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■小説自作|アイドルも楽じゃない! その6「サンタフェを超えてやる」

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もはや後はない、裸も辞さない覚悟だ!


「指原の乱」より 指原莉乃

 指原さんは、やっぱり面白いわ。と「指原の乱」を見て思った次第である。このところ引き気味であったが、若干引き戻された気持ちである。おっさんは、甘いかもしれない。なにはともあれ、そういうことで今回の小説もどきは、「指原の乱」をそのままパクった内容である。いわば、2次創作というものである。しかし、あくまで想像的産物である事をご了承ください。では、いざ。

■アイドルも楽じゃない! その6「サンタフェを超えてやる」
作:cragycloud
登場人物:アタシ(トップアイドル、ただしオッサンに支えられている)
    :監督(体が大きい)

やるときは、やるのだ。なんてね!

 アタシは、なんたってトップアイドルだ。しかし、世間はそうは見てくれていないようだ。それが、何とも残念だ。なんでだよー、総選挙一位なのに。

 そんなことを思ってたら、なんとアタシの冠番組が始まる事になった。これは、なんとしてもトップアイドルとして面目を保ちたいところだ。

 やれることは何でもやってやると気合いも新たに入れ直してみた。とは言ってみたところで、ま、なるようにしか、ならないけど。

 番組は、なんとアタシのやりたいようにしていいと言う。なんて、いい加減な番組なんだよ。しかし、演出は、あの体の大きい監督だ。これはある意味では、いい加減だがそうではない。というギリギリのところを狙ったものだと思う。

 よし、アタシの企画力を見せてやろうじゃないか。いい加減な感じにあえて見せるというのは、アタシの面目躍如の場だろう。そんな訳で、アタシは思いのほか気合いが入っていた。

 ところで監督は、最近ますます体が大きくなったようだ。一体いつまで成長するんだろう。もっともそれは、気のせいかもしれないが。しかし、ときどき鬱陶しいと感じるときもある。背もたけーし、また厚さもあるのだ。何食ったらそうなるんだよ、などといつも思ってる訳である。

 しかーし、ま、やさしくて才能のあるオッサンである。何故か、アタシを贔屓目にしてくれるので鬱陶しいのは許すことにしている。

「ところで何をするかだな。それを決めないと」と監督が言った。
「一位になった記念になることがしたいなー、あとはファンのためになること」とアタシは言った。

「そ、だねー、でも予算もあることだから。どこかとタイアップなりしないとね」
「そう、そう。でもアタシはそういうことは、判らないから監督よろしくお願いします」と言って、慣れないウインクをしてみせた。

「なんだ、それは。オレも知らないよ。しかし、あんたのブランド力次第かな」

 そんなことで、アタシのトップアイドルとしてのブランド力を頼りに資金?を集めることから始める事になった。監督は、頼りないブランドだなーとか言っている。うるせー、一言余計なんじゃーとアタシは、思っていた。なんたって深夜番組だから予算がない。

 何かをするには、当然のごとくタイアップが必要なのだ。これは仕方がないが、メンドーでもある。

 しかし、深夜2時からって、一体誰が観るんだ。信じられないわよ。せめて12時ぐらいにしてほしいと切に思っていた。一位なのに、なんでだよ。


指原莉乃と体の大きな監督(福田雄一)

若干吹かして、タイアップを獲得する!

 何をやるか、それが問題であった。一応は、企画らしい物が固まってきていた。それは、アタシがやりたいことを実現する過程をドキュメンタリータッチで撮るというものだ。しかし、ただのドキュメンタリーではない、そこは監督らしく演出がありそうである。

 また、アタシは、普段通り振る舞っていいということだ。それはいいが、何と言ってもアタシが何をやるかが、一番のネックだ。

 それが、たぶん番組の肝だろう、なんて思っていた。そんなとき、ある筋からこんなのあるよ、と見せられたものがあった。それは、あの宮沢りえさんが、20歳頃に撮った「サンタフェ」という写真集だった。

