どん底から頂点まで上り詰めたアップルは、何処へ!
アップルの壮大な新本社ビル
アップルも、ジョブズ亡き後はソニー化が進展か!
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ジョブズが死去した後、アップルの行方には悲観論が多数あったはずである。ともかく、ジョブズあってのアップルという論点が多くを占めていた。それも、当然かという思いが、今更ながら蘇るのである。90年代のアップルはまさに堕ちる寸前だった。それを奇跡的に回復させたのはジョブズに他ならない。これは、ほとんどの人が認める事実である。
アップルには、夢が必要だったのだ。それも壮大な。しかし、それを成すにはとてつもない情熱のエネルギーが必要だ。それこそ、ジョブズであった。
アップルの歴史は省略するが、かつてジョブズは、そのあまりにも常規を逸した態度から共同で創業したアップルを追い出された。このことが、後のジョブズへ多大な影響を与えたことは言うまでもない。アップルに返り咲いてからも、傲慢な態度は変わらなかったようだが、自身への過大な報酬などを拒否し、年に1ドルしか受け取らなかったのは有名である。
ただし、ストックオプションなどは受け取ったのではなかったか。いわば、成功報酬に徹したのである。ジョブズは、多大な報酬より夢を実現したかったに違いない。
その結果として、膨大な報酬を受け取ったはずである。どこかの国の経営者のように赤字でも莫大な報酬を手にして恥じないのとは大きな違いである。肝心なのは、ジョブズの目的である。それは、如何に誰もまだ成し得ていないことをするかであったと思う。そのためなら人からどれだけ嫌われようが、構わず突っ走ることができたに違いない。
会社の幹部や社員を叱咤鼓舞し、そのエネルギーをただ一点に向けることに情熱を注いだはずだ。それに向かない社員は容赦なく首にすることも厭わなかったのがジョブズである。
このように書くとなんだか、日本のブラック企業のように思えるが、大きな違いがその報酬にある。アップルの社員は高給である。待遇も申し分ないはずだ。さらに、なんらかの貢献が認められればストックオプションで莫大なボーナスを手にすることができる。日本のブラック企業のように安く、長時間働かせるために足かせをはめるのとは違うだろう。
ジョブズも若い頃は、創業から一緒の社員に自社株を与えなかったことがある。
ジョブズの不可解なところであるが、たぶん当時の彼は会社の成功は自分のおかげである。という自覚が強過ぎたのではないか。それが高じて、たとえ創業時の社員であっても大して貢献していないと傲慢に考えたに違いない。と想像する。
しかし、そのような狭い了見の頃と違い、愛するアップルを追い出されたことで得たその後の経験が、復帰後のアップルでは活かされたはずである。
現在のアップルは、ティム・クックCEOを中心とした最高幹部による合議制で経営されているようだ。クックは生産部門の責任者とし辣腕を奮ってジョブズの夢の実現をサポートした貢献者である。しかし、彼は開発の責任者としては未知数である。というよりは、たぶんできないだろう。
したがって合議制という形を取らざる得ないのが、現在のアップルの置かれた状況のようである。これが、アップルの未来に疑問を提示するきっかけになっている。
かつてソニーでも似たようなことが起きていた。盛田氏が存命中は、なんとかソニーの革新性は保たれたが、彼が死去後は一気に普通の大企業化がはじまってしまった。その後は言うまでもない。アップルでも似た経緯を辿るのか。それはなんとも言いがたいが、これからどんな人材が現れるかに係っているのは間違いないだろう。
ジョブズのような真の意味での市場開発者が望ましいが、なかなかそんな人材はいないだろう。
卓越したセンスがあり、技術の目利きが出来て、さらに技術者達を鼓舞して未踏の領域に立ち入ろうとする経営者はそうそういるはずがない。ジョブズのことを技術者ではないだろうという人たちがいる。そのとおり彼は技術者ではなかった。しかし、それは問題ではなかった。
真の開発者であった彼は、自分のセンスと考える未来のために技術者を叱咤し、とことん追い込んでいく。ときには技術者の固定観念を打破し、その果てに辿りついたのが、数々の製品群という訳である。
このように書くと簡単そうであるが、そうでもないことは、あのマイクロソフトが身を挺して示している。開発者の数では負けるとも劣らないはずのあの大会社がである。
さて、ここまで書いてきて何ら結論らしきものにたどり着かないが、要するにアップルの今後は余談を許さないということである。ジョブズ亡き後は、革新性ある製品が発表されていない。すべては、どんな製品を世に送り出すかに係っているのは言うまでもないことである。
以下は、あのジョブズの伝記が漫画になったようだ!
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