鵺も住まない街、中国のマンハッタン
7月12日、中国が南シナ海において、勝手に権利を主張していた「九段線」といわれる境界線が、オランダ・ハーグの仲裁裁判所によって否定された。
中国は例によって、この国際判決を無視するようである。「そんなものは、どうせ紙くずだ」と、自国の都合が悪いことは全否定する姿勢を見せている。
これは、事前に予想されたことであるが、歴史を顧みればなんだか似た出来事に思い至る。それは、日本が中国(当時は清)に満州国を建国した際に、リットン調査団によって否定されたことである。
日本は、満州国を否定されて国際連盟を離脱、世界から孤立化していった。そして、そのあげくに戦争へと突き進んでいった。
中国が南シナ海から撤退するとは考え難いだろう。したがって、国際社会、東アジア各国との関係がますます複雑怪奇なものとなるのは避けられそうもない。
中国のバブルは、巷言われる様にソフトランディングするのか
中国のバブルは、毎年のように崩壊するとか、または崩壊したといわれてきた。それでも、相変わらず中国は途上国に気前のいい援助をチラつかせたり、国内では壮大な都市計画を次々と建設したりしている。
また一部の中国富裕層は、海外の不動産を買い漁っていた。英国では、100億円以上の豪邸が次々と売れていたといわれる。英国の不動産バブルは中国がもたらしていた。そのおかげで、英国の富裕層も大儲けしていた。
フェラーリなどの高級車が英国では、売れまくっていたといわれる。しかし、それも英国のEU離脱で逆回転がはじまったようだ。英国の鳩山由紀夫といわれた中国に偏っていたキャメロン首相も退陣した。
英国と中国の関係もこれまでどおりとはいかないに違いない。いよいよ中国の終わりのはじまりなのか。それはまだ分からないが、世界がさらに混迷のなかに迷い込んだのは間違いないだろう。
中国と世界の関係がこれからどーなるのか、中国の「見果てぬ夢のあと」はいかなる世界が待っているか。それが注目に価するのは間違いない。
<見果てぬ夢>
最後まで見終えない夢。心残りなことのたとえ。また,実現不可能な事柄のたとえ。
中国のゴースト・マンハッタン!
中国では、壮大な都市計画が地方都市で次々と建設されている。しかし、その多くが人の住んでいないゴーストタウンとなっている、と伝えられている。
それが本当なのかを確かめた人がいた。自転車で世界一周をしている周藤卓也さんという人である。その周藤さんは、中国の天津で建設されているマンハッタン計画とその周囲の状況を見てきたそうである。
中国の天津のゴーストタウンに行ってみた 「市民広場」という駅は閉鎖
目指すはニューヨークのマンハッタンだそうです。中国の天津にある浜海新区では大規模プロジェクトが推進されていました。人がいないのは建設途中だから。「良かった良かった。ゴーストタウンなんて無かったんだね」ということにして橋を渡った次の地区がゴーストタウンでした。
中国では、パリとかオーストリアとかの歴史地区の景観を、そのままそっくりに造り上げた街がある。それらとおなじく天津では、ニューヨークのマンハッタンを模した街の建設が進行中であるそうだ。
中国・天津のマンハッタン計画は、建設途上であるから人がいないのは当たり前であるが、問題は対岸にある同じような目的にある高層ビル街にある。そこは、建設も終わったにも関わらず、人気のないゴーストタウンと化している。
それは、高層ビル群はできあがったが、需要がないことを意味している。しかし、それでもなお、似たような街を隣に造り続けている。収支は度外視して、とにかく造り続けることが目的となっているようだ。
中国では、鉄の過剰生産で在庫が積み上がっているらしい。それを消費することが優先されて、いわば建設ラッシュが止まらなくなっている。
それにしても、都市建設にかかる費用は莫大に違いない。それをいったいどこから調達しているのか、それが実に不思議である。一説によれば、それらの資金はすべて借金であり、壮大な自転車操業であるらしいが。
中国の企業債務が1000兆円に
IMFのリプトン副専務理事は6月、中国が企業債務膨張に歯止めを掛けるよう求めました。経済会議での講演で、企業債務の拡大は深刻で、早急に対応しなければ「危険な回り道」になると警告した。
「中国の債務総額はGDP比で225%であり、どの基準で見ても非常に高い」と具体的に数字を上げました。
中国の債務はもっと多いという指摘もあり、2015年2月には米マッキンゼー国際研究所が報告書を出していました。
政府、銀行、企業、家計による借り入れの合計は、2014年半ば時点で、282%に達していたとしています。
それから約2年が経ったので、どう考えても現在は300%を上回っているでしょう。
中国・天津のマンハッタン
中国・天津に建設中のマンハッタン計画の様子は以下のようになっています。
これが全体計画の完成予想図らしい!
どこかで見たような見事までの高層ビル群が立ち並んでいる。
これらのビル群に入居者で埋まる日がやってくるのか否か、それが注目される。
隣接するゴーストタウン
こちらは、天津のマンハッタン地区の対岸にあるビル群だそうです。見事までのビル群に、これまた見事なまでに人がいません。
建設途上で放棄されたような建物も見られます。いったいどーやって資金を回収するつもりなのか。それとも、最初からその気がないのでしょうか。
中国のGDPには、このような建設も数値として反映されているようです。それは、中国がいかに見せかけの繁栄であるかを示していると思われます。
このような実需のない過剰な投資の行く末に、いったい何が待ち受けているか。
それは実に興味深くもあり、また恐ろしくもあります。パンドラの匣を誰がいつ開けるか、そしてババは誰が掴むかにかかっていると思われます。
写真引用:自転車世界一周取材中/周藤卓也
http://shuutak.com/
関連記事:中国に点在する開発後も人が居ない「ゴースト都市」の場所を特定する方法(gigazine.net)
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