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■書籍|虚構 ライブドア事件 


Casa BRUTUS特別編集 知られざる「六本木ヒルズ」 完全ガイド (マガジンハウスムック CASA BRUTUS)

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ケイツネ50ね、カッコイイジャン!

ライブドアは、何故か、いまでも気になる会社である。もちろん、現在の会社ではない。堀江貴文(以下、堀江)のいないライブドアは、わさび抜きの寿司のようなもんである。良い悪いは抜きにして、彼の存在感なくしてライブドアは成り立たなかっただろう。

ところで、堀江はそろそろ出所の時期が近いのではないか。それはさておき、先日、ライブドアのナンバー2として君臨していた宮内亮治(以下、宮内)の本を読んだ。

事件後、自身への誹謗中傷が相次いだので、それに対する反論という形の本である。タイトルは、「虚構」と付けられている。なるほど、これはライブドアが虚構なのか、それとも、堀江が虚構なのか、あるいは、検察が虚構なのか…。

やはり宮内自身のことなのか、または、それら全てを指しているのか。ちょっと意味深なタイトルである。

ライブドア買収、最初の利益の付け替え

堀江の会社である「オン・ザ・エッジ」(2000年上場)は、2002年「ライブドア」を買収し会社名もあっさりと同名に変更した後、ポータルサイト事業を柱としていくことになる。しかし、ポータルサイト事業は、なかなか赤字から脱却できない状態にあった。宮内をはじめとする管理部門の責任者達は、何とか黒字にする為に知恵をしぼる。

当時、唯一利益を上げていたファイナンス部門(宮内が責任者)の小会社である投資会社「キャピタリスタ」が、ポータル使用料として毎月7,000万をポータル事業部へ支払うことで、何とか黒字を確保した。

これ以降、破綻するまで利益の先食いのようなスキームは常態化していくことになる。2004年11月、堀江はプロ野球球団(近鉄)の買収をぶち上げた。知名度は上がったが、それでも赤字体質に変わりはなかった。

利益は、ファイナンス事業から

破綻直前の2006年1月、ライブドアの売上は780億円。時価総額は8,000億円であった。しかし、この頃でも利益の大半はファイナンス部門からのものであった。

次々と買収する会社も、その将来性というよりも投資会社と化したファイナンス部門の利益になるかどうかで判断されたようである。宮内はあくまでポータルとの相乗効果を強調するが、それは怪しいと感じること大である。

2005年初頭に起きたニッポン放送株の争奪戦は、まだ記憶に生々しい騒動である。この騒動の核となって活動したのも、またファイナンス部門であった。

宮内の率いるこの部門の社員は、ディールを成就させると利益の10%を受け取れる仕組みになっていたそうだ。ある社員の例として、60億円のディールを成功させ5,000万円の報酬を手にしたそうだ。ライブドアの他の部門とは格段に違う報酬体系だったのである。

一方、社長の堀江が率いるポータル事業、メディア事業では、ほとんど利益は出ていない。しかし華やかな話題を提供し、株価を上げる役割には貢献していた。宮内に云わせれば、堀江は先見の明はあっても育成能力がなかったようである。

ニッポン放送騒動、その後

2005年4月、ライブドアはニッポン放送株に絡みフジテレビ・グループから1,340億円を手に入れた。同年5月頃、堀江は持ち株の一部を売却し140億円を手にした。

その後、堀江は自家用ジェットを30億円で購入している。高値で売り抜けていたおかげで刑務所から出所した後も悠々自適だろう。当然、宮内以下の幹部もこれに習うようにストックオプションで手にした株を売却しているに違いない。

宮内は、この頃だと思うが、フェラーリを買ったり、給料なんて入らない程儲けていると云うニュアンスの言動をしていたはずである。

ライブドアとは、何だったのか。堀江は、いまでも多くのファンがいるようである。彼のトリック・スター的要素は確かに魅力的である。

しかし、彼を事業家として捉えるのは、もう違うのではないか。彼は何も成していないではないか、違うだろうか。たまたま運が良かったのであると思う。利益を生んでいたのは、法律すれすれ(今では違法もある)の活動であった。それを成したのは、宮内以下のスタッフであった。

宮内はいま、何してる?

宮内は、この本のなかで、今後は中国ビジネスをしていく、とある。中国人事業家と組んで投資業務やソフト開発、不動産開発、そして飲食事業なども手がけたい、と書いている。それが成功しているのか、わたしは知らない。

しかし、彼は、一度も実業を手がけたことがないのではないか。その安穏とした、自分がやれば成功するという自負に、疑問を感じるのである。

彼が、ライブドアで特定の成功を勝ち得たのは、ライブドア株という裏打ちされたものがあったからではないか、と思うのであるが…。いかがだろうか。

宮内は、ライブドアを失敗と捉えているが…。堀江は何を考えているのか、まったく分らない人だ。ま、常識の範疇で捉えられる人物でないことは確かだと思う。

冒頭のタイトル、「ケイツネ50ね、カッコイイジャン!」の意味は、堀江が経常利益を50億にしろと宮内以下の幹部に言い放ったときの言葉だそうです。

虚構 堀江と私とライブドア  

06 社会/他
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