また、ジャスラックが姑息なことを企んでいる!
これは著作権団体は潤うが、実創作者にとって諸刃の剣かもしれない
重箱の隅を突つくかの如く権利を主張するジャスラックが、今度はなんと複製する機能を有するPCなどのハードやその関連機器にまで徴収する仕組みを提言したそうである。元記事の内容は、以下を参照ください。
私的複製補償金で著作権団体が提言
11月14日 20時3分
音楽や映像をパソコンなどを使って個人的に複製する人が増えていることから、著作権者らで作る団体が複製する 機能を持った製品などの価格に、幅広く「補償金」を上乗せして徴収できる新たな仕組みを提言としてまとめました。 今後、国の審議会でこの提言について議論するということです。
提言を発表したのは、日本音楽著作権協会=JASRACなど、85の団体で作る「CultureFirst」です。
現在の法律では、音楽やテレビ番組を個人的に複製する場合、利用者が購入した一部の製品の価格に、 著作権者などに支払われる補償金が上乗せされています。しかし、デジタル技術の発達によって、今は補償金の対象になっていないパソコンやハードディスクレコーダーなどの製品を使って、容易に複製できるようになっています。
このため提言では、複製する機能を持った製品などの価格に幅広く補償金を上乗せすることや、そうした複製機能を提供する事業者を支払い義務者とすることを求めています。 提言した団体では、今後、具体的にどのような機器やサービスなどを補償金の対象とするべきか、さらに検討を進めるとともに、文部科学省の審議会でこの提言について議論するということです。
これは、たぶんNHKの徴収制度を念頭において発案されたのではないか。官吏上がりの狡猾な頭脳を有していないとこんな図々しいことはできないだろう。さも当然と言わんばかりの論理の展開には、そもそも違和感が漂っている。ジャスラックは、近い将来には、国民一人当たりそれぞれに保証金を課そうとしているのか。そうとしか思えない仕業である。まさに、隠れ全体主義の支配者になろうというつもりか。
たしかに、著作権は保護されるべきものであるが、行き過ぎると諸刃の剣となるのではないか。かつて、エジソンは自ら発明した映写技術を守るために様々な手段を高じて映画製作者達を監視した。しかし、それも功はなく、やがてエジソンは映画の世界から撤退を余儀なくされた。権利を主張するだけでは、映画の王にはなれなかったのである。
もし、ジャスラックやその関連団体が言うように、PCおよび関連機器類に保証金が課されればハードの企画・開発やその発展に多大な影響を与えるかもしれない。企業は、国内で新製品を発売するより海外を優先するようになるだろう。ともかく、たちが悪いのはジャスラックなどの主張する権利は膨大である。エジソンの権利なら新しい発明で変わることができるが、前述の権利ではそうはいかない。
著作権は切れるものがある一方、それと入れ替わるように新しいものが登録される。権利団体は、自らはなんの発明することなく永遠に潤う構図である。いやはや、なんとも凄まじい利権の仕組みではないか。これは何かに似ている気がする。それは詐欺としてのマルチや円天などの仕組みである。つまり、取れる可能性のあるところからは徹底的に絞り取るという点である。
ジャスラックには、かつて詐欺で活躍した人材がまぎれて活躍しているのはないか、などと勘ぐりたくなるほどである。それにしても思うのは、本来の著作権者に適正に分配されているかである。それが、オープンになっているかでずいぶんと違う。残念ながら、当該ユーザーはその辺りのことは知らない。ジャスラックの取り分は、どのくらいの歩率なのだろうか。
音楽の著作権を有するのは、レコード会社、音楽出版社、タレント事務所、そして実際の創作者である歌手、作詞および作曲者などである。なんとも複雑な様相を示している。実際の創作者が自らの権利を主張するには、製作者に成らなければならないだろう。昨今、レコード会社の存在意義が薄れたのは、その辺りに要因がありそうである。創作者は、既存のレコード会社に依存することなくインディーズで発表する方が自らの権利、利益になるのである。
既存の利益受益者であるレコード会社やそれに類する利権者たちは、ジャスラックの側に立つだろう。それは、労少なくして利益が入るからである。しかし、実際の創作者はどうだろうか。はたして、かれらはどっちに付くか。創作者たちが、自らの「諸刃の剣」で傷つかないことを祈るばかりである。
<もろはのつるぎ(諸刃の剣)>
両辺に刃のついた剣は、相手を切ろうとして振り上げると、自分をも傷つける恐れがある。一方では非常に役に立つが、他方では大きな害を与える危険がある。という例えである。
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