地方では、総合スーパーから大規模モールへ
近頃の大手スーパーはPBばっかで品揃えが悪い!
近くにあるイオンなんだが、いつ頃からかPB(プライベートブランド)ばっかりが棚を占領していて、比較的有名なナショナルブランドの商品でさえ品揃えがされていない。そんな商品カテゴリーが数多くみられる。
ある商品群では、什器の大半がPBのトップバリュでズラーと棚一面をワンアイテムで占領していた。ナショナルブランドはほんの少しで申し訳程度しか並べられていない。もはや、イオンはPBしか売らないのか、なんて思ったぐらいであった。しかし、トップバリュは製造国が書かれていないしあまり買う事はない。
どうせ中国でしょと思うのは、誰でも同じと思うが如何に。最近になってまた中国の食品製造現場のいかがわしさが露呈した。したがって、製造国表示の無い食品は買わないに越したことはない。イオンは、はたして今回の件をどう捉えているのか。喉元過ぎればなんとやらで過ごすつもりだろうか。
とにかく売り場で選ぶ楽しみがないのが、イオンのスーパーである。商品の数はあれど、PBばかりに占領されて実質品揃えは薄いとしか言えない。イオンでは、モールは絶好調らしいが、GMSや食品スーパーの売上が落ちていると言われる。それはある意味当然か。売り場の品揃えを見ているとかつてのダイエーを思い出す。
なぜもっと違う切り口で品揃えしないのか。例えば、「安心・安全・信用」でもいい。そこに拘った商品を集めましたといったことができないか。また、安さだけでなく、訳あって高いという切り口もありと思うが如何に。比較対象があってこそ選択の意味があるはず。
イオンばかりではなくヨーカドーもたいして変わりはないと思うが、ヨーカドーは近くにないので行った事はほとんどない。したがってイオンさんには申し訳ないが、集中して疑問点をあげつらうことにしたい。
イオンのPBについては前述したとおりである。何故そこまでPBに拘るか。それは言うまでもなく利益率にあるはずである。ナショナルブランド、その他商品の仕入れに掛かる費用に比べれば、もしかしたら半分ぐらいかもしれない。しかし、その反面では製造ロットは半端無くでかいであろう。したがって、大量陳列して早く売らないと在庫の倉庫がパンクするに違いない。
PBの利益率に惑わされると品揃えが疎かになる。たぶん。なにしろ、通常仕入れの商品では味わえない利益である。一時的に売り上げ好調でも将来もそうである保証はない。何故なら、ナショナルブランドの持つ開発力をイオンが持っているかである。PBといえど商品開発である。そのノウハウ、蓄積された研究などがあるはずもない。提携先の開発力に任せるしかないのが現状ではないか。
しかし、提携先も安さが売りの商品では開発に時間も労力も掛けられない。したがって、いっちゃ悪いがいい加減なものができたとしても不思議は無い。あしからず。
PBの罠、それは売上好調のときにはじまる。
1. 顧客のニーズを満たすため PBのアイテム数を増やして行く。(在庫増)
2. それでも顧客は飽きてくるのは必然である。(購入数減少)
3. PB開発とマーケティングに費用を掛ける。(コスト増)
4. PBアイテム数が増加、一般商品群の比率が著しく低下する。(品揃え、店の魅力減)
5. PB専門店化が進む、来店客数の減少化が進展する。(PBでは客はこない)
6. PBの在庫がさらに増大する。在庫セール実施。(PBの魅力なし)
7. 在庫セールでPBの価値低下、減価償却処理。(破綻処理、撤退)
PBの魅力はなんといっても価格の安さにある。しかし、比べる商品がなけりゃなんのことはないただ安いだけの商品である。イオンは、マーチャンダイジングを本気でしてるか疑問である。ナショナルブランドあってのPBである。比較対象があってこそPBが活きるのではなかったか。
そこを合理性、効率優先でナショナルブランドを駆逐してしまったら、なんの面白みの無い安いだけのPB商品だけが残るという具合だ。売り場の魅力が失われるのも無理はない。
ここまで書いてきて気が付いたことがあった。無印良品もはじめは西友のPBではなかったか。無印良品は、いまでは独立した事業体として確固たる地位を築いた。無印は、なにが他のPBと違ったか。それは、たぶん利益優先に走らなかったからではないか。また、当初に考えたコンセプトが普遍的であったのも否めないだろう。
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地方の中核都市ではイオンモールが無敵らしい!
