等間隔フェチか、整然としたなーんもないオフィス
テレビで見たのとは違うような? 前の事務所かも!
佐藤可士和の性質が、オフィスにすべて現われている
いつだったか定かではないが、あるテレビ番組(夏目三久司会)にアートディレクター(もしかしたらクリエイティブか)佐藤可士和氏の奥さんが出演していた。そこでは佐藤氏の仕事ぶりが紹介されていた。奥さんはなんと彼の元同僚(代理店の営業)であり、現在は事務所のマネージャーをしているそうである。
代理店とは、たぶん博報堂と思われるが、如何に。大手広告代理店で営業をしていたとは、たぶん優秀であるに違いない。そんな彼女は、端から見る分では佐藤氏より懐が深そうな感じがした。佐藤氏は、クリエイターだから一癖も二癖あるのは当然である。そんな扱いにくそうな彼をコントロールする奥さんという感じが伺えた次第である。
この佐藤氏の仕事ぶりを少しだけ紹介していたが、彼はやはりとんでもない性質を有していた。クリエイターは多かれ少なかれ変な癖を持っているが、彼の性質も半端ない。いや、一般人(当該ユーザー含む)ならとても理解できないはずである。それはどういうことかというと、あまりに”几帳面過ぎる”ということである。
それは、もう病的か、と思わず言いたくなる程である。例えば、彼のオフィスにはほとんど物が置かれていない。デザイナーという職業からして資料等が多数あると思われるが、それらが一切目に触れる場所にないのである。実は、それらは全て壁の中(棚にはすべて扉付き)に隠されている。
また、スタッフの部屋では、作業用の大きなテーブルの上に整然と並んだPC(たぶんMac)しかない。本棚も無い。壁には何も掛けられていない。病室か!とここでも思わず言いたくなるほどである。さらに驚いたのは、スタッフは作業中、テーブルの上に資料をはじめ物を置いてはならない。
佐藤氏のオフィス、これも少し前のものか! 写真:テレビ東京より
たぶん、多くのデザイナーは資料に埋もれながら作業をしているのではないか。違うか。佐藤氏のオフィスでは、それが禁止されている。普通のデザイナーは、彼の元では仕事ができないのではないか。そう思うが、如何に。ちなみ、彼のオフィスでは、デザイナーを採用する際には、まず几帳面かどうかが採用基準であるそうだ。
さらにもうひとつ吃驚したことがあった。顧客を迎えてプレゼンを行う部屋では、常に椅子を等間隔で配置している。それも、定規のようなものを使って間隔を計っていたのである。なんてことだ。そこまでするか普通?、やはり彼は普通ではないのだろう。たぶん。
しかし、佐藤氏にも言い分があるはずである。彼は、他の物から影響を受けるのを極力最低限にしたいと思っているようである。自身の作品さえオフィスには飾られていないようである。オフィスで目立つのは、白い壁と透明なガラスとがあるばかりである。それぞれの案件に対して、ひとまず無にして透明な心で対処したいのであろうと思われる。
ともかく、他のものから受ける影響を徹底的に排除するその姿勢は驚愕に値するはずである。誰にでもできることではないと思うが、如何に。
なぜ、彼にばかり仕事が集中するのか
このところ佐藤氏のデザインは多方面で採用されている。最近では、セブン&アイ、日清などのインターナルデザインがある。たしか彼は、10年前くらいから目立ってきたと思うが、違うか。個人的にはスマップの広告が記憶にある。その頃、なんでも電通が、彼をプッシュしていると聞いたことがある。しかし、その実態はよく知らない。
セブン&アイ ロゴデザイン
個人的な好みでいえば、けっして好きなデザインという訳ではない。当方は装飾過多なデザインが、どちらかというと好みである。佐藤氏は、装飾とも、過多とも対極にいるクリエイターである。しかし、彼の仕事は、多くの企業で成果を上げている。これは事実である。
それは佐藤氏が、時代の息吹を掴んでいる証であろう。と思うが如何に。とにかく当該ユーザーなどの好みとは関係なく、時代と流行の真ただ中にいるクリエイターであるのは間違いない。
しかし、何故に彼ばかりにスポットライトが当てられるかである。他にも優秀なデザイナーがいるはずであるが、それは何処にと思う昨今の状況である。個人的にはエンライトメントやタイクーングラフィックなどが好きな方であるが、佐藤氏のマス媒体への露出には比べようがないほど大きな差がある。
佐藤氏は、たぶんインターナルデザインの先兵役として、電通が送り込んだ使者なのかもしれない。そんなうがった見方をしたくなるほど彼には、仕事が集中しているように思うが、如何に。
そんなデザインを取り巻く昨今の状況を鑑みると、多くの優秀なデザイナー諸氏のさらなる健闘を願わざる得ない思いである。出よ、新しいクリエイターである!。しかし、すでにそれはいるのかも、当該ユーザーが知らないだけかもしれない。あしからず。
ヤンマーのコンセプトモデル
<アマゾン内容紹介より>
著者である佐藤可士和は、もはやデザイナー、クリエイティブディレクターという名称にはとどまらない仕事をしている。
ユニクロのグローバル戦略、「セブン&アイ」のリ・ブランディングから、1300アイテムのデザイン、ふじようちえんづくり、明治学院大学のブランディング、などなど、企業や学校の再生、方向性を決めていく根幹にかかわっているのだ。
コメント
>誰にでもできる所存ではないと思うが、如何に
ここの「所存」ですが,「所作」と言いたかったのですか?
「所存」では意味がわかりません。
なんのテレビ番組だったか。記憶が定かではありませんが、たぶん「夏目のオミミ」とかいう番組ではなかったかと思います。その中で意外だったのが、佐藤可士和氏は千葉県に農地を持っていて、そこでときどき農作業をしているとか。
いまもしているか不明ですが、それが妙に記憶に残っています。