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■社会|豊洲問題の根源が見えてきたか 盛んになる情報操作がそれを物語る

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元都知事に端を発する怪しい動きが露呈する

 石原元都知事は、役人に騙されたと言っていたが、その舌の根が乾かないうちに次々と新事実が明らかにされている。

<元都知事の二転三転する発言>
・盛り土をしていない地下空間が発覚する、役人に騙されたと発言。
・元都知事がコンクリ空間を提案していたことが明らかとなる。
・元都知事、提案したが関与していないと否定する。
・盛り土をしない地下空間を了承する書類に判を押していたことが分かる。
・豊洲は副知事に任せていたから、自分はよく分からないと惚ける。

 いったい、どれが本当のことなのか、当人が一番よく知っているはずと思われるが…。想像するに、背景に余程やばい事情が隠されているからに違いない。

石原氏 豊洲移転を「副知事に任せていたことを反省」
 混迷を深める築地市場の豊洲移転問題で、石原慎太郎元東京都知事(83)が「週刊文春」の取材に、交渉は浜渦武生副知事(当時)に任せていたと語った。
 石原氏は、小誌の独占直撃に次のように語った。
――なぜ汚染された豊洲の土地を買ったのか。
「何も知らない。あれは福永(正通副知事)から引き継いで浜渦(武生副知事)がやったんでしょ。僕はね、横田(基地)とか、大江戸線とか、尖閣諸島を守ることに必死だったから」

豊洲新市場の経緯はいかに

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引用:http://www.shijou.metro.tokyo.jp/toyosu/

 豊洲新市場の造成、建築に関する不可解な背景が徐々に明らかになってきた。豊洲問題の根源は、どうやら元都知事が密接に関わっていたようだ。

 元都知事と周辺関係者たちは、築地市場の豊洲への移転に強くこだわり続けていた。そこに、諸問題の根源が隠されている。

 豊洲新市場は、築地の老朽化ばかりが要因ではなかった。はじめに築地市場跡地の再開発があり、それを目的に市場移転が計画されたといわれる。なぜなら、当初、築地市場は改修される方向で進んでいたからだ。

 ところがある時期から、豊洲移転が既成事実化しはじめた。それを主導したのが、元都知事とその関係者といわれる。

 築地市場の改修にあたり、その事前調査では改修可能の結果が出ていた。それを再度、別の業者に調査させたところ、改修は不可で移転しかないという結果となった。この再調査を主導したのが、元都知事の側近といわれている。

 どうしても移転させたかったと思われても仕方がない。それを証拠付けるのは、豊洲の地主だった東京瓦斯は、土壌汚染を心配して売るつもりはなかった。それを、東京都は好条件を提示して買い取っている。土地代は約2500億円だった。

 無理やりに買い取った豊洲では、当初から土壌汚染が心配されたが、それでもなぜか既成事実化が進められていった。計画では、敷地全体を盛り土してまで移転にこだわって進められていく、それを見直しする気など一度もなかったようだ。

 しかし、計画とは違って敷地全体の盛り土はされず、一般にはそれを隠して建設は進められていった。一方、東京都は敷地全体を盛り土したと、ごく最近まで都議会でも一般にも公表し続けていた。

 さらに、土壌汚染の最終モニタリング調査が発表される前に、豊洲移転を完了し新市場をオープンさせようとしていた。

 これらは、いわば規制事実を積み重ねてしまえば、やったもん勝ちになると読んだと思われる。とにかく、急いでいたのは間違いない。オリンピックがあるから道路を整備しなければいけない、それも根拠が薄いと思われる。

 オリンピックなんて、たかが2週間程度のお祭り騒ぎに過ぎない。さらにいえば、いまさら国威発揚でもないだろう。

 やはり、築地市場を早く解体して更地にして、再開発することが第一の目的だったと思われても仕方がないと思われるがいかに。

 本来であれば、移転する新市場は、築地より何倍も優れた機能性や耐久性が求められたはずだ、それでこそ移転の価値がある。しかし、土壌汚染は解決せず、さらに機能性にも、耐久性にも数々の問題が指摘されている。

 極め付けの本末転倒、それが首都東京で行なわれていたのは間違いない。

 現在、地下空間に溜まった水が汚染されているかで騒がれているが、問題の本質はそこではない。溜り水問題にスポットが当たることで問題の本質が逸らされる懸念がある。

豊洲問題の本質すり替えが目立ってきた

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 豊洲移転を主導した関係者たちは、目的達成を前にして苛立ちを募らせているようだ。その証拠に論点をすり替えて、現在の豊洲問題をかわそうという情報操作が行なわれている。(あくまで推測であるが)

 それは以下のような記事を見るとあきらかと思われる。そこでは論点の破綻もなんのそのとばかりに、豊洲問題を軽くしようという思惑が感じられる。

豊洲の水溜りはただの水だった 豊洲の辺野古化
汚染水が見つかったと大騒ぎした建物下の水溜りは、成分を調べたところ、ただの水だったようです。その後の報道によると、建物下に盛り土をしなかったのは石原慎太郎都知事の了承を得ていて、手続き上の問題はなかった。

「水溜りの水に基準値の4割のヒ素が発見された!」とマスコミは大喜びで報道していたが、市販の飲料水と同じレベルだった。微量の化学物質は建物のコンクリートから自然に染み出したもので、水そのものに問題はなかった。