当該ユーザーの出身地(東京の隣)にイオンモールができるらしい。リージョナル型ショッピングセンターと言われる広域集客型の大規模施設である。核にはイオンのGMSなどが入り、その他多くの専門店、映画館、娯楽施設などで構成されている。2014年10月にオープンするそうである。
このイオンモールは、各地方都市にありその名を轟かしているそうだ。なんでも地方のヤングは休日には大概イオンモールで過ごすとか。クルマで1〜2時間ぐらい掛けてやってきて一通りモール内を楽しんだあとは、カラオケやアミューズメント、そして帰りにはゲオに寄ってDVDを借りて帰宅するらしい。
仕事以外の時間の中心にイオンモールがある。つまり、ライフスタイルの核にイオンモールが鎮座し、そこを中心に街が形成されつつある。そんな感じらしい。まさにイオン城下町の出現である。
なんだかすごいらしいとは言ったものの当方は、このモールに行ったことがない。地方のパラダイスはここにありと言われるこのモールに行ってみたいかと問われれば、とくに行きたいとは思わない。それは何故かといえば、中高年になったからである。なにしろ、駐車場や他の入り口からでも施設内までが遠そうである。
駐車場は、たぶん3000台とかあるに違いない。そんな場所から目的の施設内までどんだけ歩けばいいのか。考えただけでも面倒になってくる。
おじさんは、めんどがーいやだ。歩くのも省力化したいのである。
ショッピングモールは、土地と一定規模の人口、そして資本があればどこでもできる。一方で、地方には失われてもはや再興できないものがある。
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失われた界隈のある街
それは界隈である。この意味は、近辺とか、周囲とかである。分かりやすくいえば、街の周囲に広がる網の目のような商業地帯ともいうべきか。中心街を核に路地に隈無く広がる商店、娯楽施設、飲み屋などである。
そんなものは地方にもあったと言う人もいるはずだ。しかし、その人は出身地に何年も帰っていないのではないか。それは何故か。言わずと知れたシャッター街となったからである。失われた界隈は、いまではシャッター街であり、それは二度と蘇る事は無い。その理由は大規模施設の方が合理的であるからだ。
界隈は、いわば血の通った道筋ともいうべきものである。つまり人が長年掛けて作り続けてきた温もりがあった。しかし、ショッピングモールには、それを望むべくもないだろう。違うか。
界隈を楽しむには、いまや東京や京都、または大阪などに行く必要がある。本当に大切なものは、何故か大都市にしか残されていない。地方は、どんどん画一化されて来店客はまるでロボットか何かの様に同じ事を繰り返す。いやはやである。
<人があつまる―浜野安宏ストリート派宣言 界隈・生活地・棲息都市 >
一本の道からでも都市はつくれる。今最大の危機は自然の中では川であり、街の中ではストリートである。人にとって快適なストリートを再生し、創造し続ける。著者が30年の沈黙を破り、再び人間の街路を守る。
街づくりの毛語録ともいうべき、バイブルのような本。都市計画、都市デザイン、街づくりに関わる人はもちろんのこと、生活空間をより快適にしたい人、都市生活をもっと楽しみたい人、人生を豊かにしたい人は是非、この本を手にとってもらいたい。東京という都市が土木工学的な官僚制度で蹂躙されている中、フロム・ファースト、東急ハンズ、新宿西口の三井ビルのプラザ、キャットストリートなど、東京の快適なストリート空間の多くは、著書の浜野安宏氏の手によっていたことを確認し、改めて氏の都市と人間の関係性の理解の深さを知ると同時に、その慧眼に本書から強い感銘を受けることができる。(アマゾンレビューより)
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