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社会|新型コロナウイルス拡がる2 なぜか日本では危機意識が緩んでいる

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中国は収束宣言?、欧米は危機の真っ只中に

 2020年3月26日、日本の首都東京では、新たに47人の感染者数が確認された。前日(25日)、これまで最多(1日あたり)の41人の感染者が確認されて、急遽都知事が会見し、不要不急の外出自粛を都民に要請した。

 日本では、ウイルスのPCR検査の実施を事実上制限しているため、感染者数は低く抑えられていた。しかし、それでも確実に感染者は増えている。

 医療崩壊を防ぐ、という現在の方針でいいのかどうか。感染者を早く発見し、その行動を制限することが、感染拡大を制御するのではないかと思うがいかに。

 追記:3月28日、東京では63人(1日最多)の新規感染者が確認された。同日、国内累計では22都道府県で計195人(1日最多)の感染が確認された。(日本経済新聞)

発生源の中国は、ピークアウトだとか

 中国発の新型コロナウイルスであるが、中国はすでにピークアウトしたと公言している。それが事実かどうかを知る術はないが、しかし中国様の言う通りかどうか、あとは時間が証明してくれるはずである。(疑問の声が多し)

 ちなみに中国では、政権中枢が感染者をゼロにしろと地方に指示を出せば、地方幹部はそれを達成しないと更迭されるといわれる。

 すでに中国は、コロナ後を見据えた行動を開始したようだ。ウイルスは中国のせいではなく、アメリカのせいだとして情報戦を仕掛けている。また、世界中が感染禍にあるなかで、中国人民解放軍は縄張り拡張活動を続けている。

 一方、欧米は危機の真っ只中にある。日本がクルーズ船対応に追われていた頃、アメリカをはじめ諸外国から、その対応を非難する報道が目立っていた。

 イギリスなどは、ロンドン市長候補が、日本の代わりにオリンピックを開催する準備がある、などと意気揚々に語っていたが。

 ところが、どうであろうか、イギリスもウイルス感染があっという間に広がり、オリンピックの代替開催どころの話ではなくなった。いやはや。

 イギリスでは、チャールズ皇太子やジョンソン首相まで感染している。

 一番驚くのは、イタリアである。イタリアではあっという間に感染が拡がり、死者数は中国を超えてしまった。イタリアは中国との関係が深く(一帯一路に参加)、感染が拡がる北部には多くの中国人が居住していた。

 中国人が春節の時期に中国とイタリアを往来したことで感染が拡がった、といわれている。(確かではない)イタリアで感染が拡がれば、あとはEU域内に拡がるのは自明の理である。なにしろ地続きであり、人の往来は自由である。

 ドイツ、フランス、スペインなどもイタリアに続いて感染が拡大した。現在、EU各国では、外出自粛または外出禁止令が出されている。

 アメリカが急激に感染を拡大させている。日本がクルーズ船であたふたしてる頃は、冷笑ぎみだったことが嘘のようである。2020年3月27日、アメリカでは感染者数が中国を超えてしまった。そして3月28日、ついに10万人を超えた。

国内感染者数/新規(2020年3月27日)

国内感染者数/累計(2020年3月27日)

新型コロナウイルス国内感染の状況/東洋経済オンライン

<世界コロナウイルス感染者数(死亡者数)一部/2020年3月28日>
○中国・・・・・・81,394人?(3,295?)
アメリカ・・・・104,205人(1,701)
イタリア・・・・・86,498人(9,134)
スペイン・・・・・65,719人(5,138)
ドイツ・・・・・・50,871人(351)
フランス・・・・・32,964人(1,995)
イラン・・・・・・32,332人(2,378)
イギリス・・・・・14,543人(759)
スイス・・・・・・12,928人(231)
韓国・・・・・・・・9,478人(144)
オランダ・・・・・・8,603人(546)

日本・・・・・・・・1,655人(54)
クルーズ船・・・・・・ 721人(10)
新型コロナウイルス感染状況/日本経済新聞社

画像引用:毎日新聞/観光地も渋谷交差点もガラン 都内で外出自粛始まる

習近平来日、2020東京オリンピックの延期

 2020年4月に来日予定だった中国・習近平国家主席に配慮して、日本政府はコロナウイルスをやり過ごそうとした。がしかし、ウイルスは日本政府の希望的観測や忖度などおかまいなしに世界的に拡大してしまった。

 それでも日本政府の決断は遅かった。来日延期をようやく決断したのは、中国様の了解を得たあとだった。中国への渡航制限もおなじく。

 世界中に拡がるウイルス感染に、もはや打つ手もなく、ついにオリンピックの延期が決まった。これはある意味当然だった。ちなみに習近平来日延期と比べ、オリンピック延期の決断は、意外と早かったかもしれない。

 日本のオリンピック関係者がぎりぎりまで粘ったのは、まるで「インパール作戦」のようだといわれる始末だった。それは既得権益者たちの醜い足掻きだった。国民やアスリートたちではなく、自分たちの利益しか考えていなかった。

