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コラム|なにかとかまびすしい独裁国家を擁護する人々とその理由は

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独裁国家の国民のための政治とはなんぞや

無知蒙昧の妄言か、マインドコントロールか
とある日、ある人から、「中国とロシアは、国民のための政治をしている」と言われて、一瞬なにを言ってるか判らず唖然茫然としました。

その人曰く、ネタ元はなく、自分でそのように考えたそうです。なんでもメディアや書籍に書かれたことは「嘘であり、真実は違う」そうです。いやはや。

マスメディア(新聞、テレビ等)に関しては、忖度と偏向による報道が顕著なのは、よく知られた事実でありますが。

それはさておき、中国やロシアに関する基本的な情報収集もしていなく、また関連書籍も読んでいないようだった。そして、なんとプーチンを英雄視しているようだった。しかしそれは、ある意味で自由である。

なんせ、日本には思想統制はなく、発言も自由であるからだ。だから、とやかくいう必要も、必然もないといえる。

がしかし、その論法が気になった次第である。なぜなら「メディアや書籍の伝える情報がすべて嘘」といえば、すべてがリセットされるからだ。これは、ブラック研修やマインドコントロールの手口と似ている。

ブラック研修では、新入社員などに、これまでの知識や経験、人格形成までを全否定し、会社の考え方や方針を絶対として刷り込んでいく。

また、スピリチュアル系のマインドコントロールでも、上記とおなじく知識や経験、人格を全否定し、さらに外部との関係性を断ち、教祖の考えを絶対として、強制的に繰り返し教え込んで、いつの間にか自分の考え方を失わせていく。

補足ー
洗脳のやり方には、1)他者との関係性を絶たせる、2)一定期間狭い空間に閉じ込める、3)その上で特定の考え方を繰り返し教え込む、というものがあるようだ。そうすると徐々に自分の頭で考えなくなるという。

ちなみに独裁者が諸悪の根源といったら、独裁とはなんだと言われたので、以下に解説しておきます。

独裁について
個人、または特定のグループに権力が一局集中し、支配層と非支配層というシステムが構築された状態をいう。また、非支配層は、独裁者に意見などを言う権利はなく、絶対権力下に置かれている。

とにかく、メディアも嘘、書籍も嘘、と決めつけて真実はこうなんだ!、なんてことをいう人がいたら、とりあえず眉唾ですから気をつけましょうね。一定の情報収集をしたうえで自分の頭で考えましょう。

本を読むことの利点
多様な視点による歴史、文化、考え方などを知ることができる。(なお、思想統制国家では、これができない)

現在、ネットで手軽に情報を得ることが可能ですが、必ずしも正しい情報ではなく、信憑性の問題があります。また、今求めている本当に欲しい情報が得られない場合があります。

しかし、本を読んで自分の目で見て解釈する自分だけの情報は、知りたかった内容をダイレクトに得ることができます。

ネットで知ることができる情報(表層的)より、本で得られる情報の方が質が高く(内容が濃い)、これからの情報社会を生き抜くためには「読書」が大切になっていくと思われます。(個人的見解です)

独裁国家で起きているいくつかの出来事

中国の現在はいかに
中国は、鄧小平による改革開放政策により、90年代以降、あらゆる方面で超多額の投資をして未曾有の急成長を遂げた。

海外からの投融資に基づき、道路、鉄道、航空、都市開発、軍事、IT、その他インフラ、そして一帯一路やAIIBなどである。その投資額は、現在では天文学的数字であり、総額では一京円に迫るともいわれている。(たしかではない)

そして現在、世界第2位のGDPを誇るまでになった。数年前までは、中国はいずれアメリカを超えると、まことしやかに語られていた。

がしかし、2023年現在、急激な逆回転が顕著となっている。金のなる木だった不動産は、膨大な数のゴーストタウンを残したまま行き場を失った。

恒大という不動産会社だけで、数十兆円の有利子負債を抱えているそうだ。当然、他の不動産会社もおなじ状態にある。(実質倒産状態)

ITでも中国は世界の覇権を狙ったが、ファーウェイの5Gなどは、結局世界市場に受け入れられず、多額の投資が無駄になり、その後ファーウェイの存在感は失われてしまった。

2023年現在、中国ではさまざまな逆風が吹いているのは否めない。ところで、そんな中国は、果たして国民のための政治をしてきたのだろうか。

中国が監視社会であるのは、多くの人が知るところである。監視カメラは全国津々浦々に設置され、またネットも常に監視されている。

さらに、城管(城市(都市)管理総合行政執法局職員)という治安要員が幅を利かせていることは、よく知られていることだ。この城管は、暴力を厭わず、その不正や横暴ぶりに市民らの怒りが高まっている。

