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■世界|トランプ大統領がやってきた ジョーダンでなく、本当のことだ!

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最低と最悪の対決は、最悪の勝利に!

 2016年11月8日、アメリカ大統領選挙の投票が行われた。その結果、まさかまさかの大番狂わせが起きた。メディアでは、前日まで90%以上の確率でヒラリー・クリントンが勝利するといわれていた。

 しかし、蓋を開けてみれば、その結果に多くの人々が唖然として開いた口が塞がらなくなってしまった。よもや、まさか、万が一にもないと思っていたドナルド・トランプがアメリカ大統領になってしまったのだ。

 どーいうことよ!と多くの人は思ったに違いない、なぜならマスメディアのほとんどは、前日までヒラリー勝利を打ち出していたからだ。アメリカのメディアはこぞってトランプ叩きをしていたが、それがなんの効力も発揮しなかった。

 メディアの胡散臭さが、それだけ浸透し認知されていた証に違いない。メディアが先導し世論を作り上げた時代が終焉したことを物語っている。

 45代アメリカ大統領ドナルド・トランプは、いったい何をしてくれるか。それが、いまでは最大の関心事となった。

本命ヒラリーの失速、トランプ勝利の背景

 ヒラリー・クリントンは、何年も前から次期大統領の本命とされていた。そして、いよいよのその本番を迎えた当日になって、トランプにひっくり返されてしまった。それはなぜだろうか。

 ヒラリーには、味方につけて損はない大きな存在が背後にあった。それは、アメリカの政治エリート、金融をはじめとした大企業群、軍産複合体を構成する勢力など、いわば既存の権益を代表するグループであった。

 かれらは、新自由主義、またはグロバーリズムを推進し、格差を拡大することをしてきた中心勢力だった。富は全体の1%に集中し、残りの99%は奴隷化の進展が余儀なくされていた。もはや努力が報われない世界に突入していた。

 かつて、ローマ帝国では「ローマ人でなくては人にあらず」といわれたとか。しかし、そのローマ帝国もやがて滅んだ。それとおなじく、新自由主義やグローバリズムという化け物も、我が世の春を謳歌し同時に格差を広げていた。

 ヒラリーはそんな化け物を背後にしていた。しかしグローバリズムの恩恵に属さない99%の一般大衆は、ヒラリーの正体を見破っていた。

 その結果、新自由主義、グローバリズムへの反動が、一気にヒラリーに向かいNOを突きつけていた。これは、いつか来る道であったに違いない。それがいま、大統領選挙で如実に現れたと言っていいだろう。

 ヒラリーが見ていた世界は、あくまで既得権益者たちであり一般大衆ではなかった。よって、「奢るもの久からずや」を地でゆくことになったといえる。

<ヒラリーの背景/要約、掲示板より一部引用)
・軍産複合体…ワシントンの政治エリート、軍部中枢、軍需産業、イスラエルなどで構成される。
・グローバリズム推進…新自由主義経済を根底にした金融、その他大企業群
・富裕層..全体の1%に富が集中している
・既得権益者…エリート、大企業、ハリウッドスター、マスメディアなど
・追加として…ロスチャイルドの勢力(ユダ金帝国のシステム)

エリート層「グローバル化こそ絶対正義!自由貿易・移民受け入れに反対する人間は悪!」

大衆「工場は途上国に移転するし、移民が安い給料で働くせいで俺達の給料が上がらない…」

グローバル化により世界規模で膨らんだバブルが崩壊

大衆「外国のバブルが崩壊しだけなのに、なぜかクビ切られた…ローン返せないから家を売るしか…」

エリート層「暴落した株と不動産の買い占めウマー!税収が減った?年金を減らせ!」

大衆「俺達の生活が良くならないのはグローバル化のせいだ!EU離脱!トランプ支持!」

エリート層「やべぇ、マスコミ使って大衆を洗脳しないと…」

マスコミ「反グローバリズム化は危険な兆候!ナショナリズムやポピュリズムの台頭を防ぎましょう!」

選挙結果…本命ヒラリーを退けて、トランプ大統領が誕生した。

トランプは公約を果たすか

 一方、トランプの本心はどこにあるか。本当に公約を果たすのか、それがこれからは問われるに違いない。

<トランプの公約/選挙演説などの政策>

 トランプ氏は、メキシコとの国境に壁を作るとか、イスラム教徒の入国を禁止するとか、実現不可能と思えるむちゃくちゃなことを言ってきた。

 たぶん、トランプ支持者もむちゃくちゃな公約が実現するかどうかよりも、どこまでやるかに関心があると思われるがいかに。

 ちなみにトランプ氏の代表的な政策は以下のようになります。

①通商政策
トランプ氏はTPPに反対し、メキシコとカナダとの通商協定の NAFTA を抜本的な見直しを提言してきた。さらに、中国からの輸入品に 45%の報復関税を課すと脅してきた。

