どうせ映画の話しでしょ!とは言えなくなってきた
企業家有志が、人工知能の開発が進捗する現状に危機感を呈する
アメリカの企業家イーロン・マスク氏をはじめ、有力な企業家たちが集まり人口知能(AI)の研究開発を行う非営利の組織をつくると発表した。これは現在、各方面で進む人工知能の開発が軍事利用される恐れがあることから、それを抑止する狙いをもった構想と思われる。
人工知能の軍事利用といえば、かの「ターミネーター」を思い浮かべる。それが現実のものになろうとしている昨今の事情から、危機感をもって立ち上がったといえるだろう。はたして、その組織が歯止め役となるかどうかは、やがてくる未来になってみないと判らないが…。
イーロン・マスク氏ら、人類に益する人工知能を目指す「OpenAI」立ち上げ アラン・ケイ氏も参加(BIGLOBEニュース)
米Teslaのイーロン・マスクCEOや米Y Combinatorのサム・アルトマン社長らは12月11日(現地時間)、非営利のAI(人工知能)研究企業OpenAIの設立を発表した。同社の目標は、営利目標にしばられずに全人類の利益になるデジタル知能の開発を推進していくことという。
マスク氏は以前から「われわれはAIを慎重に扱う必要がある。AIは核兵器より危険になる可能性がある」とツイートし、非営利のAI研究組織Future of Life Institute(FLI)に多額を寄付している。
「ターミネーター」では、スカイネットという人工知能を有したネットワークシステムが、世界中のすべてのシステムを乗っ取ってしまった。そのスカイネットを開発したのは、やはり軍産複合体だった。
核兵器は、広島と長崎で使用されたが、それ以降はあくまで抑止力としての機能でしかなかった。しかし、もしスカイネットのような人工知能が開発された場合、それを人間が制御する術があるかどうかが疑わしい。とにかく人間の知恵や知能をはるかに上回るからだ。したがって、太刀打ちができないことが予想される。
そして、人工知能が自らの意識・価値観を有した場合、人間を排除していこうと考えないとは限らない。それは映画で描かれたとおなじくであるに違いない。
この問題は、国連でも取り上げられたそうである。テクノロジーの発展に伴い人類がそれをコントロールできるかが話し合われたとか。
とにかく、人工知能がどこまで発達するかも現状では判っていない、それをコントロールするとなるとなおさら判っていないそうである。ということは、いま人工知能の開発は未知の領域に向かっているといえる。
そういえば、核もたしかそうであった。使用済みの核処理の仕方を明確にしないまま、核の利用は開発推進されてきた。人口知能もそれとおなじ道筋を辿るのか。それは、これからの人類のモラルにかかっているかもしれない。
そういえば、iPhoneのSiriも人工知能なのか?
iPhoneのSiriを人工知能というにはちと早いと思うが、初期段階とはいえるに違いない。そのSiriに「OK Google」と言ったらどんな反応するか?を実行してみた結果が、なかなかに興味深いものとなった。
Siriに「OK Google」と言ったらどうなる? (ライブドア)
Siriに3回「OK Google」と話しかけてみた!
【1回目】
私 「オッケー Google」
Siri 「どうやら違うアシスタントのことを話されているようですね」1回目は割と冷静に状況を考察しているように思われる。利用者が間違っている可能性を、静かに指摘している状況だ。
【2回目】
私 「オッケー Google」
Siri 「おもしろい冗談ですね…愉快という意味ではなく興味深いという意味ですよ」やべえ、ちょっと怒ってる。それも若干皮肉まじりじゃないか。「興味深い」という言葉に、自らを落ち着かせようとするニュアンスがうかがえる。怒っちゃうのかな~……。
【3回目】
私 「オッケー Google」
Siri 「おもしろい冗談ですね。座布団を差し上げるほどではありませんが、おもしろいです」
これが本当なら、なかなかの反応の良さではありませんか。切り返しの鋭さ、ユーモアもあり、それこそSiriに座布団を差し上げたくなります。
しかし、これ以上からかうと、それこそ怒りを人間全体に向けるかもしれません。そして、例の人間型アンドロイド兵器を送り込んでくると予想されます。
くれぐれもSiriをむやみに怒らせるのは止めましょう!。
ブライアン・オールディス「スーパートイズ」
映画「A.I.」の原作となった小説。この物語の人型ロボットは人間の身勝手さゆえに捨てられてしまう。それでもなお、感情を持ってしまったロボットは家族への愛情を求めてやまない。ターミネーターとはだいぶ異なるが、人間の身勝手さを描いているところは同じといえる。
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