■80年代|80年代のセクシー・ミュージック それは狂おしくも心を惑わせる

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セクシー、それは男と女の間にある扉を開ける鍵である

 80年代の音楽といえば、テクノとかニューウェーブ、またはディスコ・ミュージックなどが想い浮かぶが、しかしそればかりではなかった。男と女の脳髄を刺激し、「妖しい愛の世界」への扉を開くかのような音楽も誕生していた。

 それらの音楽性は、否が応もなく「性的な魅力」を強く漂わせていた。「セクシー・ミュージック」というジャンルがあるのかどうか、それは知る由もないが、そうとしか言いようのないムードを兼ね備えていたのは間違いない。

 仮に「セクシー・ミュージック」を定義するとなれば、次のようになるだろう。

「男性は、女性を誘い、口説きたくなる気分に掻立てられる。女性は、妖しく口説かれてみたい気分が満ちてくる。もちろん、ゲイやレズビアンもおなじくである。端的にいえば、”エッチな気分が満ちてきて仕方がない”、それがセクシー・ミュージックの特性であり、音楽性である」、というような「扇情的な音楽」を意味している。

 そして、それは80年代という時代特有のものだったかもしれない。なんせ、80年代の特性は、映画「アメリカンジゴロ」(1980)で描かれていたように、スタイリッシュ(感性的ともいえる)な愛の関係式が重視されていたからだ。

「アメリカンジゴロ」の主人公は、アルマーニを着てオープンカーを走らせながら、何人もの女性の間を縫うようにして関係を繋いでいく。そして、背景に流れる音楽は、いみじくもブロンディの「コール・ミー」だった。

 そして、それはまさにセクシー・ミュージック、「ここに極まれり」ともいうべきものだったのは今更言うまでもないだろう。

セクシー(sexy)
性的な魅力のあるさま。また,性的な感じの強いさま。

扇情的(せんじょうてき)
欲望や情欲をあおり立てるさま。

ロバート・パーマーと80年代メイクの美女たち

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 80年代の女性ファッションは、肉体性の誇示ともいうべき「ボディコンシャス」なスタイル、そして肩パッドに象徴される自己主張性が混在していた。

 端的にいえば、エロさを前面に出しながらも、どこかクールさを現していた。それが80年代のスタイルとして、とくにモードの世界では顕著となっていた。

 ロバート・パーマーが1985年に放った大ヒット曲、「Addicted To Love」(邦題:恋におぼれて)のPVでは、そんな80年代のスタイルが見事なまでに描かれている。ロバートのバックで演奏するバンド(振りであるが)は、見事な脚線美もまぶしいスタイル抜群のモデル体型(たぶんモデル)の美女たちである。

 彼女たちは、おなじような黒いタイトなボデコンスタイルに、そして白い肌に目と唇を強調したメイク(マネキンのような)をし、まるでロボットでもあるかのように無表情で体をくねらせている。(冒頭動画を参照ください)

 80年代らしさの特徴は、メイクアップに見て取れる。白く塗られた肌に唇を強調するように、くっきりと縁取られた鮮烈な赤い口紅が妖しく輝いている。アイメークも、これまたくっきりと目元をアイシャドーで強調している。このようなメイクは、80年代のファッション誌やイラストでよく見ることができた。

 当時の売れっ子イラストレーターであったペーター佐藤氏は、このような女性像ばかりをエアーブラシで鮮烈に描いていた。

 とにかく、彼女たちを見るものは否が応もなく、妖しくも魅惑的な目と唇に引き寄せられてしまう。そして、その妖しい魅力に絡めとられるしかない。

 その魅惑的な目と唇のメイクは、まるで獲物を獲る仕掛けか何かのようだ。

 その証拠に彼女たちは、体をくねらせて相手の気を引きながら、じっと観察しているような無表情な顔つきをしている。それはまるで仕掛けた罠に獲物がかかるのをじっと待っているかのようである。

 個人的には、その罠にまんまと嵌ってみたい気もするが…。たとえ、セクシーの虜となり闇の奥に堕ちようとも、それでもまーいいかと思えてくる。

Addicted-to-Love-red-lips

「Addicted To Love」に出演している女性モデルは、左から順に、Julie Pankhurst(キーボード/21歳)、Patty Elias(ギター/20歳)、Kathy Davies(ドラム/24歳)、Mak Gilchrist(ベース/21歳)、Julia Bolino(ギター/19歳)。5人とも当時ロンドンに在住していたモデルで、監督のテレンス・ドノヴァンによってキャスティングされた。
引用:http://strongerthanparadise.blog122.fc2.com/blog-entry-326.html

 このように不可思議な魅力を放っているロバート・パーマーの「Addicted To Love」のPVは、楽曲のセクシーさをより高めていたのは言うまでもない。

 1985年は遠い昔ではあるが、それが案外そうは思えないほどに魅力的である。個人差はあれど、「セクシーは永遠」なのかもしれないと思うがいかに。

 ところで、PVを観て気になっていることがある。ロバートの左側(画面に向かって)にいる女性たちはタイトなミニスカートなのに、右側の女性たちはなぜか膝丈である。これは何か意味があるのか、ないのか。それが気にかかっている。

 さらに、左側の女性はスレンダーなモデル体型であるが、右側の女性はなぜか、少しふくよか(ぽっちゃり)である。これまた、何か意味があるのか。そして彼女たちが、ときおり唇を半開きにする仕草は、まさに性的に扇情的である。

 なおセクシーさで言えば、右側の若干ふくよかな女性の方が気になります。ま、これはあくまで個人的な好みの問題ですが…いやはや。

 以下は、ロバート・パーマーが生前に語ったエピソード。

「Addicted To Loveのヴィデオを撮った時、自分がどこにいたかは覚えてるよ。君はこのヴィデオを初めて観た時、どこにいたか覚えているかな? 僕はスタジオでブルーバックを背景に歌った。残念ながら、あの娘たちと同じ場所にはいなかったんだ。撮影はどんな感じだったか、とよく訊かれるんだが、実際には楽しくなかった。ちっとも面白くなかったよ。」

「僕とカメラとブルー・スクリーンだけなんだから。今度観る時、よく注意してごらん。僕が本当はそこにいないのが分かるから。とはいえ、とても巧くできてるよね。ただ、監督のテレンス・ドノヴァンはちょっと女性差別的で、あれは僕ではなく、彼のファンタジーだろうね。それでも、いまだに古くないし、いま観ても結構いいよね」
引用:http://strongerthanparadise.blog122.fc2.com/blog-entry-326.html

Addiction19
Addicted To Love (Album Version)

Riptide
Riptide

◆Addicted To Love 1985年

Your lights are on, but you’re not home
部屋の灯りはついているのに お前はいない
Your mind is not your own
お前の頭の中はお前のもんじゃなくなってる
Your heart sweats, your body shakes
お前の心は汗をかき 体は震えてる
Another kiss is what it takes
もう一度キスが必要だな

You can’t sleep, you can’t eat
お前は寝ることも出来ず 食べることもできない
There’s no doubt, you’re in deep
疑う余地なしだな お前は深みにはまってるんだ
Your throat is tight, you can’t breathe
喉が絞めつけられて 息すらできない
Another kiss is all you need
あと一回のキス 必要なのはそれだけだ

<以下略>
歌詞訳引用:http://blog.livedoor.jp/yukoharry-lyrics/archives/1053425780.html

<次ページに続く>

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