②外交政策
トランプ氏は、オバマ大統領が進めてきたイランの核合意は破棄する、あるいは再構築すると言ってきた。トランプ氏は日本と韓国が核兵器を開発することを受け入れると言ってきた。

さらに、 NATOとの関係を見直す、ロシアのプーチン大統領とより緊密な関係を築くことも明言してきた。

③医療保険
トランプ氏は共和党が言っているようにオバマケアを「撤廃する、あるいは別のもの取って代える」と主張してきた。代替案を示していないが、市場原理を働かせると言っている。

④税制
トランプ氏は、大規模な減税をするとして、レーガン大統領以来の税制革命を起こすと約束している。企業の利益に対する税率を今の最大35%から最大15%に引き下げると言う。また所得税についても最大 39.6%から引き下げると言う。

⑤最高裁判事
最高裁は今、保守的な判事4人とリベラルな判事4人と真っ二つに割れている。クリントン氏の支持者は、空席の9人めの判事を任命することで、長きにわたってリベラルな判決を期待していた。

しかし、トランプは議会も共和党が維持したため、簡単に任命を受けられるだろうし、場合によっては高齢のリベラルな判事を置き換えることもできる。

⑥気候変動政策
トランプ氏は、地球温暖化はアメリカの製造業の競争力を弱めるために中国が編み出したでっち上げだと主張してきた。そして、オバマ大統領と中国が合意したことで発効にいたったパリ協定を「キャンセルする」と約束してきた。

⑦移民政策
トランプ支持者をもっとも奮起させた政策であり、反対にヒスパニック系アメリカ人がトランプのホワイトハウス入りを強烈に阻止させた政策でもある。クリントン氏もオバマ大統領も不法移民であってもアメリカ国民になれる包括的な改革を後押ししてきた。

トランプの公約/参考:トランプ勝利の7つの波紋より

 行き過ぎた新自由主義、グローバリズムは是正されるのか。それともトランプもおなじ穴のムジナか、それもあと少し時間が経てばわかると思われる。

 第45代アメリカ大統領トランプ氏は、2017年1月に就任の予定である。

おまけ/トランプ氏、かく語りき

「すべてのイスラム教徒のアメリカ入国を拒否すべきだ」この発言後、与野党一体となっての非難の大合唱に包まれました。

「メキシコ人は麻薬や犯罪を持ち込む」

「メキシコは問題のある人間を(米国に)送り込んでいる。彼らは強姦(ごうかん)犯だ」

メキシコに対して「国境に万里の長城を造る」

「彼(マケイン氏)は戦争の英雄ではない。私は捕虜にならなかった人が好きだ」

「どわははは、世界は俺を中心に回っているんだ!」

グラハム議員(共和党)に対し「ばか」「間抜け」

「トランプさん、あなたはバットマンですか?」質問に対し、トランプ氏「そうだよ!」

「おい!そんな小汚い子供より、俺を先に助けろ!!金ならいくらでもやるぞ!!」

「あの顔を見てみろよ。だれがあんな顔の奴に投票するってんだ?」共和党候補フィオリーナ氏に対してのコメント

「移民なんかくそくらえ」

「貴様ーーー!!俺を誰だと思ってるんだ!不動産王のトランプ様だぞ!!」

ドナルド・トランプの名言と暴言(失言)集より

 アメリカ在住の映画評論家・町山智宏氏が、ニコ動の番組で行った選挙当日のニューヨーク・リポート。これはとても興味深くて一見に値いすると思います。とても長いのでNYリポートの部分だけ観るのがオススメです。

写真引用:http://lpt.c.yimg.jp/amd/20160826-00026497-rollingsj-000-view.jpg

グローバリズムが世界を滅ぼす (文春新書)
「雇用や産業を保護するのは間違いで、規制撤廃こそ唯一の成長戦略であり、経済のグローバル化は歴史の必然だ」と言われるが、現実はまったく逆。グローバリズムこそが経済危機、格差拡大、社会崩壊を招くという世界経済の真実に迫る。
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コメント

  1. 富裕層による政治で社会が壊される より:

    レーガンが何をしたのかは、ノーベル賞受賞者のピケティ氏やスティグリッツ教授、またロバート・ライシュの見解からも分かると思います。

    レーガンが促した富裕層減税、軍拡と社会保障削減、労働組合撲滅によって格差はこれまでになく広がりました。更にブッシュが後を引き継ぎ、新自由主義・共和党の反発によって富裕層政治は30年以上続きました。

