■社会|フォルクスワーゲンの不正問題 ブランドイメージも毀損か

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企業として一番やってはいけない嘘を付いていた!

■信頼の製造業ブランドといえば、ドイツの企業であるが…

 ドイツの自動車会社フォルクスワーゲンは、自慢のクリーンディーゼルが実はちっとも自慢できるしろものではなかったことがバレてしまった。アメリカの排ガス規制をパスするために、自社のクリーンディーゼルに検査のときだけ稼働するソフトを不正搭載していた。なんと、この装置がオンでなければ「NOx(窒素酸化物)」が基準の40倍にも達していたことが判明した。

 対象となるクルマは、約1100万台に達するとか。さらに、アメリカ環境保護局(EPA)はこの不正に対して制裁金約2兆円を課すといわれる。売上台数世界一も、あっと言う間に苦境である。しかし、フォルクスワーゲンともあろうものが、まさかである。ドイツの製造業といえば、質実剛健な確かな技術力で世界に冠たるブランド力を有している。

 メイド・イン・ジャパンといえども、それには適わないだろう。そんなドイツの製造業の、しかもクルマ販売台数が世界一(2015年上半期)の会社でこんな不正が行われていたとはいかに。

クリーンならぬ、ダーティ-・ディーゼル:VWディーゼル、米国で大気浄化法違反(元トヨタ・エンジニアのブログ)

VWは、米国で’クリーン・ディーゼル’として強力なマーケッティングを行っており、TVコマーシャルでは「米国でのディーゼルNO1ブランドで、自慢は’クリーン・ディーゼル’」と放映している。

 最近のフォルクスワーゲンは、トヨタと壮絶な販売台数の競争をしていた。ほんの僅かの差で2015年の上半期はトップとなっていたが、案外あせっていたのかもしれない。クリーンディーゼルは日本のマツダも出していたが、アメリカでは販売していなかった。アメリカの厳しい環境基準にまだ時期早々と判断したと思われる。

 欧州では、楽々とパスしていたクリーンディーゼルであるが、それがアメリカでは通用しなかった。それはどうやら、欧州のディーゼルエンジンに甘い体質にあるといわれる。みんなで渡れば怖く無いが通用した欧州域内であるが、アメリカではそれが通用しなかったようだ。

 昨今の日本のメディアでは、もはやハイブリッドは時代遅れと言わんばかりにクリーンディーゼルを押していたと思うが、違ったか。それがこの有様とは、新聞記者や評論家はいま何を思うか。まさか、あの技術大国ドイツの企業が不正をするとは、如何様にも考えなかったに違いない。今頃は、この責任はどいつ(ダジャレ)にあるんだと言い訳を探していることだろう。

 ドイツ車に対する信仰が異常な日本(他国でもおなじか?)では、腐ってもベンツとか言って、新車のカローラよりも、たとえ故障が多くても中古の安いベンツの方を有り難がる傾向が顕著である。それは日本人の欧米への過剰な信仰心故に起きる、見栄を満足させる結果と思われる。

 フォルクスワーゲンも、ずーと前から業界関係者などにはベタぼめする人が多かった。とくに目立ったのは、ゴルフへの過剰なまでの信仰であったのは言うまでもない。しかし、辛口の人に言わせるとカローラと車格はそんなに変わらないとか。とすれば、日本向けに造られたカローラに分があるはずだが。

 ドイツ製なら安全、確かである。いつの頃からか、それは当たり前となった。しかし、ときどき海外情報を目にすると意外なことが載っている。欧州のタクシー運転手によるとベンツよりもマツダの方がずーと故障が少ない、という記事があった。ちなみに当方はマツダの回し者ではありません。

 日本では高級車のベンツも、欧州では当たり前の様にタクシーとして使われている。タクシーの運ちゃんの言い分が、正しいか否か。それは分かりませんが、一般人より何倍もクルマを運転しているのは間違いない。もしかしたら、タクシー用の劣化版ベンツがあるのかもしれないが。

 そんな訳で、いかに技術大国ドイツの企業といえども妄信はよくない。それが、今度のフォルクスワーゲン不正問題で明らかになったといえる。

 さらに、穿った見方をすれば、最近では中国への偏りが著しいドイツへのアメリカからの警告かもしれない。日本だってトヨタをはじめ多くの企業が、アメリカ様から痛い目に遭わされてきた。なにかと調子に乗っている欧州のひとり勝ちドイツに対する牽制であるとしても可笑しくはないと思われる。

 とにかく、利益のために嘘を付くという最もやってはならないことをした。これからは、いくら御用評論家が擁護しても誰もその性能を信用しないに違いない。フォルクスワーゲンは、販売台数を追う余りパンドラの箱を開けてしまった。

 他のドイツ車メーカーもおなじとは思わないが、しかし多くのドイツ製造業のブランドが毀損したのは否めないだろう。
 
独フォルクスワーゲンが排ガス不正 全世界で1100万台(CNN)

パリでは、ディーゼル車を排除するそうだ

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スモッグで霞むエッフェル塔

 クリーンディーゼルで欧州はどこも綺麗な空気なのかと思ったが、実はそうではなかった。フランスのパリではとんでもないことになっている。花の都パリがPM2.5によって北京や上海のようになってるそうだ。その主な原因が、ディーゼルエンジンにあるといわれる。

パリ市長、20年までにディーゼル車の一掃目指す(産経ビズ、2014/12)

大気汚染が危険水準に達したとして今年3月、市内と近郊で20年ぶりとなる自動車の運転規制を実施した。

パリのアンヌ・イダルゴ市長(55)が7日、2020年までに市内でのディーゼル車の運行を全面禁止し、歴史的建築物が立ち並ぶ中心部への自動車の乗り入れを制限するとともに“歩行者優先ゾーン”を新設する考えを明らかにした。

大気汚染の原因の一つであるディーゼル車を一掃することで大気汚染をなくし、自動車依存社会からの脱却を図りたい考えだ。

 欧州といえば、環境基準がきびしいというイメージがあるが、案外そうでもないようだ。ディーゼルに関していえば、何故か優遇されているようだ。それが要因となってパリのように環境が悪化しているといわれる。

 欧州の大都市では、ディーゼル車規制強化と燃料の低硫黄化が日本や米国加州に比べ遅れ、さらにディーゼル燃料への優遇税制などでディーゼル車比率が増加したこともあり(フランス車のディーゼル比率61.3%、うちクリーンディーゼル(Euro4以降)は25%)、PM2.5による大気汚染はまだまだ問題となるレベルであるとか。(元トヨタ・エンジニアのブログより)

 さらに、欧州では低カーボン政策と欧州ディーゼル技術をサポートするために、ディーゼル規制がガソリン規制より緩いダブルスタンダードが永らくまかり通ってきたことも今の大気汚染問題の背景にある。

 そのような背景のなかで登場したのが、クリーンディーゼルであった。それがフォルクスワーゲンの不正に見られる様に、実はたいしたことがないと分かれば大変なことであるに違いない。

 欧州での検査体制がどうなっているか、フォルクスワーゲンだけの問題かどうか、それが今後は問われるかもしれない。

 しかし、このクリーンディーゼルを押しまくった日本のメディアは、ほんとに目出たいというしかない。(嘘のマーケティングの片棒を担いだだけ)

 なお繰り返しますが、ドイツ車全般、その他欧州車もおなじと決まった訳ではありません。ただし、欧州の排ガス規制がどうやらユルユルなのは本当らしい。

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