インパール作戦
第二次世界大戦のビルマ戦線において、1944年(昭和19年)3月に帝国陸軍により開始、7月初旬まで継続された、援蒋ルートの遮断を戦略目的として、イギリス領インド帝国北東部の都市であるインパール攻略を目指した作戦。

牟田口廉也中将の強硬な主張により作戦は決行された。兵站を無視し精神論を重視した杜撰な作戦により、多くの犠牲を出して歴史的敗北を喫したため、『無謀な作戦』『史上最悪の作戦』の代名詞として、しばしば引用される。

 中止ではなく、延期になったことは、とにかく練習もままならない世界中のアスリートのことを考えれば、幸いであるにちがいない。

米国、中国を超えて感染拡大する

 2020年3月28日、アメリカの新型コロナウイルス感染者数が10万人を超えた。
 
 アメリカでは急激に感染者数が増えている。とくにニューヨーク市では激増し、2万人超が感染し、280人が亡くなった(3月26日)。

 ニューヨーク州では、住民の外出制限をする行政令を発効した。(3月22日)

 ニューヨーク州マンハッタンでは、医療従事者の防護服や資材などが不足して、医療崩壊の瀬戸際にあるといわれる。

 クオモ州知事は3月26日の会見で、さらなる病床の確保が急務だと指摘。「今後どのようなシナリオでも、現在の医療システムの受け入れ能力では足りないのは明らかだ」と語った。(ニューズウィーク)

 3月末現在、コロナウイルスの各種情報はアメリカや欧州が中心となってきた。なぜか、発生源の中国の情報が一気に少なくなった。(情報統制もあるか)

 そして中国は、いま世界各国に支援の手を差し伸べているそうだ。この機に乗じて…なにか問題のすり替えが進んでいるような、そんな想像をしてしまう。

NYの看護師が死亡 防護服不足でごみ袋着用
米ニューヨーク・マンハッタンの病院で医療用防護服を着ないまま新型コロナウイルス感染者に接していた男性看護師(48)が、自らも感染して24日に亡くなったことが27日分かった。

衝動的なパニック買い起こる

「トイレットペーパーが不足する」というSNSを介したデマにより、トイレットペーパーが瞬く間に店頭から消えた。中国から原材料が入らなくなるという理由のデマだったが、実際は原材料の100%が日本製だった。

 2020年3月25日、都知事は感染者急増に伴い会見し、外出自粛を都民に要請した。それを受けて、今度は食料品の買いだめにスーパーに駆けつける人々が多数発生した。もうこれは「パニック買い」としか言いようがない。

 今後もなにかのきっかけでパニック買いが起きても不思議ではない。その下地は十分に蓄えられているからだ。ちなみにパニック買いは、海外でも起きている。

 パニック買いの根底には、不信があるはずだ。政府は信用できない、そのような雰囲気を助長する嘘=デマを流してはいけない。

 日本政府には、ぜひ国民の不信を緩和する、情報の公開、さらには具体的な施策を早めに打ち出してほしいと切に願います。

 現在、多くの国民が不信に感じているのは、PCR検査の実施が意図的に低く抑えられていることだ。本当にこれでいいのか、感染者はもっと多く、そして野放しにされている、そのように感じている人々が多くいるはずだ。

日本の状況「世界が当惑」 感染増を回避、理由分からず
日本が医療崩壊を避けるため、意図的に検査を制限しているとの見方を紹介。米コロンビア大の専門家は、日本のやり方は「ばくち」であり「事態が水面下で悪化し、手遅れになるまで気付かない恐れがある」と警鐘を鳴らした。

日本の防疫体制は緩んでいるか

 とにかく日本の防疫体制には疑問を感じざるを得ない。なにしろ、水際対策として自己申告制にしていたのは緩すぎた。また、中国が武漢を封鎖してもなお、中国からの入国制限をしなかった。(習近平来日に忖度)

 2020年3月26日、成田空港で検疫ミスがあった。日本時間の26日午前0時から入国者への検疫強化が実施されるはずだったが、それを時差の計算ミスでスルーしていた。また、入国者によると体温検査などもなかったそうだ。

 現在海外では入国者の体温検査など当たり前であり、それと比べると、日本の検査体制は実に緩いとしか言いようがない。

 いったいぜんたいどーなってるんだろうか。どこかシステムが機能していない、そんな気がしてならない。「船頭多くして船山にのぼる」という例えがあるが、とんでもない方向に進んでいなければいいが…。

船頭多くして船(ふね)山に上る
指図する人が多くて物事がまとまらず,とんでもない方向に進んでゆくことのたとえ。

インバウンド崩壊

 コロナウイルスの感染拡大によって、日本国内のインバウンド需要は壊滅的打撃となっている。あの京都でさえ、観光客が激減しているそうだ。

 日本政府は、2020年の訪日客数4,000万人を目論んでいた。コロナ感染もなく、オリンピックも予定通り行われていたら、それも可能だったかもしれない。

 しかし、恐るべしはコロナウイルスである。あっという間に感染は拡がり、世界中の観光地に打撃を与えてしまった。パリもローマも、ロンドンもニューヨークもおなじく、観光客は激減し、いつ賑わいが戻るのかその予測も不可能である。