    トランプが大統領に決まった途端「第二のレーガノミクスへ」と、日本の金融、資本家、資産家が華やいでニュースを伝える理由が分かりませんか?
    景気回復?アメリカはレーガンで「企業」と「超富裕層」の景気を回復させ、リストラで国民を地獄に落とし正規社員を減らして最低賃金で雇いいれ、トリクルダウンという大嘘によって富裕層(資本家と企業オーナー)だけが肥えて中間層が空洞化し、国民の生活は苦しくガタガタになりました。トランプはレーガン景気に載って租税回避を繰り返し大富裕層となった一人です。

    今日のアメリカ格差の原因。金融セクターの規制緩和開始、税制の累進性縮小を始めたロナルド・レーガン政権の誕生。
    労働組合の弱体化、貿易自由化はグローバル化につながり、労働者は新しい技術とアウトソーシングに置き換えられた。最富裕層(上位0.1%)の人々の所得が著しく増え、中位層が空洞化した。

    アメリカの経済100年、少なくともここ30年をリサーチしたグラフを見ると一発で理解できるでしょう。

    今日のアメリカの民主主義を破壊した張本人はレーガン・ブッシュであり、現在のファシズムアメリカを形作ったのは他でもないレーガン政権です。
    現在、レーガン(富裕層による新自由主義)政治は共和党・民主党両党に存在する既得権益層によって引き継がれている。

    『レーガン政権は、一方で「小さな政府」の掛け声の下で社会保障、福祉、教育などの予算を削減しながら、他方でそれ以上に軍事予算を増加。30年代のニューディールをはるかに超える巨大な財政支出だ。レーガン政権の「大陸間弾道弾を迎撃ミサイルやレーザーで打ち落とす」というSDI(戦略防衛構想、スターウォーズ計画)は軍事技術的には空想物語にすぎない。しかし、その空前の軍事支出は「景気対策」として行われ、『軍産複合体・金融資本』を救済したのだ。軍産複合体は、アメリカ最大の産業部門であり、また政治的、社会的にその利権構造が浸み込んでいる。
     後のブッシュ(子)政権のラムズフェルド国防長官の下で国防省は、「わが省は世界最大のビジネスです。最大の財務規模、最大の取引規模、最大の人員雇用です。国防省との取引を希望する会社は、ここに連絡を」をホームページのトップに掲げた。』
    http://www.zenshin.org/zh/ilm/2014/11/i04580301.html

    『新自由主義は80年代のアメリカ・レーガン政権、イギリス・サッチャー政権、日本・中曽根政権に始まる。新自由主義の核心は、民営化・労組破壊である。国内支配においては労組破壊を核心とする階級関係の大転覆、階級闘争の絶滅攻撃である。そして新自由主義は、外に向かっては侵略戦争である。
    -中略-
    レーガン軍拡とは、新自由主義が、その柱に軍産複合体の強化・大軍拡・戦争をすえたということだ。
    -中略-
    アイゼンハワー大統領が、1961年の退任演説で、軍産複合体にアメリカ政治がのっとられて破滅してしまうという危機感を表明したのは有名な話だ。レーガンは、軍産複合体に対して軍事費の増額を約束した。軍事産業に利益をもたらすために、戦場を陸海空から宇宙へと拡大した。これはレーガンの新自由主義の大戦争であった。
    -中略-
    レーガンは巨大な軍事支出に伴う莫大な財政赤字と貿易赤字という双子の赤字をブッシュ政権に残した。ブッシュは、財政赤字の圧力で国防費の削減を迫られた。』
    http://blogs.yahoo.co.jp/huwawatanpopo2010/30420937.html

    レーガン・ブッシュコンビによる米国の富裕層独裁支配格差社会造りは、「富裕層の減税、労働組合潰し、公営事業の民営化、社会保障切り捨て、福祉公共事業削減、軍需産業強化(戦争)、企業ロビーと政府の癒着、金融緩和、企業規制緩和」政策によって確立されました。

    結果、州政府と大企業や団体による癒着、特に保険・医療・不動産業界による詐欺・ぼったくりによる国民負担の増大と資産家によるぼろ儲け、企業の寡黙化(モノポリー化)、賃金カットや就職難やリストラが進む、道路や橋や公共施設などボロボロ、環境破壊、富裕層(大企業や資本家・資産家)だけが肥える、州予算を削るために水質や人件費を削って毒水を提供、国民の税金を軍需産業強化や金融業界救済へと勝手に振向ける。
    大企業や富裕層は政治家とつるみ、メディアは企業プロパガンダ機関として国民を騙す。
    貧しい州のゴーストタウン化、国民の健康も生活水準も益々苦しくなり、現在のプルトクラシー(富裕層による政治)は、強欲なアメリカの大金持ちたちによって確立された。

    世界の問題のほとんどの原因は「格差」から起こります。トランプは格差を縮めることが出来るでしょうか?

    • cragycloud より:

      当サイトをご覧頂きありがとうございました。
      とても内容の濃いコメントであり、興味深く読ませて頂きました。