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■社会|中国の最新動向 バブル崩壊もなんとやら、爆買いは不動産にも

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中国の不動産爆買い、北海道が乗っ取られる勢いとか

日本がチャイナタウンになる日は近いか、否や

 中国はバブル崩壊も、超多額の債務も、お構い無しに猛進し続ける気か。

 中国のバブルは弾けたのか、そうではないのか。それが甚だ理解しがたい状況にある。なにしろ中国本土では、またしても土地投機が活発化しているとか。その資金がどこからきているか、それは言うまでもなく政府筋であると思われる。

 中国では、成長し続けるために投資が不可欠となっている。そのためには多額の資金が必要だ。それをどこからか調達して、市場(とくにインフラ)に投入し続けている。いわゆる自転車操業に陥っているといわれている。

 中国の経済成長率は、6.9%といわれている。これを金額に換算すると約80兆円ずつ成長していることになるそうだ。

 しかし、あるメディアの報道では、約80兆円成長するために、年約300兆円の債務を増やし続けているといわれる。

中国の債務の山と経済の崖 数年以内に債務危機(世界のニュース)

 とても収支が合うようには思えないが、中国では貸し倒れリスクもなんのその、とにかく成長を維持するために多額の投資という債務を増やし続けている。

 目的と手段が入れ替わって、とにかく投資するという手段が目的化しているように思える。俗に言うところの、「目的のためなら手段は問わない」のが、いまの中国の政策を端的に示しているようだ。

 しかし、いくら中国が巨大であっても債務の上限はあるに違いない。それが、あとどれくらいあるのかは、誰も正確には判らないに違いない。とにかく、中国だけでなく、世界の経済にとっても残された猶予期間は短いと思われる。

 そんな中国は、多額な債務とは裏腹に、投入された資金はあらゆる方面で使われている。いま使わなければ、いつ使うんだと言わんばかりにである。そんな資金は、日本でも爆買いとなって表れているが、最近では温泉地やリゾートを買い漁る中国資本が目立つといわれている。

 北海道の有名リゾート施設「星野リゾートトマム」が、中国資本によって買収されている。住民にとって重要な水資源も一緒に買収されたといわれる。

 また、トマムに隣接する「サホロリゾートエリア」も運営会社が買収されて、実質的に中国資本のものとなったそうである。

 北海道では、中国人観光客が増え続けていて、海外観光客の約60%が中国人であるそうだ。それを垣間見た中国資本が、有り余る(と言っても借金)資本にものを言わせて買収に乗り出したと思われる。

 中国資本は、北海道だけでなく日本各地で温泉施設などを買収しているといわれる。アベノミクスも頓挫し、景気低迷にある日本では、温泉地もいまいちであるのは言うまでもない。そこで中国資本が登場と相成った訳である。

 日本の情緒豊かな温泉地が、中国資本によって、いつのまにか「チャイナタウン」となる日も近いかもしれない。

 しかし、中国の成長が止まったとき(嫌が応もなくいずれはやってくる)、それら(買収された企業、施設)はどーなるか、それが気にかかるがいかに。

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中国が観光施設“爆買い” 進むチャイナタウン化 住民に危機感「中国人の街ができてしまう」   
 占冠村の中村博村長は不安を口にする。「買収は寝耳に水だった。中国企業の会長は『トマムにも投資する』と言っているが、具体的にどういう投資がなされるのか分からない。水の問題と乱開発が心配だ。網掛けをきちんとして、水資源の確保と乱開発は防がないといけない」

 道庁関係者によると、トマム地域は水資源保全地域に指定されておらず、トマムの水源地も買収されたという。

中華秩序の回復を目指す中国

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「中華思想」、というものがある。それは、古来より中国が周辺諸国との関係を考える場合の基本となるスタンス(立場、姿勢)である。全体的な枠組みのなかで、中華は絶えずその中心にいることを意味している。

 天子といわれる中国皇帝の支配下では、「中華」は文化的、道徳的優位性において世界の頂点に君臨する。したがって、「文字通り、世界の中心である」と考えるのが「中華思想」であるといわれている。

 この「中華思想」は、最後の王朝「清」が滅亡するまで続いていた。しかし、その清王朝は、欧米列強、そして日本によって完膚無きまでに叩き潰された。清王朝無き後には、その思想も失われたかと思われたが、1949年、中国共産党が国家を樹立、それはまごうかたなき、新しい王朝の誕生といえた。

 中国共産党は、国家樹立後すぐにチベット、ウイグルを中国に併合した。かつての王朝、「明」や「清」よりも広い領土を獲得していた。

 ここから、中華秩序という「中華思想」の再来がはじまった。毛主席時代は、まだ国家が安定せずに世界から孤立化していたが、「文化大革命」という未曾有の粛清を経て、いよいよ中国は世界の中心に向けて動き出していく。

 実質的な指導者となった鄧小平は、海外の技術や資金で力を蓄えることに専念した。それによって、世界から投資を呼び込み、中国の底上げを図っていった。

 やがて、鄧小平の計画は、身を結んで90年代、そして2000年代と中国は飛躍的な経済成長を遂げることに成功した。

 鄧小平は、中華思想を表に出さずに力を蓄えることに専念していたが、それも経済が成長すると共に、新しい指導者たちは裏の顔を隠そうとはしなくなった。中華秩序の復権という、かつての王朝とおなじ路線を歩みだした。

「世界の頂点に君臨する、世界の中心である」という中華思想は健在であった。

 GDP世界第2位となり、アメリカに次ぐ大国となった中国は、もはや誰に遠慮することなく中華秩序の建設に邁進している。周辺国だけでなく、遠くはアフリカや中東、さらに欧州にも、アメリカにもである。

 そして、日本もまたおなじくである。

 かつての中国の王朝では、中華秩序のもと周辺国を支配下に置いていた。そのとき、周辺国は「朝貢」をし続ければ、中華秩序の枠組みの中に入られるが、それをしないと力で攻め滅ぼされてしまった。

朝貢=(外国人が来朝して)朝廷にみつぎものを差し上げること。

 ベトナムや朝鮮は、その代表格であり、中華秩序の優等生とされていた。ちなみに、琉球(沖縄)もおなじであった。

 現在の中国の皇帝、いや国家主席の習近平は、これまでのどの指導者よりも力を有していると思われる。なにしろ、鄧小平以来、蓄えてきた経済力や、それを背景とした軍備増強によって、国家の力が最大規模にあるからだ。

 それによって内なる敵(政敵)を潰すと同時に、世界の中華秩序化を進めている。その先にはたして何を見ているか、それは知る由もないが、もしかしたら本人(中国)もよく判っていないのかもしれない。

 ちなみに、中国が日本を最大の敵国とするのは、清を滅ぼし中華秩序(中華思想)も葬り去ったからだといわれている。

 清を最初に痛めつけたのは、英国であったが、日本がダメ押しをしたと見られているようだ、また、おなじアジアの国にしてやられたことが、一番癪に触っていると思われる。これは、朝鮮もおなじ構造であるのは間違いないだろう。

 日本の左方面の人たちは話せば判るというが、とてもそんな次元では済まないのが、中国の歴史を顧みれば理解ができるはずである。どんなもんであろうか。

参考:なぜ中国は覇権の妄想をやめられないのか (PHP新書)
なぜ中国は覇権の妄想をやめられないのか (PHP新書)

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