これが公務員とは、中国の監視員「城管」の凄絶暴力、露店・違法駐車を殴る蹴る…「人民解放軍」すら撃退、不正と横暴に中国国民反発

また、不動産では、マンションを購入契約したにもかかわらず、建築が止まったまま放置され、ついでに顧客も放置されたままだそうだ。ローンは払い続けなければならず、しかしマンションの引き渡しも絶望的である。

さらにもうひとつ、若者の失業率がとんでもなく高くなっている。一説では、50%を超えたといわれる。(若年失業率46.5%、ロイター)

中国では、大学が雨後の筍のごとく開校し、大学生数も半端なく多い。2022年卒業した人数は、1,076万人だったそうだ。ところが、卒業後の就職先がないという状況が発生している。いやはや。

さらにもうひとつ、最近の中国では、森林(植林地、公園含む)を伐採して、農地に転換する政策を推進している。背景には穀物の枯渇を予想しているからといわれる。

しかし、これまで地方政府(実質的に政府指導)は、農地を不動産業者に売却(使用権)してマンションを建てまくってきた。とにかく矛盾しまくっている。多額の費用をかけて植林した樹々も容赦なく伐採されているそうだ。

また、この農地転換には、農村部の農業を管轄する農管(農業総合行政執行法局)といわれる組織の職員が、権力を濫用し、横暴極める所業で顰蹙をかっている。

まだまだ書くことはあるが、これぐらいにしたい。いったいどこをどう見れば、中国が、国民のための政策をしてきたといえるのか、当方にはまったく思い至らないのですが、みなさんはいかがでしょうか。

ロシアは今日もかわらず
ロシアがウクライナに侵攻して、はや1年半ぐらいでしょうか。いまだにプーチンさんは、侵攻を止める気配がありません。

有識者は、ロシアの侵攻に関して地政学的リスクがどうのこうのと言いますが、ごく簡単にいえば、その根源は旧ロシア帝国や、旧ソ連とおなじく領土拡張主義にあるのではないでしょうか。

ウクライナは、おれんちだぞ。という時代錯誤的なプライド、面子を背景にした独裁者によって侵攻を開始したといって間違いはないでしょう。(個人的見解です)

ロシアでは新しい歴史教科書が、2023年9月から使用されるそうだ。その中身は、ロシア帝国やソ連時代の帝国主義に基づいたプーチン史観に満ちた内容でてんこ盛りのようである。

詳細は省きますが、戦前、戦中(第二次世界大戦、大平洋戦争)の日本の教科書のようなものと想像すれば、当たらずとも遠からずと思われます。

独裁国特有の特徴に情報の遮断等があります。中国、ロシアでは、いわゆる西側の自由主義陣営のインターネット情報は遮断されて見ることはできない。あらゆる情報は、独裁者によってコントロールされています。

プーチンさんは、ピョートル大帝を目指しているのかもしれない。ロシアについては、また次の機会に詳しく書きたいと思います。

全体主義と監視社会について

「1984」という有名なディストピア小説があります。この小説は、全体主義と監視社会の様子を描いています。

1984の世界では、世界はオセアニア、ユーラシア、イースタシアの三つの大きな国によって統治されています。そしてオセアニア国は、ビッグブラザーという一種の党、政権に支配された一党独裁の国家です。

オセアニア国の大まかな統治方針
・ビッグ・ブラザー政権によって常に監視されている
・市民を3つの階層に分けている
・仮想敵に対する憎悪(ナショナリズムを煽る)

支配者ビッグ・ブラザーの意に沿わないことをすると「思考警察」に逮捕されます。

ビッグ・ブラザーは市民を3階層に分けて管理しています。
1つ目が上層と呼ばれる、党の中枢などの位の高い政治家のことです。2つ目が中間層と呼ばれる、党に所属はしているが位の高くない職員で、3つ目が下層と呼ばれる貧困層です。

ビッグ・ブラザーは「仮想の敵に対する憎悪」を掻き立てます。
ビック・ブラザーは他国を敵に仕立て、その国に対して憎悪を持つように国民をコントロールしていきます。

上記したように独裁国家は、おおむね監視社会とナショナリズムの拡大を目指すことを端的に示しています。

さて、どうでしょうか。中国やロシアは、はたしてビッグ・ブラザーなのでしょうか。みなさまはどう思いますか。

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