神経が魅力的とは、此れいかに
女性の感情は、オトコにはなんとも理解しがたい
女性の感情の起伏が激しいのは、今更言うまでもない。昨今では、中高年もそのような傾向にあるとか、ないとか。それはさておき、今回紹介するのはレベッカが、1987年に発表したアルバム「POIZON(ポイズン)」に収録されていた「Nervous But Glamorous(ナーバス・バット・グラマラス)」という曲である。
この楽曲は、なんと女性の嫉妬を歌にしたものだ。それもただの嫉妬ではない、その行為自体がグラマラス、要するに魅力的としている。なんだか、よく分からないが、一種の倒錯的な世界なのか?それは違うか。
この歌を簡単に解説すると、いわゆる三角関係を歌にしたものといえる。ただし、主人公?の女性は、恋する男性とはどうやら片思いである。彼女は、恋する男性の恋人に対する行為がいちいち気に入らない。要するにいらいらが募るという訳だ。それを歌にしたのが「Nervous But Glamorous」である。
恋人のいる男性に恋したために、なんともいえない精神状態を迎えている。そんな女性像をあからさまに表現したといえるだろう。たしか、NOKKOさんは、自身に近いエモーショナルな出来事から発想して歌詞を創造しているはずだ。とすれば、当時のことを考えれば、やはり例の男しか考えられないか。
ファンの人なら言わずもがなのギターの男である。(初期レベッカのギター奏者)
この男とは、くっ付いたり離れたりを繰り返したといわれている。90年代になってようやく結婚したが、すぐに離婚したのは、これまた言うまでもないことであった。あまりに激しい恋愛は、燃え尽きるのも早いのかもしれない。
そんなのは偏見だ!という人もいると思う。しかし、結婚してからの方が長いのが人生である。熱い想いは、やがて鎮火するのはやむを得ない。それからが、本当の深化が求められるに違いない。たぶん。
nervous(ナーバス)
【形容詞】神経質な、くよくよする、興奮しやすい、いらいらする
glamorous(グラマラス)
【形容詞】〈人・ものなど〉魅力に満ちた、魅惑的な
Nervous But Glamorous
神経質であるが、魅力的な(直訳)
しかし、何とも意味深なタイトルである。当方は、はじめなんのことやら分からなかった。ナーバス、バット、グラマラスってなんじゃ此れは?という具合であった。ちなみに、それぞれの意味は上記にあるとおりである。
神経質が、魅力的?、バットは「ただし」とか「しかし」という意味らしい。ということは、「神経質だが、それも魅力的(魅惑的)」とでも言うのか。
なんだかよく分からんが、奥が深そうな雲行きである。それも暗雲が漂っていそうだ。それもそうか、なんせ女性の感情の起伏に、さらに精神性までが絡んでいる。これには、男はノータッチである方が無難かもしれない。
「君子、危うきに近寄らず」とも言うしね。いやはや。
それはさておき、音楽性であるが、非常に個性的なムードを漂わせた楽曲に仕上がっている。曲、編曲ともに歌詞に負けず劣らずいい出来具合と感じる次第だ。個人的には、このムード(情感)がたまらなく好きである。
ただし、この楽曲は万人向きとは言い難い。なんせ、NOKKOさんの情念がこもった如くの歌声に圧倒されるからだ。この歌は、もしかしたら、レベッカ版艶歌なのかもしれない。いや、きっとそうに違いない。
なお、あくまで個人の感想なので…違うかもしれません。あしからず。
Nervous But Glamorous 1987年
銀色に光る月が Nervous but Glamorous
密やかにほそくささやく Nervous but Glamorous
眠りこんだ彼女
あなたがそっと上着をかけるのがいやで
わざと起こしたの
まるで子供じみた気分
もしもあたしが彼女を傷つけたら あなた
あたしをなぐるかしら
ガラスのビンにつめた炎は Nervous but Glamorous
痛いほど熱いの It’s Just Nervous but Glamorous
あなたにしか見えない 彼女の魅力が
特別なものだなんて 気にくわないの
星のめぐりなんて 簡単なものね
落ちればみんな そういうわ
(繰り返し、略)
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上のリンクは「まこりんさん」という人が、2003年に書いた記事です。この人やたらと歌謡曲などに詳しく、またその論評も確かです。どこの誰だかか知りませんが、今回のテーマに相応しいと思ってリンクいたしました。
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