 日本に寄港したクルーズ船では、コロナウイルス感染が大量発生した。いまクルーズ船には、大逆風が吹いている。オーストラリア沿岸近くには、まだ14隻あまりのクルーズ船が行き場なく海を漂っているそうだ。

 日本政府は、観光立国という流れを高めて、景気の浮揚を狙っていたが、それも頓挫しようとしている。政府筋は好景気と喧伝していたが、一般人にはなんの恩恵のない単なる言葉だけのお題目だった。

 海外観光客の増加だけは実感できたが、それも当分は見込めなくなった。これから、なにを景気の下支えにするのか、それが問題である。

 日銀が金融緩和という名目でじゃぶじゃぶと市場に流したお金はどこにいったのか。とにかく実態経済にはなんの好影響も与えていない。

ニューワールドオーダー コロナ後の世界

コロナウイルスと金融崩壊

 行き過ぎた金融バブルは、2020年に崩壊する、というまことしやかな予測が一部エコノミストから語られていた。とくに、政党オリーブの木代表である黒川あつひこ氏などは繰り返しYouTubeに動画をアップしていた。

 2020年11月には、アメリカの大統領選挙があり、それまでは金融バブルは継続する、別の意味では無理にでも継続させるといわれていた。

 金融バブル崩壊の背景には、先進国の金融緩和がある。各国の中央銀行は、市場に多くの資金を供給してきたが、その多くが得体の知れない金融投資に回って、実体経済にはなんの貢献もしてこなかったという。

 その結果、実体経済(GDP)と金融資産の乖離が大きくなり、いまでは世界のGDPの4倍以上に膨れ上がった金融資産となっている。

 理解不能のデリバティブなども金融資産であり、金融バブルを大きく膨らませてきた。ドイツ銀行などは得体の知れない金融投資がどれだけあるか、誰も解っていないそうだ。そしてドイツ銀行がいつ破綻するかが注視されている。

 ちなみにドイツ銀行のデリバティブ総額は、想定7,500兆円ある。世界全体のデリバティブ総額は、6京円といわれる。とにかく桁が想像を超えている。

 中国は、途方もなく膨大な金額をインフラや不動産開発に投資して、GDPを底上げしてきた。その結果、ゴーストタウンを雨後のタケノコのごとく増やしてきた。上がったものは、いつか下がるの例えどおり、中国にもいつか限界が訪れる。

 それが、2020年だといわれてきたが、中国バブルの崩壊はここ10年以上毎年いわれてきた。まるで恒例行事のように言われ続けてきたので、ほんとかいなと一般人は思ってきたが、こんどばかりは本当になる可能性が高そうである。

 中国は、コロナウイルスの収束宣言をして経済活動の再開をいち早く始めた。一部では中国や韓国などがいち早く、経済活動を再開することで世界市場のポジションを高めるだろう、という専門家もいる。

 しかし、中国も韓国も輸出依存度が高く、いくら経済活動を再開しても欧米はコロナショックの真っ只中であり、需要がないはずだ。(コロナ関連の需要はありそうだが)

 世界的に経済が停滞することは必然である。アメリカがどこまで需要を落とすか判らないが、それに比例して輸出依存度の高い国は、同じ穴のムジナとなる。

 1929年の世界同時不況では、その後第二次世界大戦が勃発している。

 コロナと金融バブル崩壊という二重の厄災による世界同時不況がくるかどうか、それはまだ判らないが、現在の予測ではその確率が高いと言わざるを得ない。

 その証拠に、アメリカでは2兆ドル(220兆円)の緊急経済対策を打ち出した。これはリーマンショックの時を大きく上回る規模である。(それだけ危機感が強いということだ)

 しかしながら、その経済対策も実は金融緩和のひとつであり、史上最大規模のものとなるはずだ。ほんとうに大丈夫か、それが問われるにちがいない。

 ちなみに日本の緊急経済対策は、世界の潮流とかけ離れている。アメリカをはじめ各国は、全国民に現金給付をするが、日本だけは限定(ターゲティング)して実施するそうだ。どうやって給付する対象を絞り込むのだろうか。

 たぶん、ぐだぐだして具体的な進展がおぼつかないのではないか。

米、2兆ドル景気対策が成立 企業や個人に「安全網」
トランプ大統領は27日、米議会が可決した新型コロナウイルスに対処する2兆ドル(約220兆円)の大型経済対策法案に署名し、同法は同日成立した。家計への現金給付や企業の給与支払いの肩代わりなどに取り組む。

コロナが収束したあとの世界はどうなるか、それが問題である

 グローバル経済はそのまま温存されるのか、中国の止むことのない膨張主義はそのままなのか、金融資本主義の世界システムは変わるか否か。

 そして、ニューワールドオーダー(新しい世界秩序)が構築されるか。

 コロナと金融バブル崩壊は、ある意味では世界人類への警告ではないか、このままでいいはずはない、そんなことを感じてしまうが、それは気のせいであろうか。

おまけ ニューワールドオーダー

ソフトバンク崩壊の恐怖と農中・ゆうちょに迫る金融危機 (講談社+α新書)

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