■社会|選択と集中の行方 オンリーワンなバカ!

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オンリーワンというバカを宣言する経営者たち!?

選択と集中という経営戦略は、何処へ!

関連記事:選択と集中の“罠”、一極集中を突き進んだ誤算
http://biz-journal.jp/2013/08/post_2752.html

2000年代に流行った経営手法といえば、なんと言っても「選択と集中」ではないだろうか。なんでもかんでも「選択と集中」を行えば、経営は回復するという風潮があった。それは、人員の削減の言い訳にもなったので企業の経営陣は積極的にこの経営手法を選択したのである。たしかに、一時的に経営環境が回復する企業もあったが、その多くが現在は苦境に直面しているようである。

「選択と集中」とセットで言われたのが、「オンリーワン」である。これも、当時はやたらと持ち上げられていた。スマップが歌った「世界に一つだけの花」のヒットもあって、それは一般にも浸透した。たしかに人間のDNAは、オンリーワンかもしれないが、それが良い人間ばかりでないことは現実が示している。オンリーワンは、怪しげなコンサルの良い商売のネタとなったはずだ。これで、鴨になった企業は数多くあるに違いない。

コンサルのなかには、我々はオンリーワンの集団だとバカを宣言する輩もいた程である。これを見抜けなかった企業経営者の罪は万死に値するだろう。

少し考えてみればオンリーワンなど早々あるものでないことなど、明白であった。また、悪いオンリーワンもあったのである。たとえ本当にオンリーワンであっても、真似されて追いつかれるのが宿命であった。実をいえば、ほんとの勝負はそこからであって、けっしてオンリーワンにあるのではなかった。これをいみじくも証明してしまったのが、シャープやパナソニックであった。シャープは、液晶に特化した。

パナソニックは、プラズマに特化したのであった。ともに、それぞれのオンリーワンを目指したのである。

シャープなどは、一時期は液晶テレビの成功によって「選択と集中」の優等生のように言われた。当時の経営者は、自信満々に「オンリーワンは創意である」という本まで出した。いまでは、創意ではなく、相違ではないかと思うが如何に。しかし、その後は言うまでもなく急降下しあやうく倒産しかけたのであった。あれほど、自信満々の企業が何故そうまで落ちたのか。それは、まさにオンリーワンの罠に嵌ったとしか言いようが無い。

競合他社が、そんなに早く追いつくとは考えなかったのだ。それは何故かといえば、我が社はオンリーワンだからという奢りと怠慢にほかならない。

一方のパナソニックであるが、こちらも当時はやたらと持ち上げられた。それは、マネシタ電器といわれた経営手法が行き詰まったことから、当時の社長が経営方針を大きく変えたのであった。そして、最終的には社名の変更まで行った。これらの行動は良いとしても、肝心の経営戦略を間違えてしまった。ここでも「選択と集中」に基づいて、テレビはプラズマに特化するという大間違いを犯した。

さらに問題を大きくしたのは、当時の社長の経営を高く評価したメディアなどにより、この社長はアンタッチャブルな存在となってしまった。誰もこの社長には、異論を言えなくなってしまった。そして、このことは後に莫大な赤字となってパナソニックに返ってきたのであった。

シャープもパナソニックも経営陣の無能のおかげで苦境にあると言っても過言ではないだろう。しかし、この経営陣たちは責任を感じていないようだ。何故か、苦境に陥ったあとも経営の要所に居座っていた。まるで、第二次世界大戦時の日本軍の無能な将軍たちのようにである。いや、大戦時の将軍には優秀な人もいたので、それよりはるかに悪質かも知れない。これら、家電業界の経営者たちは、何をしようとしたのか。まるで理解不能である。

特に、もはや起死回生はないだろうと誰もが思っていたなかで、大工場を新規に増設しているのである。当時の先端企業群は、ほぼ工場を持たない経営をしていたのにである。

シャープやパナソニックが苦境に陥った頃、最高潮にあったのがアップルであった。90年代の半ば、アップルは苦境にあった。もはや倒産かと言われていたはずである。ソニーに売却の打診があったとも聞いた。このとき、アップルに復帰したジョブズが行ったことは、やはり「選択と集中」であった。無数にあった商品を4つの商品カテゴリーに再編成したのである。

それは、プロ用のデスクトップとノートPC、そして個人向けのデスクトップとノートPCという4つの商品であった。この商品群に経営資源を集中させることでアップルは息を吹き返したのであった。

その後のアップルの快進撃は言うまでもないだろう。シャープやパナソニックと同じく「選択と集中」を行ったが、何かが違っていた。それは、「オンリーワンの罠」に嵌らなかったからといえるのではないか。アップルは、前述したように4つの商品群に特化したあと、徐々に関連商品群を増やして行く。しかし、それはあくまで既存商品群との融和性に重きを置いていた。そして、相乗効果が発揮できるシステムも同時に開発していたのである。

現在、シャープはアップルの下請けとして、その受注高に期待するしかないようである。

しかし、そのアップルもジョブズ亡き後、その行方がどうなるか。それは神のみぞ知るとしか言えない。あしからず。

<メイド イン ジャパン 驕りの代償/アマゾンより>
経営者という人材の劣化が組織の中から異質な考えを排除することを招き、それが「新しい価値」の創出を阻み、「メイドインジャパン」の衰退を加速させている。家電・自動車業界は浮上するのか。企業そして日本再生への道を探る渾身のノンフィクション。

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