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■社会|地域活性化の提言 空き家・ビルの活用策「お化け屋敷」で集客、活性化を図る

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お化け屋敷に新しい波を誕生させたルナパーク

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 今回テーマとした「お化け屋敷」ですが、なぜこれを選んだかといえば、夏だからということもありますが、ルナパークを思い出したからに他なりません。

 ルナパークとは、アメリカのそれではなく、日本の後楽園ゆうえんちが1991年にはじめた「大人の夜の遊園地/ルナパーク」のことです。

 水道橋にある後楽園ゆうえんちが、1991年夏季限定で夜になると「ルナパーク」に変わるというイベントを開催しました。サブカルチャーをてんこもりにしたこのイベントは評判となり、翌年以降も実施されて約10年間続きました。

大人の夜の遊園地「ルナパーク」
 夏の一定期間、17時〜22時までの施設名称であり、1994年からは同時開催されるイベント名にも冠せられるように。都心のど真ん中に位置する好ロケーションを活かし、業界に先駆け「大人の夜の遊園地」というコンセプトで展開!2003年まで好評を博しながら続けられました!

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注釈:後楽園ゆうえんち=現・東京ドームシティ・アトラクションズ

 この「ルナパーク」は、いくつかのトレンドを産みましたが、そのなかでも「お化け屋敷」にニューウェーブを誕生させたのが印象深く残っています。

 当時の日本のお化け屋敷といえば、ダサいというイメージにありました。それは、東京ディズニーランドの「ホーンテッドマンション」という大掛かりな装置によるお化け屋敷の登場によってもたらされたものでした。

 しかし、ルナパークのお化け屋敷は、ディズニーにはない日本固有の素材を活かしながら、それまでと違うものを生み出していました。それは企画力で勝負したものでした。その流れは、富士急やその他の遊園地にも広がっていきました。

 その新しい「お化け屋敷」の潮流を生み出したのが、元劇団主宰者であり脚本・演出家であった五味弘文氏でした。演出家だけに劇的な場面の創出に長けていたのは言うまでもありません。また、構成にも工夫がされていました。

五味弘文「お化け屋敷」演出の歴史
 東京ドームシティ アトラクションズ(旧 後楽園ゆうえんち)のおばけ屋敷夏期特別興行とは、1992年に後楽園ゆうえんちの夏期イベント「ルナパーク」の一環として誕生しました。当時、後楽園ゆうえんちに限らずおばけ屋敷という施設はアミューズメントパークの中では比較的地味な存在でした。

 様々な絶叫系アトラクションが華やかに登場する中で、おばけ屋敷は魅力に乏しい施設として捉えられていました。そんなハイテクに走るアミューズメント業界の流れに強いて逆行し、思い切りアナログにおばけ屋敷を演出したらどうだろう、というのがそもそもの端緒でした。

 アナログを志したことによって、おばけ屋敷の重要な要素である〈タイミング〉や〈人間による演出〉が生まれ、そこにこれまでにない恐ろしいおばけ屋敷が出現しました。大駱駝艦のダンサーが出演し、大駱駝艦の麿赤児氏によって演出された後楽園ゆうえんち/おばけ屋敷夏期限定興行『麿赤児のパノラマ怪奇館』の誕生です。このおばけ屋敷にお客様は長蛇の列を作り、おばけ屋敷は一躍脚光を浴びることとなりました。

 上記した「ルナパーク」を企画し誕生させたのは、クラブハウスという企画集団でした。代表者は、川西さんという人だったのを覚えています。ルナパークは、当時としては画期的であり、それを実施したクラブハウスは優秀だったと思います。

 しかし、90年代半ばからは、「ルナパーク」の企画・運営からクラブハウスは外されました。お金の問題か、それは知る由もありませんが。とにかく、当方もクラブハウスが外れた頃には、企画コンペに参加していました。

 今回、これを書くにあたり「ルナパーク」で検索したところ、川西氏のブログを発見しました。そこに「ルナパーク」に関して書かれたものがありましたので、以下に紹介しておきます。

東京の噂(1)トウキョールーマーズの復活?
 ルナパーク・・・・・

 つまり、狂騒の遊園地 ですね(笑)

 前年比動員は、400%。

 最盛期は、夏休みだけで4億予算貰って、20億円の収益をあげるようなことをしてました。毎晩、1万人近い人が入場するのですから、バブルですね。

 当時、クラブハウスの事務所は青山のキラー通りにありました。まさに、「ルナパーク」成金となっていたようです。

 その後、あまり話題になっていませんが、クラブハウスは解体されたようです。

 なお、ルナパークで初めてお化け屋敷を創った五味弘文氏は、いまでは「お化け屋敷」の第一人者となっています。2016年も東京ドームシティ・アトラクションズで新しいお化け屋敷を誕生させるようです。

東京ドームシティ/2016お化け屋敷「赤ん坊地獄」7月15日(金)〜開催!

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