この話題は、もはや新鮮味に欠けるのは何故か?

 思い起こせば去年(2015年)の真夏のことである。五輪エンブレムに決まったデザインにパクリ騒動が巻き起こり、それを追求する火の手は頂点にまで達した。その勢いがあまりに強かったので、ついにそのデザインは撤回に追い込まれた。それは前代未聞の出来事だったと言っていいだろう。

 これはオリンピックの歴史に「真夏の出来事」として、後世に伝えられていくかもしれない。それは定かではないが…。

 とにかく、そのときの盛り上がりがあまりに凄かったので、その後の経過のことなどすっかり忘れていた人も多いに違いない。そして、前回のデザインが撤回された後、一般公募された新デザインがようやく最終選考まできたようである。

 公表された最終候補4案は、以下のとおり(冒頭含む)です。このデザインから選ぶしかないようだが、それで良いのか、悪いのか、それが問題である。何故なら、前回のデザイン選考のいいかげんさが、いまだ検証されていないからだ。

 たぶん、このまま誰も責任はとらずにうやむやに済まされるのだろう。それが、いつもの日本の常識であるのは間違いない。

 それはさておき、2020東京オリンピックは、一般世間のあいだで盛り上がっているのだろうか。あくまで個人的見解であるが、あまり盛り上がっているとは思えない。オリンピックのメイン会場となる新国立競技場の選考過程や、その後の利権まみれの費用高騰などを知るにあたり、もううんざりした人も多いはずだ。

 しかし、オリンピックの歴史を顧みれば、それも宜なるかなであるのが判る。元々は、クーベルタンという貴族が発案したものといわれる。それは、貴族をはじめとした特権階級が楽しむためのものだった。大昔でいえば、自分の所有する奴隷を戦わせて暇つぶしをしたのと一緒である。

 それから、時を経て一般人に開放されて祭典となったが、その背後にいるのはあくまで特権階級のそれである。だから、いまさら利権云々など言っても後の祭りであるに違いない。その証拠に、2016年に行われるブラジルでは、あからさまな収賄により、莫大な金額が一部の特権階級に流れたといわれる。

 サッカーの収賄疑惑があきらかになったが、オリンピックでは、それ以前から行われていたのは間違いない。その構造はまったく一緒である。

 五輪エンブレムのデザインとは直接関係ないことであるが、最近あまりに目の余る収賄疑惑に、余計とは思いながらもつい書いてしまいました。また、別の機会にオリンピックについて書いてみたいと思います。あしからず。

2020東京五輪/エンブレム最終候補作品

最終候補作品は、以下の4作品となっている。一般の意見を参考に最終デザインが決定されるそうです。詳しくは以下を参照ください。
意見募集期間:2016年4月8日~4月17日※はがきの場合は4月17日必着
詳細:最終候補作品に関する意見募集(組織委員会)

Print
A案:組市松紋(くみいちまつもん)
歴史的に世界中で愛され、日本では江戸時代に「市松模様(いちまつもよう)」として広まったチェッカーデザインを、日本の伝統色である藍色で、粋な日本らしさを描いた。

<感想>
 僭越ながら勝手なことを言わせてもらえば、なんだか冬期オリンピックを思い起こします。真夏のオリンピック(2020東京では)にしては、何だかそぐわない気がします。それは常識的、既製概念的かもしれませんが。

 また、日本的な粋を表現しているらしいですが、ちっともそんな風に思えないのは当方だけでしょうか。バランス(安定感)がいまいちのように思います、したがってなんとなく不安を感じさせます。

160323_決定案_修正
B案:つなぐ輪、広がる和(つなぐわ、ひろがるわ)
選手の躍動と観客の喜びがつながってひとつの”輪”となり、世界に広がってゆく平和や調和の”和”を表現した。

<感想>
 最終候補4案のなかでは、一番安定したデザインと感じました。一方、ある意味では、どこかで見たように思うのは、気のせいでしょうか。それでも、デザイン的には安定感があり、流用性も高いと思われます。

 技術的に達者なデザインという感じです。たぶん、プロであるのは間違いないでしょう。反面、それ故に破綻がなくつまらないともいえますが。

tko20_032216
C案:超える人(こえるひと)
古くから日本人に愛されてきた風神・雷神をモチーフに、ゴールテープを切る一瞬の躍動感や、「自己ベスト」を目指し、超えようとする選手たちの姿勢を描いたデザイン。

<感想>
 これは、まぎれもなく「岡本太郎」ではないでしょうか?。選考した諸先生方は、ゲージュツは爆発だを忘れたのでしょうか、と思わずにはいられません。

 なお、マチスを想い浮かべる人もいると思いますが。どーでしょうか?。

Print
D案:晴れやかな顔、花咲く(はれやかなかお、はなさく)
「自己ベスト」を尽くすアスリートと、彼らをたたえる人々の晴れやかな表情。その感情の動きを、空に向いて開花する朝顔(英語名:morning glory)に重ねた。

<感想>
 個人的には好きなデザインです。とくに左のデザインはTシャツなどにプリントしたら映えるように思います。朝顔だそうですが、花火のようにも見えます。

※作品のタイトル、および説明は組織委のサイトから一部引用しました。

なお、作品に対する意見は、あくまで個人的な見解であり、揶揄、中傷するたぐいのものではありません。また、当方はデザイナーではありません。ご了承ください。

追記:前回の審査委員であった平野敬子氏が、これはA案ありきのプレゼンテーションだとブログで指摘したそうです。詳しくは以下を参照ください。

1対3の構図 – 「A案」VS「BCD案」(平野敬子オフィシャル)
2016年4月8日、五輪エンブレムの最終候補4作品が発表されました。

公開されたA、B、C、Dの4つのデザイン案が並んでいる様子を見て、デザインの特徴から「A案」と「BCD案」という1対3の構図に見えました。

4案の中で1案を選ぶという方法論において、先頭に配置された1案だけが際立つ見え方は不適切であり、「A案」ありきのプレゼンテーションだと受け取りました。

 まじかいな。当方は真っ先にA案を消去法では無いとしましたが…。いやはや。

コメント