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■社会|日本マクドナルド売却か?米国本社は撤退準備らしい

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プロ経営者はいま何処?これも想定内なのか!

これがプロ経営者のやり口か、資産売却して利益は本社へ?

 日本マクドナルドは、かつて”ファストフードの概念+日本的経営手法”で外食産業に新しい潮流を起こした。しかし、90年代後半から不調に陥り経営は空回りしだした。その結果、米国本社は、日本の実質創業者を追い出してプロ経営者をトップに据えた。そして、日本的経営を根絶し、米国流の合理性重視の経営にシフトした。

 具体的には、経費削減とコスト意識を重視し、サービス内容や店舗形態を見直していくことで利益を増大化させることを目的とした。ベクトルはまさにコストカッターであり、リスクは他に押し付けていく。24時間営業で利益を重ね、さらに直営店をフランチャイジーに売却し利益を上乗せしていた。

 利益は取れるうちに取っておこうとばかりの経営手法は、米国本社の意に添った行動と思われる。そして、その最終仕上げが、事業の丸ごと売却で資産利益を確保するということになるか。これは、最初から仕組まれたことかもしれない。そうであれば、経営能力に疑問だらけの現トップを更迭しないことも納得である。

<日本マクドナルドの迷走の経緯>
・03年、藤田田退任。04年、元アップルの原田泳幸氏が社長に就任する。
・米国で成功した手法を日本でも取り入れていく。作り置きからオーダーを受けてから作る、「メイド・フォー・ユー」と呼ぶ形に変えた。そして24時間営業を開始する。
・24時間営業や地域別価格の導入で一時の不振を払拭し売上高は大きく伸びた。
・しかし、利益率が向上せず、それを問題とした米国本社は、07年から直営店をフランチャイジーに売却することにした。

・直営店を売却すると同時に店長、幹部社員などをリストラしていく、それによって不振の直営店と共に人件費を削減し、利益率を向上させた。
・07年に4997人だった日本マクドナルドの従業員数は、13年には2764人まで減った。
・コスト削減と資産売却の効果で11年には最高益を出した。
・しかし、それもつかの間、顧客の満足度が落ち始めていた。

・リストラした後、現有スタッフに過剰な負担が押し寄せていた。それに伴ってサービスの提供価値は低下していた。
・店が汚い、スタッフに笑顔がないと顧客に言われるようになっていた。
・原田体制下では利益を追求するあまり、提供する価値が忘れられていた。
・コスト削減、短期利益追求の姿勢は、ついに食材の安全まで犠牲にしていた。

・消費期限切れ鶏肉使用問題が明らかにされた。この問題の対応が後手に回り、さらに顧客の信頼を失ってしまった。
・食の安心・安全に疑念を持たれたまま、その後も売上は向上していない。
・マーケティングの専門家といわれる新社長が打ち出す商品やサービスもなんの話題にもならず効果もなかった。
・ついに3期連続減収減益、上場以来初の赤字転落という極度の不振に陥った。

・そして2015年12月、日本マクドナルド売却か?というニュースが報道される。

日本マクドナルド売却 米本社、ファンドなどに打診!株最大33%分

 米マクドナルドが約5割を握る日本マクドナルドホールディングス株の売却に向け、大手商社や国内外の投資ファンドに打診を始めたことが21日わかった。最大約33%分を売却する方針で、譲渡先は筆頭株主として経営の主導権を握る可能性がある。

 04年、原田氏が社長に就任した際、本社社員に次のような言葉を発している。

「今から新しいバスが出発する。新しいバスのチケットを買いたい人は買え。買いたくない人は乗らなくてかまわない」

 原田氏がマクドナルド本社の全社員を集めて発した第一声といわれる。原田氏の経営手法は、味方と敵を明確にして、敵に攻撃を仕掛けるところに特徴があるとされる。 原田氏が最大の敵と定めたのは日本法人の創業者で初代社長の藤田田氏だ。原田氏は藤田氏がつくり上げた経営システムと人脈を、ことごとく破壊した。

 原田氏が行った施策は、合理化や効率化を主眼としたものであった。人件費を削減し、資産を売却し、とにかく利益を出すことに邁進した。その結果、社内では人心に乱れが生じてきて、さらに顧客までをないがしろしていた。

 日本マクドナルドが現在のような苦境に陥ったのは、過去約10年間に渡る経営施策がことごとく裏目にでたことによるだろう。しかし、それを是正する経営幹部がいなかったのが不思議であるが。噂では、原田体制下で藤田時代の優秀な幹部が次々と去っていったといわれている。

 原田氏はプロ経営者としてメディアに持ち上げられていたが、結局は単なるコストカッターでしかなく、短期利益を出して終わってしまったといえる。

 おなじく外資系出身の経営者として、日産を根底から革新させたゴーン氏とは比べようもない。やったことは似ているが、ゴーン氏は合理化後に新生日産ならではの商品開発などで成果を出した。単なるコストカッターではなく、経営センスがあったというべきか。(異論はあると思うが)

 しかし、原田氏は外資系特有のやり口で合理化を進めただけで、新しいものは何も生み出していない。いや生み出せなかった。マクドナルドが、どのような価値を顧客に提供すべきか、そのビジョンが明確でなかった証だ。

 マクドナルドが、企業として顧客に長く愛される土壌を根こそぎ壊したのは罪が深いと思わざるをえない。本来、経営のプロならあるべき要素である、センスや先を見る目がなかったのではないかと思うがいかに。

 数字合わせだけの経営なら、現在のコンピュータでも十分こなすだろう。

 日本マクドナルドは、新しい企業体制で出直す方がずーと未来がありそうな気がします。昔の名前を捨てて生まれ変わってほしいと思います。

<参考>
マクドナルドで失敗した原田泳幸、ベネッセでも全く同じ破滅への道を走っている模様

マクドナルド凋落の元凶がついにわかった(プレジデント)

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