渋谷系は、時代を超えてゆくか
花澤里都夢の今夜はブギーバックに衝撃をうける
花澤さんは、全国的にはまだ知らない人が多いと思います。当方も最近知ったぐらいですので、とやかく言える筋合いではありません。
正直あまり詳しいことは知りませんが、千葉県君津市に在住し、主に都内で活動しているシンガーソングライターさんです。まだ、とても若く20代前半ぐらいと思われます。ちなみに、今後が期待される有望株だと思います。(個人的見解ですが)
シンガーソングライターですから、当然オリジナルが主体の楽曲構成ですが、ストリートライブで初めて遭遇したとき、おじさん向けとしてカバー曲をやりまーす、と言って歌い出したのが『今夜はブギーバック』でした。
今夜はブギーバック(1994年、作詞・作曲:小沢健二)
冒頭動画(3曲目、7分30秒〜)をご覧いただけるとお分かりいただけると思いますが(感じ方は個人差あり)、カバー曲でしたが、これはオリジナルとちゃうのん、と感じるほどに、自分のもの(個性的表現)にしていました。
このとき、当方は『今夜はブギーバック』を失念していて、まだ小沢健二の名前が浮かんでいませんでした。なにしろ花澤さんは、カバーとはいえオリジナルと遜色のない表現をしていたからです。
これ、すごくいいねーと聴いていたとき、ふっと思い出しました。なーんと小沢健二やん、渋谷系じゃないかいな、と。おー、なんでまた約30年前の渋谷系を、彼女は歌ってるねーん、と不思議な想いが巡ってきました。
いまから約30年前、90年代前半の当方は、肉体的にも、精神的にもバリバリであり、生意気度(独断不遜)にも拍車がかかっていた時代です。
そんな時代を、走馬灯のように懐かしく思い出すと同時に、その当時の愚行の数々(反省してます)まで思い出される次第でした。いやはや。
思えば、94年はまだウインドウズ95も発売されていませんでした。(翌年95年発売)まさにIT前夜(ようやくパソコンの時代がはじまった)でした。
『今夜はブギーバック』は、1994年に発表された小沢健二の楽曲です。当時、ヤングアダルトのあいだで流行った渋谷系の代表曲と言っても過言ではありません。ちなみに小沢健二は、歌は下手ですが、楽曲創作の能力は高かったと思います。
あくまで個人的見解です。あしからず。
個人的には、小沢健二より花澤里都夢の『今夜はブギーバック』のほうが、断然好きです。もしかしたら、これを機会に渋谷系がまた注目されるかもしれません。
とにかく、花澤里都夢さんは要注目のシンガーソングライターであるのは、間違いないでしょう。かように想う今日この頃です。
花澤里都夢(はなざわりずむ)
twitter:https://twitter.com/lizmhnzw
youtube:https://www.youtube.com/channel/UCao9mHyytvamzZ2Ztd8a-9Q
今夜はブギーバックの時代背景、90年代アンソロジー
渋谷系とはなんぞや
渋谷系が流行った90年代前半は、不動産屋が『金ならあるでー』とブイブイ言わせた時代が終焉し(バブル崩壊)、その後始末がはじまっていました。
その一方で、サブカルの世界では新しい動きが顕著となっていました。
サブカル=サブカルチャー(メインカルチャーへの対抗概念)
渋谷系=90年代に流行した音楽の一ジャンル。渋谷に集積する中古レコード店や外資系CDショップに端を発して生まれたポップミュージックである。
和製ポップスは、『J-POP』と呼ばれるようになり、洋楽より人気を集めるようになりました。また、夜の社交場は、ディスコから『クラブ』へと移行し、ヒップホップやクラブサウンドが俄然注目を集めていました。
クラブ=女性が接待するクラブでなく、ダンスとミュージックを主体とした社交場
音楽では、渋谷系と呼ばれるジャンルが俄然注目されていた。代表的なアーティストは、ピチカート・ファイヴ、オリジナル・ラブ、フリッパーズ・ギターなど。
またストリートが注目されるようになり、ファッションもそれを意識したストリートカジュアルが流行していました。その後、裏原宿といわれる場所には、ストリートブームを牽引するショップが次々とオープンしました。
ビームスやシップスといったセレクトショップが、デザイナーズブランドに変わって、ファッションおよびライフスタイルの流行を創り出すようになりました。
さらには、80年代新人類として注目された『おたく』は、カタカナの『オタク』として定着し、90年代サブカルの一大勢力として台頭していきます。
街では渋谷が特に注目され、若者の一大集積地となり、渋谷経済圏というものが形成されていました。流行は、渋谷からという認識が定着していきました。
個人的には、後楽園ゆうえんちが、大人の遊園地として夜営業を開始し、『後楽園ゆうえんちルナパーク』を、たしか92年にスタートしたのを記憶しています。
歴史ある電気街『秋葉原』が、徐々にオタクの聖地化へと変貌しはじめていました。アニメや漫画の専門店が、電気街に忽然と現れ、そして増殖していました。
90年代は、サブカルの徒花が咲いた時代
これらに共通するのは、いわずもがなのサブカルです。サブカルチャーとは、メインカルチャーと対比される概念として、70年代後半以後〜定着化しました。
メインカルチャーを伝統(既成概念)に基づいた文化とすれば、サブカルチャーは、端的にいえば大衆の文化ということができます。サブカルは、漫画やアニメ、ゲーム、ポップミュージック、その他多くの派生する領域を包含しています。
今夜はブギーバックは、90年代前半を代表する楽曲であるのは間違いないでしょう。ちなみに90年代後半は、安室奈美恵さんではないでしょうか。
その証拠に、セレクトショップ『ビームス』は2016年、40周年を記念する行事として、時代を象徴する楽曲とともに、ファッションの変遷史をMVにしています。その第一弾として製作されたMVの楽曲が『今夜はブギーバック』でした。
まさにその時代の気分を象徴している、と言っても過言ではないでしょう。
ダンスフロアーに華やかな光
僕をそっと包むようなハーモニー
ブギーバック シェイク・イット・アップ
神様がくれた 甘い甘いミルク&ハニー…………
小沢健二 今夜はブギーバック
リリース:1994年3月9日
作詞:小沢健二
作曲:小沢健二、 BOSE、 アニ、 SHINCO
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