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■デザイン|新国立競技場のデザインは、是か否か!

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新国立競技場は、エイリアンの侵略基地か!?


新国立競技場 ザハ・ハディドの設計案

建築家・槙文彦氏が、新国立競技場に異を唱えている

関連記事:槙文彦「新国立競技場案を神宮外苑の歴史的文脈の中で考える」
http://www.jia.or.jp/resources/bulletins/000/034/0000034/file/bE2fOwgf.pdf

2020年の東京オリンピックが決定して、それに向けて早くも景気の浮揚効果や付随する関連施設の利権に対する思惑が錯綜しているようである。なかでも、オリンピックのメイン会場となる新国立競技場の新建築案には賛否両論があり、果たしてそのままのデザインで造られるのか。注目である。

個人的には、興味あるデザインである。しかし、それは中東地域のどこかにこそ相応しいデザインではないか、と思う次第である。何故、神宮外苑という歴史的にも由緒ある地域に、このようなSF映画に出てくるようなデザインでなければならなかったか。不思議である。もっとも、あのパリのエッフェル塔も出来た当初は、評判が悪かったようである。このエイリアンの侵略基地のような競技場も、いずれは周囲に馴染むのだろうか。現時点では、それは知る由もない。

有名建築家の槙文彦氏が、この新国立競技場の建築案に対して異議を発表していた。それによると、この競技場のある地区は、風致地区に指定されているそうである。

風致地区(ふうちちく)とは、1919年(大正8年)に制定された都市計画法において、都市内外の自然美を維持保存するために創設された制度である。指定された地区においては、建設物の建築や樹木の伐採などに一定の制限が加えられる。「風致」とは、「おもむき、あじわい、風趣」の意である。

制度としては、1926年(大正15年)に、東京の明治神宮周辺地区が初の風致地区に指定された。

建築家・槙氏の異論は、この由緒ある風致地区に指定された場所に、今回のデザイン及び周辺計画は適切ではないというのが趣旨である。なお、詳細については、リンク先の記事をご覧頂きたい。


新国立競技場と周縁地区

何故か、風致地区なのに規制の緩和がされたらしい

槙氏は、約30年前に新東京体育館を設計している。その際には、非常にきびしい規制が掛けられていたと述べている。それをクリアするために、かなりの労力と時間を要したようである。それに比べ、今回のザハ・ハディドの建築設計案は、歴史や景観、周辺との調和に考慮した内容に乏しいと指摘している。これは、時間を経てからでないと何とも言えないが、現時点ではその通りだと個人的には思う次第である。

また、建築案のコンペに際し、何故か特定の建築家しか参加できない基準が設けられたそうである。それは、世界的な建築賞の受賞者であることや、一定規模以上の競技場に類する施設の設計経験者であること、等々。これでは、かなり制限があり過ぎるはずのではないか。と素人目にも感じる次第である。槙氏は、無名の建築家にもチャンスを与えるべきであったと述べている。なんでも、世界でも例をみない建築家の選考基準であったらしい。


デザインコンセプトのイメージ

今回の建築案では、競技場の収容人数を8万人としている。それも固定した施設として造るらしい。しかし、ロンドンなどの競技場では、固定2万5千人であり、残りの5万人の席は仮設であったらしい。これが、現在では世界の流れであるらしい。8万人の競技場の維持費用は、きっと莫大になるに違いない。この施設に天下る官僚がいるに違いないだろう。その受け皿として大きな施設が必要なのかもしれない。

そこで、槙氏はいまからでも遅くないから、もう一度見直す機会を設けるべきと提案している。その際には、「外苑の歴史、環境、法規を熟知した建築家、耐震構造、日本の施工技術に精しい人々からなる日本チームを参加させることがより良い結果を生む」と述べている。それは、官僚の意見や、昨今増えている“私がルールだ ”という建築家の傲慢を抑える効果があるはずである。

建築家ザハ・ハディドは、日本の歴史や外苑地区の成り立ちなどを調査・分析したとは思えないが、いかがだろうか。どこかの国へ提案したアイデアを踏襲して造ったとしか思えないのだが、如何に。


新国立競技場の計画地 右下の東京体育館と比較するとその大きさが判る!

そもそも神宮外苑地区とは、なんであるか

明治神宮および、その内苑と外苑は以下のような経緯で出来たようである。

1912年、明治天皇崩御の翌年、民間有志、渋沢栄一、時の東京市長であった阪谷芳郎等の請願を受け、天皇奉祀の神社、明治神宮建設の端緒が開かれる。現在、明治神宮があるところを内苑と称する。そして、明治神宮外苑(以下外苑という)が提案され、内苑に対して外苑は公園、特にその後各界からの要請に応じて、市民に広く開放されたスポーツを中心とした公園として整備されていく。しかし重要なことは、当初より内苑、外苑、そして表参道、裏参道が一体として計画されてきたことにある。(槙文彦「新国立競技場案を神宮外苑の歴史的文脈の中で考える」より)

この外苑地区を訪れた経験がある人は、たぶん次の様に感じたはずである。青山通りから絵画館を望む、銀杏並木が続く通りを歩くと、何故か、懐かしさと同時に厳かな雰囲気が漂っているのである。たぶん、このような雰囲気を漂わす西洋的空間は、東京でも僅かしかない貴重な場所である。そのように個人的には感じた次第である。しかし、考えてみたら、この地区にはずいぶん長いあいだ訪れたことがないのであった。あしからず。


青山通りから銀杏並木の通りに入って、絵画館を望む景観


神宮外苑地区の地図

TOKYOオリンピック物語

コメント

  1. 。。。 より:

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    そもそも新しいの入りますかね?今のでも十分開催可能だしこんなのにお金かけるくらいなら少しでも借金返せばいいのに。。日本じゃオリンピック以外のスポーツで8万人なんてはいる方が少ないと思いますし。
    ミクロなオリンピックを目指すなら低予算も目指してほしいです。

  2. beingwild より:

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    > そもそも新しいの入りますかね?今のでも十分開催可能だしこんなのにお金かけるくらいなら少しでも借金返せばいいのに。。日本じゃオリンピック以外のスポーツで8万人なんてはいる方が少ないと思いますし。
    > ミクロなオリンピックを目指すなら低予算も目指してほしいです。
    コメント有り難うございました。
    たしか、東京はコンパクトで低予算を売りにしていたと思ったが、そうではなかったのか、いつのまにか土建業界の思惑どおりに進みそうで相変わらずと思う次第です。3000億円の試算を1800億円という建築費でまとめようとしているが、それでも膨大な費用に変わりはないと思うが、如何に。なんだか、楽天の不当表示みたいだ。当初の1300億円の底上げを狙ったのか、などと勘ぐりたくなる。beingwildより