つまり何も出なかったのだった。

そして小池知事が問題視している盛り土ですが、石原元知事側によると、盛り土によって新たな汚染の懸念があった。訳の分からない場所から持ってきた土を盛るよりは、建物の床のコンクリートで塞いでしまおうという議論になった。

必要かどうか分からない盛り土のために1500億円使うのを、恐らく石原都知事は疑問に思ったでしょう。その代わり、建物の下は分厚いコンクリートで塞がれるのだから必要ない、こういう事だったようです。

汚染物質は発見されず、地下に存在するとしてもコンクリートで仕切られていて、地表に出てくる恐れはとりあえず無い。

汚染がないのが不満なのか、汚染があったら嬉しいのか、小池知事とマスコミの言い分はさっぱり分からない。

 この記事には、いくつか疑問を感じて仕方がない。

・盛り土していない地下空間を都知事の了承があったから問題ない。→これは問題のすり替えではないかと思うがいかに。

・汚染水が見つかったが、水そのものに問題はなかった。→まだ決まったわけでもないと思うが、ついでにいえば9/20公明党はシアンが含まれていたと公表した。

・汚染物質は発見されず、地下に存在するとしてもコンクリートで仕切られていて、地表に出てくる恐れはとりあえず無い。→誰がそういったか、それは正しいのかが現在問われているはずだが、違うのか。

・必要かどうか分からない盛り土のために1500億円使うのを、恐らく石原都知事は疑問に思ったでしょう。→だから、建物棟で盛り土をしなかったのは正解ということか。しかし、だったら豊洲移転の見直しをしたらよかったと思うが。

 いくらでも、豊洲を見直す時期はあったはずだ。中止にせずに盛り土をごまかして進めているのはなぜか、それが問われているはずだ。

 とにかく、どこからどう見ても怪しいと思うしかない。さらに、元大阪市長の橋本氏も以下のような内容で、意味不明な問題の本質ぼかしを行っている。これは、なぜなのか、その本意がよく分からない。

豊洲問題「もう報道がめちゃくちゃ。」
土壌汚染対策費の上限は土地代の2割から3割と言われている(ブラウンフィールド問題)。今回の専門家会議は予算度外視の完全無害化対策を提言。豊洲の土地代は2500億円。専門家会議の提言をそのまま実行すれば対策費は1500億円にも。どれだけ無茶な提言だったか。

もう報道がめちゃくちゃ。今回水質に汚染物質が検出されなかった結果を受け、日経がどこかの専門家のコメントとして、複数の水源があれば問題だと。おいおいそこはもう技術会議で確認済みだろ。まず今、どんな対策が講じられているのかを前提にすべき。指摘されることは全て対策済みだ。

専門家会議の提言前は、盛土は絶対的な対策だった。都もそのような説明。なぜなら汚染物質をある程度残す対策だったから。それが専門家会議で完全無害化の対策になったので盛土は絶対的な対策ではなくなった。この変化について都庁組織内で情報共有できず、稚拙な説明になったのであろう。

 橋本氏も盛り土をしてれば1500億もかかった。だから、地下空間も正解だっといわんばかりである。ここでも、なぜか豊洲をその時期に見直し、または中止にする機会があったという視点がみじんもない。

 東京都の虚言癖も、「都庁組織内で情報共有できず、稚拙な説明になったのであろう」と擁護ともとれる内容である。それで済ましていいのか。現在問題になってることも対策済みとしているが、それこそが問題となっている根源ではないか。

 橋本氏は、豊洲の事案をたんなるから騒ぎと断じている。それが何を目的としたものか、不可解に感じて仕方がない。

おまけ/新しい石巻魚市場が注目されている

 東北・石巻に新しい魚市場が誕生した。その出来上がりが高く評価されているそうです。施設の目的がマーケットインされているといわれます。

 消費者ニーズに対応することで生産者にメリットがあるように、作る人、売る人、買う人、皆がうまくいくように仕組みがつくられているとか。

詳しくは以下をご参照ください。
建築エコノミスト 森山のブログ/築地再生計画3

追記:
 ちなみに、当方はこの問題に詳しいわけではありません。土木、建築もおなじく知識があるとはいえません。しかし、事の経緯を垣間みれば、誰でもなんとなくおかしいのは分かります。少なくとも疑問は感じます。

 一企業であれば、目的と目標が明確であれば、あとは実行するのみです。しかし、一方では収支計算が毅然としてあり、それがたえず計画の実行を監視していきます。したがって、目的と目標の乖離があれば、それを修正し改善していきます。

 目的は、顧客視点が重要視されて、それがあると無いとでは大きく違ってきます。それはマーケットインといわれますが、現在ではごく当たり前のこととなっています。ちなみに、70年代頃まではプロダクトアウトが主流でした。

 豊洲問題を考えると、顧客(消費者)の視点がどこにもないことに気がつきます。昔の名前で出ていますとばかりに、古い手法がまかり通っている気がして仕方がありません。政治家、役人の劣化は留まることを知らずのようです。

 中国の王朝では、宦官などの劣化が極まって滅ぶことが定番になっていました。それを考えると、日本の現状はかなりやばい状況かもしれません。それが単なる気のせいであればいいのですが…。はたしてそれはいかに。

ついで/東京都はこんなことも…

Short Film&TOKYOプロジェクト

築地市場: 絵でみる魚市場の一日 (絵本地球ライブラリー)
みんなが食べてる魚はどこからやってくる、豊洲への移転をひかえた市場の今を感謝の気持ちをこめて徹底取材!
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