 当時、絶頂期にあった彼女が、見事にすっぽんぽんになったことで話題になったらしい。なるほどねー、とアタシは思った。

 アタシのアンテナに引っかかったのは、彼女が絶頂期の最中にすべてを晒したことであった。アタシは、スキャンダルは晒したが、裸ははまだ晒していない。むむー、これはいけるかもしれない。とアタシの直感は、ピコン、ピコンと鳴っていた。

 そして、監督との打ち合わせの場で毅然と言い放っていた。

「監督、アタシ、サンタフェやります」と言った。
「な、なにー。サンタフェってあれだぞー、いわゆるすっぽんぽんだぞー」

「そです。アタシにはもう何も隠す必要はありません。だからです」

 といつになく毅然とした口調で言ったつもりだったが、監督は疑心暗鬼のようだ。しかし、アタシは本気になっていた。いまだから出来ることを残したいと。

 監督は、それから、やれ胸がないとか色気が無いとか、さらに買う奴がいるか検討も付かないとか失礼なことを散々吐き散らした。しかし、それでもアタシのやる気は削がれなかった。いいじゃないか、胸がなくたって貧乳フェチがいるかもしれんじゃん。

 それより自慢の美脚があるし、ある程度は貧乳を補えるかもしれない。だろー、だろーと思っていた。

 それやこれやで、写真集でいくことがほぼ決まった。監督は、なんだかなーという顔をしているが、このやろー、ほんとはアタシの貧乳が見たいんじゃねーのか。と思っていたが、辛うじてそれを押しとどめていた。ま、最終的には、それもあんたらしいかな。

 ということで納得してもらった。さて、あとはお金を出して製作してくれる出版社を探さなくてはならない。

 そして、カメラマンもである。これには、当てがあった。出版社は、アタシの在籍するグループの写真集を出しているところを、すべて当たってみた。そのなかで、頭は禿げているが、優秀という噂の編集者がいる出版社が見込みありとなった。

 そこで、早速その出版社に出向く事になった。この過程には、すべてカメラが同行していた。また、当然の如くあの体の大きな監督もである。


左から 監督 指原 若干頭髪の薄い編集の方

編集者の目は笑っていなかったが、大きな収穫を手に入れた!

 出版社に到着すると、剥げの編集者はいた。彼は、なんとアイドル写真集の責任者だった。これは、いいぞと思っていた。編集室には、いろんなアイドルの写真集のポスターなどが貼付けられていた。挨拶も程々にして、早速本題に入った。

 編集者の前に椅子を持ってきて、そこに座った。そして、アタシは、単刀直入に言っていた。

「サンタフェやりたいんです」と言った。
「はー、何ですかー。いきなりー」

 と剥げの優秀な編集者は、未だ納得せずという顔をしながら、目は笑っていない。怖い奴だなー。

「すっぽんぽんになります。それから、貝殻水着付けたり、海藻も身に纏います」とアタシは勢い良く言った。

「また、またー。ほんとにー」と言って、メガネを外した。

「どうですかー。アタシで写真集出しませんか」と言った。そしたら、また監督が横から言った。

「しかし、どうですいかねー。胸ないし、あれですよね」

 とか分け判らんことを言っていた。だまれ、だまれ。胸がないのが、そんなに問題かー。アタシは、切れそうであった。がしかし、ぐっと堪えて監督が黙るのを待った。そして、言ってやった。

「サンタフェ超えてやりましょうよ、ね」と、やさしく囁くように……。

 監督が、横からまじかという顔して冷ややかに見つめていた。それを確認したアタシは、もう一回言ってやった。

「サンタフェ超えてやるーーー!」

 と、今度は、どこまでも届けと言わんばかりの大声を出していた……。そして、その声は編集室の部屋にこだまして、ビル全体に響き渡るかのようであった。

アイドルも楽じゃない! その5「サンタフェを超えてやる」おわり

指原莉乃の冠番組「指原の乱」(テレビ東京)は、水曜深夜の午前2時頃から放映されています。パクったので、一応宣伝しときます。

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