■社会|日本の住宅は、20年で無価値になるらしい?リノベーションの現状はいかに

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欧米では建物にも価値はあるが、日本ではそうではない

日本の住宅はスクラップ&ビルドが当たり前か

 欧米では古い建物にも価値が生まれる。なかには莫大な金額になり、一般庶民には手がでない物件も多数あるそうだ。それは、欧米人が建物を単なる住まいとしてだけでなく、積み重ねた歴史性にも価値を見いだしているからである。

 当然、建物に手入れがされているのは言うまでもない。手入れを施すことも、また楽しむという風潮が欧米にはあるようだ。ところが、日本では、建物に関する意識がだいぶ異なっている。建物は築年数が新しいものしか価値がない。

 新築以外の物件は、年々その価値が下がるしかない。建物という上物にはなんの価値も見いだしていない。日本は、いまだに土地神話が有効に幅を利かせていて、中古住宅の場合、建物はおまけのようなものでしかない。

 日本には無数ともいえる住宅メーカーがあるが、しかし、どこの住宅メーカーも建物の価値が上がるような住宅を開発していない。何故なら、立て替え需要がなければ売上減となるからに他ならない。だからある意味では、意図的に建物に価値が生じないようにしている、かもしれない。

 日本の住宅とは、家電などの製品とおなじく買い替え需要を前提としているようだ。これを建築業界ではスクラップ&ビルド(要するに立て替え)という。だから、寿命はある程度を目安にして劣化するようになっている。あくまで推測ではあるが、当たらずとも遠からずでもあるだろう。

 住宅メーカーの思惑には、建物に対する愛情があまり感じられない。年間にどれだけの棟数を建てられるかが問題とされ、住む人への建物価値の提供がおろそかにされている。それは建て続けることが最大の目標であるからに違いない。

 建て続けていくためには、建物に価値が生じるというのは問題である。だから、メーカーは日本に欧米並みの価値観が根付くことを恐れている。それは建て続けるという住宅メーカーの思惑の最大の障壁となるからだ。

 しかし、いずれは日本にも新築ではない需要が生まれるはずだ。それは、たぶんリノベーション住宅というものではないかと思われる。すでにそれを推進するメーカーもあるが、まだ主流ではなく傍流の域を出ていない。

 中古物件を、単なる修繕というリフォームではなく、あるコンセプトに基づいて造り直した物件に価値が生まれてくる。そんな時代がやってくるに違いない。

Why!×2 なぜ日本人は家の価値に無頓着なの?(日経ビジネス)

 総世帯数を800万戸分も上回る総住宅数を抱えているのにも関わらず、今でも年間90万戸の新築を作り続けている日本。結果として、資産価値の低下が常態化し、空き家の急増が社会問題となった。使い捨てに近い日本の住宅政策はひょっとしてズレているのではないか――。

 住宅メーカーは、上記にある様にあくまで建て続けることが使命であるかのように邁進している。しかし、その先にある未来の姿は明確とはなっていない。日本の住宅環境は、このまま進めばとんでもない状況になると思われるが。

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ドイツの街並 古い建物はいまでも使われている
引用:http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/021800009/030300007/?P=2&nextArw

リノベーションのいま

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引用:http://housevision.muji.com/renovation/event/vol1_rprt01
楽しく知る「中古住宅 + リノベーション」(MUJI RENOVATION CLUB)

 当方は、あまり建築業界に詳しい訳ではありませんが、建物のリノベーションが注目され始めてから、たしか十数年は経つと思われます。最近はどーなっているのか、盛り上がっているのだろうか?。

 その辺りの事情を以下に紹介したいと思います。

<リノベーション(renovation)とは>
 既存の建物に大規模な改修工事を行い、用途や機能を変更して性能を向上させたり付加価値を与えることである。

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引用:http://www.intellex.co.jp/renovation_report/20141119.html

 リノベーションの需要は、間違いなくあるようである。ただし、それはあくまで数字の上でのことであり、実際に住む人のニーズと合致しているかが問題だ。何故なら、新築物件が年々増え続けているのが、なによりの証拠である。

 顧客=住む人は、新築に価値を置いている人が多いのが現状だ。それをいかに転換させるか、それがリノベーションに求められている。

 業界もそのことは重々承知の上であると思われる。昨今では大手もリノベーションを積極的に手掛けている。しかし、一方では新築物件を相変わらず造り続けてもいる。その辺り、どっちつかずのジレンマに陥っている。

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引用:http://www.intellex.co.jp/renovation_report/20141119.html

「フローからストックへ」というキーワードは、90年代後半あたりから言われていた。いまさら言われても空疎な感じが否めない。

 リノベーションを後押しする政府や行政の思惑と、顧客=住む人のあいだにはズレが生じている。それは現実問題として、思惑どおりの資産価値の向上には結びついていないからだ、と想像できるがいかに。

 とにかく需要はある、しかしその実態が目論みどおりに行っていない、というのが現状ではないかと思われます。

 とりあえず、いまのところは一部のこだわり層が少ない予算で自分好みの住まいにするニーズに対応している、ということかと思いますが。

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引用:http://www.homes.co.jp/cont/reform/reform_00040/

 上のグラフで見るとおり、日本では住宅に手間をかけるという意識が低いようです。ドイツなど欧米と比較すると、その価値観の違いが一目瞭然です。

 この意識が変わらない限り、ストック型社会が根付くことはないと思われます。時代の潮流は、何かをきっかけに急激に変化する場合もあります。したがって、これからの状況次第ということでしょうか。

 リノベーションは、案外手間ひまがかかるはずです。モジュール化された設計で新築を建てる方が、メーカーにとっては合理的で、効率もいいはずです。

 しかし、それも顧客次第であり、顧客が新築を身限ってリノベーションに流れれば、一気に市場は拡大していくと思われます。

 鍵を握っているのは、やはりマーケティングだと思います。それは宣伝や販促という意味ではなく、顧客創造という原理に基づいたものです。端的にいえば、リノベーションの価値を高める、そんな仕組みを創り上げることにあります。

 本当に資産価値が向上するのか、それが問題だからです。

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